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幸せになるために私ができること  作者: gacchi(がっち)


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24.側妃候補を集める

公表された側妃候補の条件は貴族たちにとっても衝撃的だったらしく、

すぐに条件について問い合わせが殺到していた。


それはそうだ。あの条件では側妃候補が不利すぎる。

レオンが本気で側妃を娶るつもりがないとわかっただろう。


いくら問い合わせをしたところで条件が変わるわけでもないのに、

レオンに会って話をしようとする者も多かった。


執務室に呼ばれた私はレオンとお兄様と今後について話をしていた。


「問い合わせの件数が多すぎる。いちいち答えるの面倒なんだ。

 側妃候補を希望する家を集めて、説明会でもするか?」


「側妃候補をあつめてお茶会をしてほしいという要望があっただろう。

 それでいいんじゃないのか?」


レオンとお兄様の会話を聞いて、また私がお茶会を主催すればいいのかと思う。

大変ではあるけれど、お母様の協力も得られるし無理ではない。


「私が側妃候補を集めてお茶会を開けばいいのね?」


「……いや、主催は俺でやる」


「どうして?レオンは忙しいでしょう?」


「リアーヌの時は側妃を娶る予定だった。

 だから、リアーヌと敵対しない者を選ぶつもりだったから主催させたんだ。

 だけど、今回は側妃を娶る予定はない。恨みがルシールに行くのは困る」


「……そういう」


「そうだな、ルシールが主催してしまえば、

 今回も正妃であるルシールが側妃を決めるのだと、

 誤解する者が出てくるだろう。レオンの言うとおりだ」


お兄様にも言われ、その通りだと反省する。

先回りして余計なことを考えていたようだ。


「とはいえ、お茶会を開いたことはない。

 手伝ってもらうことになるだろう。頼めるか?」


「ええ、大丈夫よ」


こうしてレオンが主催で側妃候補とその家族を呼んだお茶会が開かれることになった。

お茶会への出席を希望したのは十一の貴族家だった。


「多いな。もっと減るかと思ったんだがな」


「様子見で来る家もあるんだろう」


名簿を見せてもらったら、やはりモーリア侯爵家のマノン様がいた。


「マノン様は側妃になりたいでしょうね」


「リアーヌの代わりにと言っていたが、自分が選ばれたいだけだろう。

 マノン嬢が来るのは予想していたが、問題はデュクロ公爵家だな」


「デュクロ公爵家の令嬢……この国の中で一番身分が高い令嬢よね。

 本当に側妃を娶るのなら、この令嬢が選ばれるでしょうね」


「ただ、付き添いで名前があるのはマリアンヌ夫人だ」


「それってペルラン侯爵家の……」


「義妹に付き添ってくるそうだ」


マリアンヌはルシールの異母姉になる。

リアーヌの時も敵対関係にあったため、ほとんど会話したことはない。


マリアンヌは側妃になることを希望していたけれど、

デュクロ公爵家の次期当主に嫁いだ。


もうレオンの側妃になることはできないけれど、

すんなりとあきらめたとは思えない。


「招待状には俺の婚約者であるルシールが出席することと、

 正妃になるルシールへの無礼は許さないと警告文を載せている。

 さすがに初対面で突っかかってくることはないと思うが、何かあればすぐに退場させる」


「ありがとう。もし何かあれば容赦なく退席させて、

 側妃候補から外せばいいと思うの」


むしろこちら側はそれを望んで側妃候補を受け入れようとしているのだし。


「他にも気になる出席者がいるな。

 ゴーシュ、お前の家から出席すると連絡が来ているぞ」


「え?……ああ、ルリアナですか。

 おそらく父上と母上はルリアナがどうしようもないので、

 後宮に何年か置いておいてほしいのでしょう」


「止めなくていいのか?」


側近のゴーシュの妹の名があるらしい。

側妃候補の扱いが良くないことを知っているのにと思えば、

妹さんは素行が悪くて困っているようだ。


「もう学園を卒業したのに嫁ぎ先がないんです。

 でも、そろそろどうにかしないと、弟の結婚に差支えが出ます。

 ルリアナがいない間に弟の結婚をどうにかしようとしているんだと」


「そういうことなら止めないでおこう」


「助かります」


思わぬ後宮の使い方があることに驚いてしまったけれど、

もしかしたら他にもそういう令嬢がいるかもしれない。


「これは素行不良の令嬢が来たとしても、

 こちらに被害が出ないようにしたほうがよさそうだな」


レオンの言葉に私とお兄様が深くうなずく。

もう一度側妃候補の条件や後宮について話し合うことになった。



そうして迎えた側妃候補のお茶会の日。

あいにくの雨模様で中庭ではなく、茶話室に席を用意させた。


下位貴族の者が早いうちから到着していた。

そろそろ高位貴族の者も到着する時間になる。


「ルシール、準備はできているか?」


「ええ、どうかしら?」


レオンから贈られたドレスを見せようと、くるりと回転する。


「すごく良く似合っている。

 これでもかと俺の色を入れたドレスだ。あいつらに見せつけてやろう」


青色のドレスには銀糸で刺繍が入っている。

銀色の髪で青い目のレオンそのもののドレス。

その上、国花に指定されているハマナスの刺繍を入れられるのは王族だけ。


これはもう国王の婚約者として王族に準ずる立場であると示している。


出席者がそろったのか、ラルフが呼びに来る。


「全員が席に着きました」


「よし、行こうか。ルシール」


「ええ」


これが婚約者としての初公務にもなる。

ゆっくりと息を吐いて、レオンの手をとった。




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