Notre histoire.Episode.0
【1999年11月】
だいぶ寒くなってきたなー…
さて、駅についた…と、ん?
可愛い子がいる
あの子は…え?なんか行ったり来たりしてるな…
地図を持っているが…
???「…え?えぇ…どうしよう…」
不安そうな顔をして、か細い声でそう呟きながら
オロオロしている…
『…それ、地図逆さまじゃないかな?』
「…え?あ、あれっ!?あ!すみません…ありがとうございます…!」
『どこに行きたいの?』
「えっと…〇〇〇株式会社さんの本社を見に来たんです…」
うちの本社じゃないか…
『ん?…見に?』
「あ、はい!2週間後に就職試験があるんです…
どうしても合格したくて…下見に来たんですが…」
わざわざ、下見、ねぇ…でも正解かもな
当日だったら遅刻だぞ、この子
『良かったら送るよ』
「本当ですか!?あ…でもご迷惑では…」
『いや、全然!通り道だから 行こうか
駅はここね そうしたら…地図はこう向けるんだ
こっちだよ おいで』
「ありがとうございます!」
『そういえば、なんでそこに受かりたいの?』
「あっ…前にお買い物に来たことがあって…〇〇店なんですけど…」
うちの店だ…
「そこで、ちょっと怖い人にいきなり声をかけられたことがあったんです」
…世間知らずっぽいもんな…
「その時に助けていただいた方に憧れて…!」
『…男?』
「あ、いえっ女性の方です その人を投げ飛ばしてました!」
…あ、聞いたなそれ…田辺さんだな…
『そうなんだ それで、そこで働きたいんだ』
「はい!担任の先生には何社も受けろと言われたんですけど…1本にしぼっちゃいました!」
ずいぶんな憧れられようだなぁ…
『そうか、頑張ってね!はい、ここだよ
階段を登ったら入り口が見えるから
大丈夫?わかったかな?』
「ありがとうございました!ホッとしました」
……………!!!なんて…なんて可愛い子なんだ
さっきまでの不安な顔が一気に吹っ飛んだこの笑顔の…破壊力が…
『あ、あぁ じゃあね 帰りも気をつけるんだよ』
「ありがとうございます…ありがとうございます…」
おいおい、まだ頭下げてるぞ…
あ、上げた
手を振ったら、もじもじしながら手を振り返された
…可愛かったなぁ
あの子のうちの制服姿とか想像した…
あ、やべぇ 俺も本社に行かないと
その試験のことで呼び出しくらってるんだよな
…また会えるかな…
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