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Notre histoireシリーズ  作者: おしるこ


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2/17

Notre histoire.1

「おはようございまーす!」


今日も元気な声で入ってきた彼女は

佐藤唯 新入社員でこの店に配属されてきて

もうじき2ヶ月になる

そろそろ独り立ちの時期だ


『おはよう、昨日はよく眠れたか?』


俺はこの店のチーフを任されている

北村洋平 彼女の教育担当だ


「チーフ!よく眠れました!寝すぎちゃったかも…」

『はは、ぼけーっとはしないでくれよ!』

「わかってますよぉ!今日は何をするんですか?」

『午前中はレジ 今日からレジは1人だよ 近くにいるようにはするから 午後は発注の準備だ』

「はい レジ表にわたしの名前も書いてあるんですよね?」

『そうだよ 確認してからそれまでは品出ししててくれる?あとで呼びに行くよ』

「はーい!いってきまーす」


すぐ走る…

元気なのはいいけど、頑張りすぎるところがある

無理させすぎないようにしなくちゃな


【事務所】


「チーフ?時間ですよぉー!」

『え?もうそんな時間か ごめんごめん レジに行こうか』

「めずらしいですね、チーフが遅れるの」

『いやぁ…後で話すけど、ちょっといろいろあって』

「大変そう…無理しすぎちゃだめですよ!」

『はは、ありがとう さっ!やっちゃおうか』


「チーフ、すみません…領収書のボタンがわからなくて」

『あ、それなら …ここ こっちの紙がいいお客様もいるから、その時はこの下の箱に入ってるからね

宛名をお聞きしてお渡しするんだよ』

「はい、わかりました」


この子は覚えが早くてたすかる

メモ帳をちらっと見たけど…びっしり書いている

A型のメモ帳だ…と思っている

あとで聞いてみようか


「チーフ、終わりましたー」

『もう昼だな 佐藤さんお弁当じゃないよね?』

「はい…どうかしました?」

『外行こ…みんなには内緒で』

「内緒…はいっ」

『外で待ってるよ 準備できたらおいで』

「はーい」


【喫茶店】


俺がよく通ってる店に佐藤さんを連れてきた


「チーフ、どうかしたんですか?」

『え?なにが?』

「みんなに内緒だなんて…もしかして、さっきの話しですか?」

『さっきの?』

「ほら、後で話すって言ってた…」

『あー!違う違う』

「ん?じゃぁ…」

『2人で来たかったから』

「え…?もう!からかわないでください…」


そう、この顔

この子は照れると顔が真っ赤になる 

リンゴみたいだ

それがとても可愛いんだよな

はぁ、可愛い ずっと見てたい


『ここさ、ナポリタンがおいしいんだ』

「ナポリタン!食べたいです!」

『うん じゃあそれにしようか 飲み物はコーヒーにする?』

「はいっ」

『デザートあるけど…どうする?』

「チーフ…そんなに時間ないですよー?」

『いいよいいよ!食べよ!おいしいぞーここのプリンは』

「プリン!?…食べたいです!」

『うんうん 頼もうね』


この子はなんでもおいしそうに食べるから、

たくさん食べさせたくなる

俺の癒やしだ


【唯point of view】


「チーフ…」

『ん?』

「わたし、お金払いますから…」

『気にしなくていいから』

「気にします!ごちそうしてもらうなんて…申し訳ないです…」

『いいからいいから!あっ、じゃあさ』

「はい?」

『またご飯食べよう その時はお願いしようかな』

「はい!約束ですよ! あっ、いけない…お礼が…

ごちそうさまでした!おいしかったです!」

『うんうん また来ようね』

「はい!」


約束も取りつけたし!午後も仕事頑張れそうだ

『じゃあ、用意ができたら2階においで 俺が使ってる部屋があるから』

「はーい」


私…もしかして子ども扱いされてる…?

何個違うんだっけ…10?12?


同期の桜井紬ちゃんには

いつもすごい仲いいじゃん!絶対脈ありだよ!

なんて言われたけど…

どう考えても……


でも、とても良くしてもらっていてありがたいなぁ


早く仕事を覚えて、チーフにふさわしい大人の女性にならなきゃ!頑張る…


あっ…でも、彼女さんいるかも…

いるよねぇ…かっこいいし…仕事できるし…優しいし


あーーー!考えこんじゃだめっ!


…仕事仕事!


えっと2階の部屋って言ってたなぁ


どこ?このお部屋かな?

"コンコン"「チーフ?いますか?」

"ガチャ" [よぉ、佐藤ちゃんじゃん]

「あっ、平澤チーフ!お疲れさまです 

すみません、北村チーフに2階の部屋って言われて…間違えちゃいました」

[ちょっと入っていきなよー]

「いえっ、チーフを待たせてしまってるん…わぁっ」


腕を引っ張られてドアを閉められてしまった

「あ、あの、平澤チーフ…離していただけますか」

[えー?なんで?]

「なんでって…わたし、チーフのところに…」

[チーフチーフってさー ほんとに北村のこと好きだよねー佐藤ちゃん]

「…や、わ、わたし…」

[わかりやすいねぇ…顔真っ赤にしちゃってー

かーわいいー 北村が可愛がるのわかるわー]

「ちょっ…平澤チーフ…っ」

"ガチャ"『…なにしてるんだ?平澤?(にっこり)』


「チーフ!」

思わずチーフの後ろに隠れる


「ちょっとからかってただけだろー]

『そうか、でも昼休みは終わってるからな

…返してもらうぞ さ、いこうか』

「は、はいっ…」


笑顔なのに…目が笑ってない…

チーフのこんな顔…初めて見た…


【洋平point of view】


平澤のやつ…あんなに近づきやがって…

俺だってまだあんなに近づいたことないのに…


『部屋、ここね 入ろ』

「はい…」

『大丈夫か?』

「あ、…大丈夫です」

『一緒に連れてくればよかったな』

「いえ、そんな…それより…チーフ?」

『ん?どうした?』

「あ、いえ…いつものチーフだ… 安心しました!」

『ん?なんか変か?』

「あ、いえいえ!気にしないでください」


『そうか?じゃあそろそろ発注の話しようか』

「はい」


俺の担当分はそこまで多くないが、

そのうち佐藤さんに任せることになるから、

いつも以上にメモが捗っているようだった


『……そう、この曜日は休みだから前日の夕方までに発注して、メモを貼っておいたら次の日に他の人がやってくれるから』

「はい」

『こっちのメーカーさんは水、土 午前中まで』

「はい」

『しばらくは俺も一緒にやるから、少しずつ覚えてくれたらいいからね』

「はい わかりました よろしくお願いします」



『よし!これで終わりー

あっ、そうだ 佐藤さん明日休みだけど、今日の夜はなにか予定ある?』

「いえ、なにも…」

『よし!じゃあさ、ご飯行こうよ』

「はい!ではそろそろ時間なのでレジに行ってきます その後は品出しでいいですか?」

『うん 頼むね またあとで』

「はい!」


食事の約束もしたし

俺も定時に終われるように早くやらないとな…



あれっ、ボールペン忘れてる…


【休憩所 平澤point of view】


北村のやつ…おもしろくなってきたなー


《なににやにやしてんのよ 平澤》

[おう、桜 休憩か?]

《すぐ戻るけどね あんたは?》

[俺はもう少しサボる それよりー聞いてくれよ]

《?》

[北村の嫉妬がすげーの]

《佐藤さんが他の人と話してるときとか見てるけど…やっぱりそうなのね》

[佐藤ちゃんにちょっかいだしてたら あいつの反応がわかりやすくておもしれーんだよな]

《ふーん?》

[佐藤ちゃんもいちいち可愛いんだよ]

《気に入った?》

[んー 可愛いがりたくはなるよなー]

《あの子は北村しか見てなさそうだけどね》

[そうなんだよ さっきも北村の話したら顔真っ赤にしちゃってさ 北村自身はそれに気づいてないってのがまた…]

《見守るしかないんじゃない?》

[なんつーか もどかしくてよ]

《それはそうね ま、お節介もほどほどにしときなさいよー じゃあね》



金井桜と北村は俺の同期だ

仲は悪くはない

北村が佐藤ちゃんに惚れてるから

ちょっと遊んでやろーと思ってる


佐藤ちゃん可愛いんだよなぁ

からかいがいがあるっていうか

あの2人お互いに両想いなの全然気づいてねーんだよな

鈍感はこれだから…



【倉庫 唯point of view】


あれ?ボールペンがない…

チーフのお部屋に忘れちゃったかな…後で取りに行こ


えっと…これと、あれと…


[さーとうちゃーん]

「平澤チーフ!どうしました?」

「今日仕事終わったら暇?]

「あ…今日はお約束があって…」

[へぇ?誰と?北村?]

「あっ、えっと…」

[顔赤いぞー わかりやすいねぇ…お?

…なぁ、佐藤ちゃん ここに虫が…]

「え…っ、きゃあっ!!」

[よしよし 今取ってやるからな]

『おい!!!何してる!』

[北村…顔がこえーぞ]

『何をしてる、と聞いている』

「あ、チーフ…平澤チーフに、虫を…」

『え…む、虫…?』

「はい…すみません…」

[大丈夫だよ、佐藤ちゃん 北村は怒ってるわけじゃないからな じゃー虫も飛んでったし?俺行くわ]

「あっ、ありがとうございました」


『…ごめんな…でかい声出しちゃって…

あっ、佐藤さんボールペン忘れてたよ』

「あ、いえいえ わざわざ持ってきてくれたんですね! ありがとうございます!」

『…品出し中だったね、俺も戻るよ』

「はい!ありがとうございました」


はぁー虫こわかった…


でも…なんか…チーフ…声がいつもと違った気がする…

怖かったわけではないけど

あとでもう1回謝ろう…


とりあえず、今は品出ししなきゃ


【2階 平澤の部屋 平澤point of view】


おもしれー すげー顔してたなーあれ

ま、虫なんて嘘だけど…


"ガチャ"『おい平澤』

[なんだよ なんか用か?]

『お前…どういうつもりだ』

[なにが?]

『お前…さっき俺が来たの分かっててわざとやったんじゃないのか?』

[なんのことだ?…それで?勇者様が姫のために邪魔者を退治しにきたってわけかー]

『……』

[わーったよ、もう余計なことしねーよ

こえー顔すんな 元々こえーのに]

『元々こえーは余計だ…まったく…じゃーな』



殴られるかと思ったぜ

わかりやすいよなぁ

そこがおもしろいんだけど


【洋平point of view】


「チーフ、終わりました」

『おつかれさま じゃあ、行こっか』

「はい」


佐藤さんを連れて食事に来たのだが…

なんか元気ないな…どうしたんだろ


『あれ、口に合わない?』

「あ!いえ、とてもおいしいです!」

『…なんか、元気ない?どうした?』

「あ…考え事しちゃってました すみません」

『悩み事でもあるのかな?よかったら聞くよ?』

「えっと…さっきの…ことなんです」

『…さっき?もしかして虫の?』

「はい…あの、チーフの声がいつもと違った気がして…怒らせてしまったかと思って

すみません…」

『え?そ、そうか?怒っていたわけではないんだ 

俺のほうが申し訳なかった 驚かせたよな』 

「あ、いえ…大丈夫です」

『それに苦手なものは誰にでもあるからな 

まぁ、俺が助けてあげたかったけど…』

「チーフ…何かあったときはお願いします!」

『うんうん 何でも言ってくれよ』

「ありがとうございます!」


気にしてたのか…

やばいな、俺ほんとに嫉妬深いよな…

気をつけないと…



俺の方が元気がなくなりそうだが…


でも今は…佐藤さんのこの笑顔をそばで見られてるだけで…いいか


【ある日】


佐藤さんは遅番は今日が初めてだから

少し早めに待機している 時間よりも早く来る子だからな…


『おはよー佐藤さん、田辺さんも』

おはよーございまーす 

「おはようございます!チーフ」

『あれ?もしかして一緒にきたの?』

待ち合わせたのー佐藤さん遅番初めてでしょ?

入り時間の確認したいっていうから、

早めに会ってお茶してきたのよね!佐藤さん

「そうなんです!えへへ」

『そ、そうか それはよかったね…』

あ、チーフ ちょっといいですか?

『ん?いいよ』

じゃこっちに…

『え?うん あ、佐藤さん発注するから、ちょっとここで待ってて』

「はーい!」



彼女は田辺凛さん 佐藤さんの3年先輩にあたる

佐藤さんが俺に話なんて めずらしいな、なんだろ…

『なに?なんかあった?』

<チーフ顔に出すぎ!女にもヤキモチ妬くわけ!?>

『な!そ!そんなことしてないだろ!?』

<えー?お茶したっていったとき、眉間にしわ寄ってたけどぉー?>

『あのなー…』

<ほんとおもしろいんだから…佐藤さんに気づかれてないのが余計に…ふっ…>

『うるさいぞ…さ、仕事だ!ほら!』

<はいはーい じゃ失礼しまーす…ふっ…ふふっ>


まったく…いつまで笑ってんだよ

でもほんとに…気づかれてないんだよな…はぁ…



あ!佐藤さん待たせてるんだ 行かないと


『佐藤さん、おまたせー さ、やろうか』

「はい!」



『…よし、終わったね で、遅番は13時から休憩になるんだ』

「休憩早いですね?」

『うんうん だから、あと1時間は品出ししちゃっててくれる?今日はレジ表に名前は入ってないから』

「はい!わかりました」

『昼休みが終わったら、倉庫整理するからね』

「わかりましたー」

『うん、じゃあ またあとで 倉庫でねー』

「はいっ!」



【唯point of view】


❲ゆいーおはよー!❳

「あ!紬ちゃん!おはよ 初早番、どう?」

❲朝早すぎーゆい、ずっとこの生活だったんだー❳

「ふふ 2週間ごとだっけ?これからは」

❲って聞いてるー あ!わたし今から休憩だから!

行ってくるねー!❳

「うん!いってらっしゃーい!」


さ!私もお仕事!やっちゃお!


<佐藤さーん!>

「はーい、あ、田辺さん!」

<こらこら、まだやるの?休憩だよー>

「あ、そっか13時でしたっけ!今行きます!」


<今日はなにするー?>

「そうですねぇ…」


【洋平point of view】


お、佐藤さん休憩入ったね

もしかしたら忘れちゃってまだやってるかと思って見に来たけど、田辺さんがいたな

最近はなかなか佐藤さんとお昼に行けてなくて

ちょっとさびしい

また誘ってみようかな


さて、俺も昼食べてこよう



こちらの記事はnote様で同一名義にて投稿しております。

再編集して投稿しております。

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