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Notre histoireシリーズ  作者: おしるこ


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10/17

Chers amis….2

【裕貴point of view】


[おい、桜ー]

《なによ》

[ちょっとこっちこいよー]

《?なんなの?》

[ちょっとだけ…ん、]

《…んんっ…あんたねぇ…もうっ》

[仕事早く終わらせるための充電なんだからいいだろ?]

《…すけべ!》

[可愛くねぇなーほんとに]


あれから桜と付き合って3年近くになる

洋平にはまだ話してないけど、さすがに勘づいてるかもなー

桜も異動してきて一緒に働けるようになったし、

落ち着いたら結婚、とか…考えてる


あーそのためには、俺も早くチーフくらいにはなりてぇよな

今年は資格も受けなきゃな 

洋平みたいに早めになれるかもしれねーもんな


『裕貴』

[おう、洋平どーした?]

『拓真は来られないそうだ、また近々店に来るってよ』

[忙しいんだなー ま、いつでも飲めるからな 

今日は3人で行こうぜ]

『あぁ あ、それで来週からの特売のことなんだが………』

[あ、それなら………]




【居酒屋】


[おう、おまたせーやってんなー?]

『おつかれー裕貴!』

《おそいわよー、裕貴ー》


かんぱーいっ

『あーっうめぇー』

[お前ら何回目の乾杯なんだよ…まったく…うまそうに飲むなー洋平は]

《ほんとね…あ!裕貴は飲み過ぎないでよ!?》

[わーってるよ でもこんなに楽しい酒なんだ

明日は休みだしちょっとだけ、な?]

『そうか、裕貴は休みだったな 俺たちは明日から遅番だから、少しは余裕あるな』

《そうね 終電まで付き合いなさいよ?洋平》

『頼むから…潰さないでくれよ…』



《え?ちょっと裕貴?うそー…ねぇ、もう寝てるじゃない…》

『しょうがないな…あとで俺んちに連れて帰るよ』

《お願いね じゃあ!飲みましょ 洋平》

『おう』


【桜point of view】


《ねぇー最近どーなのよー…彼女とはー》

『あー別れたんだ もう1年になるかなぁ…』

《え…あ、そう、なんだぁ…

よし!洋平、今日は飲むわよぉ!》

『それはいいけど…おい、桜…あんまり飲み過ぎるなよ?』

《だいじょーぶよー… ねぇ、洋平…》

『ん?』

《ちょっとだけ…》

『お、おい、桜…』


裕貴と3年近く付き合ってるけど、なんていうか

最近マンネリ気味で…

チーフになって、仕事をバリバリこなしている洋平が気になっていた


今は彼女もいないっていうし、

洋平さえよかったら乗り換えちゃおうかな、

なんて最低なことも考えてる


裕貴、またすぐに寝ちゃったし…

洋平に抱きついてみた

これだけでよかったの 今すぐ裕貴と別れるとか

そんなこと全然考えてなかった


でも…

お酒が入った洋平と…

《ん、んんっ…》

『おい、桜っ!?…ん…ん』

《ん…んっ 洋平…》

『んんっ…』


[…え…なに、して…]


『あ、裕貴!?起きたのか これは…』

《!!裕貴…》

[え、なんで…あ、お前ら…そういう、ことか 

それならそうと言ってくれよ 

俺、邪魔もんじゃねーか

はは んじゃねみーし先帰るわ おつかれー]


え?なんで帰るの?なんで責めないの?

あたしたち付き合ってるんだよね?

どうして…?


『あ、裕貴!…行っちゃったか』


《…ねぇ、洋平…洋平の部屋連れてって?

続き…しよ》


ーーーーー


あたしたちは洋平の家に行って

最後までしてしまった

その日は泊まって、翌日は一緒に出勤した


裕貴は休みだし、

洋平ともたった一夜のことだけで…

最後までしたことが裕貴にバレなければ、

あとは元通りになると楽観的に考えてた


あたし…本当に最低…


【翌日 裕貴point of view】


昨日は、どうやって帰ってきたのかよく覚えていない 気づいたら玄関で座って寝てた

こんな時間まで寝てたのか…


…何が起こった?夢なんじゃないか?

そう思いたかった


なんか声が聞こえる、と思って目が覚めたら


目の前で桜と洋平が…


夢であってほしかったけど…


いつか、こうなるかもしれないとは思っていた

元々桜は洋平が好きだったんだから


3年前、洋平には彼女がいたからな


でも…少なくとも最近の桜はお互いに好きで俺と一緒にいてくれてると思ってたんだ…


カッコ悪ぃけど…

見てられなくて帰ってきちまった

あのあと、どうなったんだろうな

怖くて聞けねぇし、もう桜と付き合っていくことも…


だって、俺との時と明らかに違ったから


酒が入ってるから、とかそういうやつじゃなかった


洋平のことを想ってる顔してた

あの頃みたいに…


はぁ…

それでも…あいつがそれで幸せなんだったら…

俺は…

相手が知らねーやつより、洋平なんだったら…

洋平ならきっと、桜を…



あー なんか疲れた 明日から早番だしな

今日はゆっくりするか…腹減ったなー



…ん、メール、か

❴昨日行けなくて寂しかったぁ ご飯行かなーい?❵


拓真か…

そうだな、行ってくるか


【拓真point of view】


えーっと、裕貴は… あ、いたいた


❴裕貴ぃーおまた…せって、おい、どうした!?なんて顔してるんだよ…❵

[…あ、あぁ]

❴…何があった?❵

[いや、なーんも 桜と別れることになると思うってだけ]

❴…そう、長かったのにな 話してくれるなら、何でも言ってくれ 心配だ❵

[ははっ… せんきゅーな 

じゃあ今日は拓真のごちでたらふく食うか!]

❴…そうこなくっちゃ!好きなもの選んで!❵


裕貴…無理して笑って…

少しでも元気になってくれたらいいんだけれど…


❴ね?ひどい事言うのよぉ!失礼しちゃうわよねぇ❵

[どこにでもいるんだよなー そういうやつ]

❴でしょぉ?…人事の力で目に物見せてやろうかしら❵

[こえー 敵にしたくねぇな]

❴ふふっ みんなは大事な友達だもの そんなことしないわよぉ…!❵

[…みんな、か はは…]

❴…さ、そろそろ帰りましょうか 明日も仕事よぉ❵

[おう!今日はありがとな ごちそうさん]

❴裕貴、またそのうち会いましょ♪❵


振り返らないまま、手を振って行っちゃったな…

…何かあったんだろうな、あの2人と


裕貴…ずっと一途に桜のことを想っていたのを知ってるだけに…

つらいな…

でも、こういうのは、自分の力で立ち上がらないと…いつまでたっても…な


早く元気になってほしいけど…


【洋平point of view】


『桜ー あとこれな よろしく』

《わかったわ そこに置いといて》



…やっちゃったんだよな…桜と

あー酒飲んじゃうと、だめだな…

気まずい感じにはなってないからよかったけど…


《あ、洋平…》

『なんだ?』

《今日、付き合って 話があるの》

『あ、あぁ…』


昨日のこと、だよな…


【洋平の自宅】


『昨日のことだけどさ…』

《ねぇ、洋平…今付き合ってる人…いないのよね?》

『あ、あぁ…』

《昨日…本当に幸せだったの…お願い…もう1度だけ…

お酒のせいって思いたくないの…》

『桜…っ…ん、んん…』

《よう、へい……んっ、》


ーーーーー


《洋平…あたしと…その…付き合うとか…》

『桜……こんなことになっといて…あれだけど…

俺…お前のことは…』

《…そうよね わかってた 大丈夫よ 

仕事中はちゃんとするから 

でも、今日だけ…今日だけで忘れるから…お願い…》

『桜…っ』

《あっ…洋平っ……》


ーーーーー


その後、送っていくと言ったんだが…

《振った女にこれ以上優しくしないで 

じゃあ、また明日》

そう言って1人で帰ってしまった


俺は…桜に最低なことをした

付き合う気もないのに…

"今日だけ…"その言葉に身体が反応して…

言い訳にならないけど


はぁ…桜、ごめんな…


【翌日 2階 洋平の部屋】


❴洋ちゃーん!❵

『おー拓真 どうした?』

❴近くまで来たから 顔が見たくて♪❵

『なんだー?変なやつだな まだいられるのか?』

❴うん!そう言ってくれると思って♪

差し入れ!はい、コーヒー❵

『おぉ、ありがとな』

❴…ねぇ、あなた 桜と何かあった?❵

『ぶっ…げほっごほっ…な、どうして…』

❴やっぱり…❵

『桜に聞いたのか?』

❴裕貴よ…昨日会ってたの❵

『裕貴?』

❴…もしかして…知らなかったの?裕貴と桜が付き合ってるの❵

『な………付き合ってるって…ちょっと待ってくれ…

進行形、なの…か?…』

❴やっぱり…知らなかったのね…❵

『お、俺…なんてことを…』

❴何も知らないのにごめんなさいね 裕貴は何も話してくれなかったんだけれど…

裕貴のことが見ていられなくてね…❵

『いや、いい…教えてくれてありがとな 拓真

すまん…ちょっと裕貴のとこに行く…』

❴えぇ…❵


裕貴は…あ、もう帰ってる…

定時過ぎてたのか…早番だったもんな…

え…だって、さっきまで普通に…仕事してたよな…

なんで…何も…


【桜point of view】


〈あ、洋平お疲れさまー〉

『…金井 ちょっといいか?』

《…え?》

どうして…名字…なの…?


『お前、裕貴と付き合ってるってほんとか…?』

あ…最悪の結果に…なったのね


《……うん》

『…っ なにしてんだよ!裕貴の目の前で…それに、昨日だって…っ』

《あたし…あなたがずっと…》

『やめてくれっ!…聞きたくない』


洋平は走って行ってしまった


きっと裕貴のところに行くのよね…

あたしが壊したんだ 

3人での想い出も、これからも…


【洋平point of view】


"ピンポーン"『裕貴…開けてくれないか』

しーんとしている…部屋の中に気配はあると思うが…


"ピンポン"『頼む…裕貴…』

"ガチャ"[…なんか用か 北村]

『…!裕貴、ごめん、俺、何も知らなくて…』

[べつに もうどうでもいいよ じゃーな]

『待ってくれっ』

[お前らが付き合ってもなんも思わねーよ 

仕事はちゃんとするし 気にするなよ]

『…』


ドアが冷たく閉まったあと、俺はそこからしばらく動けなかった


何をしているんだ、俺は…


もう二度と酒なんか飲まない


裕貴には許してもらえないだろうが…

裕貴のことも桜のことも、これからもっと傷つけることになるんだな…


もう、俺たちは楽しくやってた頃に戻れないんだな


【半年後】


《北村、この発注先だけど…》

『あーそれは来月から変わる予定だ わかり次第

金井にも知らせるから』


[桜、ここ置いとくぞー 忘れんなよ 整理]

《わかってるわよ》


『平澤、そろそろ内示がでるが 1月からチーフに昇進だ そのつもりで頼む』

[へいへい]


…仕事はできている 普段通りといってもいい


あれから半年…拓真とはたまに会っているが…

あの頃みたいに4人でなんて…


はぁ…

❴ため息なんてついちゃって…どうしたのよぉ❵

『おー拓真か どうした?』

❴書類渡しにきたのよぉー

ねぇークリスマスにはちょーっと早いけど!!

パーッとやりましょうよー❵

『はは パーッとって言ってもなー』

❴わたしにまかせて!❵

『拓真…?』



【レストラン】


[拓真わりぃ 遅くな…っ おい どういうことだ…?]


❴あなたたち、もうあれから半年よ?

お互いに想い合ってるんだから 

いい加減素直になりなさいな❵

《…》

『平澤…』

[ちっ…わーったよ 俺が悪モンみてーじゃねーか

別にもうなんとも思っちゃいねーよ]

『平澤、俺…お前にちゃんと謝らないと…』

[俺のことはいいんだ 謝るなら桜に、だろ]

『…すまん、金井 最低なことして悪かった』

《あれは…あたしのせいだから…拓真にも心配かけて…ごめんなさい 

平澤のこと傷つけて…あたし…ごめんなさい》

[桜、お前はあのときやっと自分の気持ちに素直になれたんだ  俺はそれでいいから…な?]

《平澤…》

[さ!これでこの話は終わりだ 今日は酒なしで盛り上がるぞ! 拓真、呼んでくれてありがとな]

❴えぇ ほんとに…よかったわぁ❵



[それにしても、拓真…お前、いつも勘が鋭いというか、何か見えてんのか?ってくらい鋭いよな》

❴そんなことないわよぉ 恋心には鈍感よぉ❵

『ここぞってときに いつも拓真がその場をまとめてくれるからな…感謝してる』

《ほんと…何者なのよ…》

❴か弱い男捕まえて何言ってるのかしらぁ❵

[その筋肉でよく言うよ ったく…]

《頼もしいわ いろんな意味で 

拓真がいてくれて、こうしてまたみんなで会えるなんて…ありがとう》

❴いいのよ♪❵


そのあと、終電近くまで盛り上がった

またこんなに楽しく話せるようになったのも、

本当に、拓真のおかげだ


【拓真point of view】


本当に良かった…大事な仲間が離れ離れにならずに済んで…

せっかくできた"親友"達だから

こんな俺でも、偏見なくずっと仲良くしてくれたんだ 恩返しなんてたいそうなものではないけど、

できることなんてこのくらいしかなかったから


【裕貴point of view】


拓真はこの半年、代わる代わる俺たちの話を聞いて、ここだってタイミングで俺たちを会わせたんだよな

まじですげーよ 人事も天職なんじゃねーかな…


洋平も、桜を傷つけたってずっと後悔してた

それでも、心の底から好きな女じゃないと付き合えないってのも…まぁ、わからなくはないけどさ

その相手が、桜ってのがな…

いや、洋平だって悪くねーんだ

誰も悪くねぇよな


桜…俺、お前のこと嫌いになれねーし

お前が幸せになれるんなら、それが1番いいんだ

カッコ悪ぃけどさ 惚れたもんの負けなんだよな


【桜point of view】


…ずっと、あたしのことを守ってくれてたのに

あたし、本当に最低…

こんなことしないと、気づけなかったの…?

ずっと、となりにいてくれてたのに

今になって、やっと…バカみたい…


ううん…バカだ…


これから、ずっと…

振り向いてくれなくてもいい、あなたのことを…


【洋平point of view】


あのあと、裕貴と2人で話したんだが

裕貴は入社したときからずっと桜のことが好きだったんだな

桜が幸せになることだけを考えているんだよな 

昔も今も…

だから体の関係まで持った俺が桜と付き合わなかったことを、良くは思わなかった…


それでも、俺の気持ちも理解はしてくれた


一途だよな…ほんと…

人として、男として かっこいいよ



【1999年11月】


【事務所】


あ、北村くん、本社の高柳課長がお呼びだ

行ってきてくれないか?

『今からですか?…承知しました』


【2階 裕貴の部屋】


『おーいたいた 平澤、金井もいたのか

俺、本社に呼ばれたから今から行ってくる 

店のこと頼むなー』

[え?本社!?お前…何したんだよ…]

『何もしてねぇよ!』

[あとで拓真が来るって言ってたぞ?]

『拓真も知ってんのかな…まぁ、いいや

行ってくるわ』

《気をつけるのよー》

[あとでなー]

『おう』


【夕方…】


❴洋ちゃん!おかえりなさーい!待ってたのよー❵

[おつかれーどーだった?本社 結局なんだったんだ??]

『……』

[北村?]

《どうかしたの?》

『なぁ…俺…』

[おい、どーした?]

❴洋ちゃん…?❵

『一目惚れした…』

[なに!?そんな可愛い子が本社にいたのか!?]

《ねぇ、どんな子?》

❴洋ちゃんが…めずらしいわねぇ!❵

『さっき、本社の前で道聞かれてさ…今度うちの就職試験受けるんだって 

あ、そうだ 俺も面接官として出ろって言われたんだよ』

《18か22…ずいぶん下ね…18だったらあなた…》

『おい…変な目で見ないでくれ…』

❴…なんて子?会えるかしらね?❵

『や、名前は知らない 聞けなかったしな』

❴ふふ おもしろくなってきたわねぇ♪❵

[ほんとだなー受かるといいなーその子]

《楽しみにしてるわ》

『おもしろがってんなーお前ら』

[そりゃそうだろ!こんな楽しいことねーもん!]

《ほんとね!》

❴結果が楽しみねぇ♪❵

『お前らー!』


筆記の結果が良くないと面接に上がれないからな…


また会えるかな…


頑張ってくれよ…



Notre histoire.Episode 0に続く物語



タイトル〘Chers amis…〙

訳:親愛なる友人たち    

        

         Notre histoire.同期4人組編 Fin..


こちらの記事はnote様で同一名義にて投稿しております。

再編集して投稿しております。

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