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29.抗い得る者

早起きがつらくて……予定時刻過ぎました。

面目ない!


今更に掲載の予約が出来る事を知りました……(;´д`)

純粋な熱エネルギーの塊は、まるでそよ風の如く、英雄と少年の着地地点となったハズの建物の石組みに染み入り、爆発を起こすことなく、コンマ数秒で石組みの全てを溶融させ、梁を灰として、崩壊させた。


余り膨大な熱量によって何一つ固体は残らない。土煙も爆発も伴わない静かで、この上無く強力無比な暴威。

そこから逃れ得る者はいない。


その筈だった。


『……。』


竜は訝しげにその目を細めた。

自らの炎の威力は知っている。今しがた吐いたブレスならば家と呼ばれる人間達の巨大な巣を根こそぎ消し去るはずだった。

確かにあの人間達が着地した建物は消滅している。だが、その後ろの建物は屋根しか破壊できていない。


まるで……何者かが熱の拡散経路をずらしたかのような……。


精霊と呼ばれる竜は尚も目を凝らした。

破壊の跡に隠れるように地下に続く穴が見える。

我を起こしたあの魔法使いは言っていたな……我に刃を向け得る強き者が人間にもいる……と


『あぁ……苛立たしい……我の平穏を邪魔せし輩どもめ……』


サラマンダーはその巨体を苛立たしげに震わせた。冷え固まり始めていた溶岩がヒビ割れ、所々から灼熱の蒸気が噴出する。

城と見紛みまがうその巨体も熱を、光を増し始めた。下がりつつあった、周囲の気温が急上昇する。


地下に潜ったのなら都合がいい。熱を地下へ放出するだけで済む。

地上でちょこまかと跳ばれるのは面倒である。

彼女はそう考えた。


竜は再び身震いをした。今度は苛立たしさからではない。

戦いの幕引きの為、膨大な熱量を地上、そして地中に放つためだ。


熱は心臓であるエリクシルから生じ、全身から集められた熱の流れと合流し、炎となって圧縮され、最後に竜の喉を駆け上のぼる。


『さぁ、消し飛べ……。』


開かれた竜の顎あぎとから迸り出た青白い熱線は直線の軌跡を残して地中に潜ってゆく。そして、まるで水中で大きな泡が上って来るかのように、地表が弾け、マグマの雨が周囲に降り注いだ。

眷族であるブレイズドラゴンの瘴炎ブレスの6倍以上の熱量を誇り、その威力は小さな湖を瞬時に干上がらせるのに十分すぎる程に莫大である。

人間ねずみ二匹を消し飛ばすのにはあまりにもな威力だ、とサラマンダーでさえも後悔した程だった。


しかし、それは杞憂である。


英雄のタイミングを見計らった一撃が魔獣の長い尻尾を斬り飛ばすのは同時だったのだから。

サラマンダーの側面、マグマの海を越えた建物の上に二人の……一人は気を失っている……人間が着地する。

そう、王国最強は狙いすました攻撃以外で倒れない。


竜は初めて痛みを感じる怒りと、最大の一撃を防がれた屈辱に吠えた。全身が白く眩く輝き、熱波が街を席巻する。


「さぁて……これから、どう攻めたものか……」


怒り猛り、最大限にこちらを警戒する巨竜を前に、ガドルは額の汗を拭った。


*****


明日の11時に投稿します。

ブクマ登録、感想、コメントいつでも募集しています!

よろしければ、ぜひ。

m(_ _)m

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