↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

85/124

会敵①

「魔光花(まこうか)の発光を確認! アースさん、何者かが近付いて来ます!」

「魔光花のこの光量……魔王軍と見て間違いなさそうだ。」


 アースは見張り番と共に街の中心に急遽建造した物見櫓で待機していた。

 その理由は、あらかじめ街の周囲に魔光花という、周囲の魔力に反応して発光する花弁を持つ植物の反応を見て、魔王軍の襲来に素早く対応するためである。

 魔光花が発する光の強さは魔力濃度に比例するので、その輝きから、アースは魔王軍が来たのだと判断する。


「しかし部隊全員が真っ直ぐ突っ込んで来るとは……フレアルドらしいな」


 念のため街の外周全てに魔光花を植えていたのだが、反応があったのは一ヶ所のみ。

 そのことから敵は分散せずに、一つにまとまって進軍していることが推測できる。

 もちろん、後詰めの部隊がいる可能性もあるが、フレアルドの性格上それはないだろうとアースは予想していた。

 とりあえずここまでは想定どおりに事が運んでいるので、アースはほっと胸を撫で下ろす。


「よし、後は手筈どおりに頼む。俺には役目があるからな、先に向かっているぞ」

「はい。お気を付けて!」


 アースは櫓を飛び降り、まずはレオナルドの元へと向かう。

 途中でレオナルドと合流し、まずは魔王軍と話し合うことを試みるつもりだった。

 もし話し合いで解決できるのならば、それに越したことはない。

 半ば無駄であるとは感じてはいたものの、相手の目的がはっきりとはしていない以上、万が一の可能性に賭けたのだ。


「レオナルド、魔王軍が来た。すぐに向かおう」

「うむ、心得た」


 アースはレオナルドと合流し、共に魔王軍の元へと走る。

 しばらくすると、魔光花を意に介した様子もないフレアルドらの姿を確認できた。

 木陰に身を隠しながら、アースとレオナルドは視線を交わし、お互い言葉を発することなく静かに頷く。


「待たれよ!」


 レオナルドが魔王軍部隊の正面、その進路を妨げるように立ち塞がる。


「あァ……? なんだァ、テメェは」

「我輩はこの先にあるリーフェルニア領の領主、レオナルド・リーフェルニアである! そなたらは魔王軍の者かと見受けるが、この先は我が治める領地である! 一体何用か!?」

「あァ……ここの領主か、よく俺様に気が付いたなァ? 確かに用事はあるが、そこにお前の意志は関係ねェし、誰かに許可を取るつもりもねェよ」


 レオナルドの頬を汗が伝う。

 アースからフレアルドの事を話には聞いていたが、改めて対峙すると、その圧倒的な威圧感に膝が震えそうになる。

 しかし、それを懸命に押し殺し、レオナルドは毅然とした態度を貫く。


「そうもいかん。我輩の領地は軍隊を持たない。魔王国と帝国との協定により軍事施設以外への攻撃は禁じられているはずだ! そもそも、我々は貴殿らと争う意志はない! 客人としてなら歓迎するが、そうでないならお引き取り願おう!」

「ハァ?」


 レオナルドの言葉に、フレアルド以外の部隊員に動揺が走る。

 それもそうだ、目の前の男は人間族でありながら、魔族である自分達を客人としてならば歓迎すると言ったのだ。

 命惜しさの発言とも捉えられるかもしれないが、それでも動揺を与えるのには十分であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。