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Trial of Ghost  作者: くれは*
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5/9

写真

「じゃあ、次に行こうか。と言っても、もう僕は何もしないけどね」


えっ、と思った。僕一人では、この謎は解明出来ないことに焦りを感じた。


「まあ、そうせっぱ詰まった顔しないでよ。何もヒントが無いとは言っていないだろう? 助言はするが、行動には移さないだけさ」


彼の言葉に安心している自分がいる。未だに彼を信用しきっていないというのに。

彼は再び窓に寄りかかると、此方に切れ上がった目を向けた。


「君は過去の記憶が全くない。だが、思い出して貰わないと、この先話が進まない。君の周りを見てみるといい。何か過去に関する手掛かりがあるはずだ」


彼は、僕を指さし、そう言った。

僕の周り……それは、部屋を指しているのではないのだろう。となると、僕の身につけているもの……リュックサックのことか?

僕は、背中を反らしてリュックサックを床に下ろした。そこまで重くなかったから、中にそんな大したものは入っていないはずだ。

チャックの音が、部屋全体に響き渡る。中を見て最初に目に飛び込んできたのは、よく先生が大事な書類を入れるのに使う茶封筒だった。

それを手に取ってみる。少し開けるか躊躇したが、青年が目で促すので封を開いた。

そこには、一枚の写真が入っていた。これは……。


「学校の……屋上?」

「そう。君が通っていた高校の屋上だ」


そういえば、と思った。何処か懐かしい気がする。

その時、急に思い出した。それと同時に、この写真に疑問を持つ。

僕の学校の屋上は、生徒の立ち入りを禁止している。こんなところの写真なんて、撮れるはずがない。校則違反になってしまう。大体、こんなところの写真を撮って、なんの意味があるのだろう?

……いや、そもそも僕は、何故屋上の写真を見て、これが僕の学校の写真だと気付いたのだろう?行ったこともない筈なのに、何故か自信を持って答えることが出来る。一体、何故……?


「何か思い出したかい?」


余程僕は考え込んでいたのだろうか?気が付くと、青年が上体を屈ませて首だけを上げて、此方を見ていた。

しかし、僕はその問いに答えることが出来なかった。もやもやしたものが、頭に残る程度だからだ。


「まだ駄目かい?結構この写真、重要なんだけどなぁ」

「そう……なの?」

「うん。なんてったって、君が……あ、いけない」


彼は、はっとして口をつぐんだ。君が……に続く言葉は聞けなかったが、今ので僕が屋上で何かをしたのは明白だった。

写真だけでは無理があるのか……。僕は諦めて、次の証拠を探すべくリュックの中を漁った。

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