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異政界転生  作者: はくさん
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幼き日の計算と計画

いつもありがとうございます!


皇帝暦1892年4月21日。

ああ、素晴らしい。なんと素晴らしいのだ。

領地内から叡智を結集させたような家庭教師たちが、私のために集められた。歴史、言語、経済……まさに英才教育の賜物である。

私は父の部屋の扉を叩いた。

「父上」

「どうした、アクルよ。家庭教師に不満でもあるのか?」

「いいえ。父上に感謝を述べに来たのです」

「ほう?」

「素晴らしい教育者たちを集めてくださりありがとうございます。私は心底満足しております。このまま勉学に励み、父上の跡を継ぐ立派な侯爵になります!」

「なんと……こんなにも嬉しいことがあるものか! まだ齢2の息子が、こうもしっかりとした考えを持っているとは!」

「あなた、入るわよ」

「ああ、ワット! 素晴らしいよ! 我が息子は立派に育っているようだ!」

ああ、なんと単純な親なのだろう。こんな調子でこの巨大な領土を治めているのだから、国全体の行く末には少し不安を覚える。だが、この扱いやすさは私にとって好都合だ。

「では、父上、母上。失礼いたします」

退出する私には、二人が歓喜に涙する声が聞こえていた。

私が本心を告げたところで、この世界の大人たちには届かない。それならば、彼らが聞きたい言葉を与え、信頼を勝ち取る方が早い。

さあ、ここからが本番だ。

歴史と経済を学び、前世の知識と掛け合わせることで、まずはこのセイラント領から私の改革を起こす。

さて、家庭教師たちから得た初期知識を頭の中で整理しておこう。

このワイント帝国は、多くの諸侯がまとまり、国王の元に連なる連合王国のような形態をとっている。実質的には中央集権というより、地方分権の塊だ。

そして、帝国に君臨する三大諸侯は以下の通り。

セイラント地方 我が父が治める、権力と伝統を持つ地。

ワットラン地方 稀代の天才と呼ばれ、屈指の軍事力を持つ諸侯。

カントランド地方 肥沃な土地に恵まれ、国内屈指の穀物生産量を誇る地。

私はすでに、この巨大な権力機構の最上位に立つ資格を得ている。

(この国の構造は……どうやら中世の神聖ローマ帝国に酷似しているな)

私は周囲に聞こえないよう、小さく呟いた。

皇帝という権威はあっても諸侯の独立性が高く、複雑な利害関係が絡み合っている。言葉や交渉、法的な根拠がなければ、下手に武力を振るえばすぐに国全体が崩壊しかねない。

「いいだろう。この混沌とした世界を、私の『言葉』で統べてみせるさ」

家庭教師たちがいる書斎へと戻る足取りに、私は自然と力を込めた。

この国を支配するために、まだ学ぶべきことは多い。

ぜひ次回をお楽しみに!

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