騎士団の団長
俺たちは騎士団の城へ向かう途中、木の近くに変な生き物を見つけた。
それは俺が元住んでいた世界の豚と犬を混ぜたような生き物だった。鼻は豚だが口は犬だった。
「なんだよこいつ。」
俺がその変な生き物に手で触れようとすると、
「そいつに触っちゃダメ!!」
急にコリンにそういわれて俺は手をひっこめた、隣にあった木がきれいに切られていた。
「お、おい、なんだよこれ!?」
「自分から危害を与えなければいいけど今触ろうとしたから怒っちゃったんだね。」
キャロが冷静に説明してくれた。
俺は最初の世界に言われたことを思い出した。
『この世界には危険なやつは一匹もいないよ』
まさかこれはウソなのか・・・?
「この世界には危険な生物は一匹もいないんだよな?」
キャロに聞くと、
「そんなはずがないじゃない。この世界には危険な生き物なんていっぱいいるわよ。あの村だけはそういわれてるだけなの。」
「え?あの村だけ?」
俺が聞くと、コリンが答えてくれた。
「あの村は昔、不吉な花が咲いてなくなったらしいです。その村の後継者の人があんなことが起きないように危険な生物はもういないということにしたらしいです。そのほかにも理由がありそうですが。私はこのぐらいしか知りません。キャロさんはこの話以外に知っていることはありますか?」
コリンがキャロに聞くとキャロは首を横に振った。
それよりも俺が気になったのは『不吉な花』についてだ。
「不吉な花の名前って知ってたりしないのか?」
「名前は『ブラックローズ』って名前らしいですよ。まぁ信じない方がいいかもですがね」
『ブラックローズ』、それはあの日地面を覆って咲いていた花の名前だ。もうここでこの名前が出てくるなんて・・・今回もまたあの日が来るのだろうか・・・
「へへ・・・」
俺はつい声を漏らしてしまった。
二人は心配そうに俺を見ていた。
「どうしました?大丈夫ですか?顔色悪いですよ?休みますか?」
俺は今震えている。全身の自由がうまく効かない。恐怖でぶっ倒れてしまいそうだった。
キャロは俺の背中を思いっきり叩いてきて、
「早くいくわよ!!夜になるとここらへんには魔獣がでるんだから!!」
そうだ、俺は騎士団の城へ向かっているんだった。大丈夫まだあの日までは時間がある。俺はそう自分に言い聞かせて、
「大丈夫だよコリン、よ~し!騎士団の城へ向かうぞ!!」
俺がそういうとコリンも、
「それが雅也様です!行きましょ!!」
俺には頼もしい仲間がいる。こいつらを絶対にあの日から守ってやる。俺は決断した。
俺たちは騎士団の城についた。
「で、でかすぎるだろ。これ」
城がでかすぎるあまり俺たちは呆然としたまま門の前で突っ立っていた。
そこへ門番らしき人物が近づいてきた。
「君たち、そこで何やっている。関係者以外立ち入り禁止だぞ。」
それが俺達関係者なんですよね。
「マリエ団長さんに手紙でこんなものをよこされて来たものですが。」
「「雅也さん敬語下手すぎ」」
コリンとキャロに言われたが俺は無視し、
門番の顔色が急に変化し、
「ははっ!失礼しました!では団長のところへご案内いたしますので、ついてきてください。」
俺たちは門番についていった。
中はとてもきれいだ。内装は・・・ないそうです。
「ぷっ」
俺はまた声に出してしまった。
「「なにこの人、怖い」」
コリンとキャロから冷たい視線が、なぜかわからんが門番からも冷たい視線を感じるような・・・気のせいだよな。うん。
目の前に大きな門が、その門が開き始めた。誰がどうやって開けているのか気になったが。その疑問もすべて吹き飛んだ。奥の方に座っている少女がいた。遠くからでもわかる美少女だ。
「あ・・・あぁ・・・」
俺はつい声を漏らしてしまった。あの子が、いやあの美少女が団長なわけがない。
その美少女は口を開いた。
「よくぞきました。雅也さん、私はここであなたを待っていました。」
俺は胸をドキドキさせていた。そう、これは初恋だ。見た目だけでわかる。この美少女は神だと。
門番に、「団長に危害を加えないように、ちゃんと見張りもいますからね。」
俺は門番にそういわれてやっと我に返った。
門がバタンと閉まり、四人だけの部屋になっていた。
コリンとキャロはまだ呆然としている。
団長が俺に近づいてきた。と思ったら抱き着いてきた・・・
「ふぐ!?」
俺は驚きのあまりふぐと叫んでしまった。
団長が俺の方を見て、
「待ってました!待ってましたよ雅也さん!あなたは私のもの!あなたは私のもの!あぁ・・・」
「あ、あのぉマリエ団長さんでしたっけ?離れていただきませんかね?」
俺はマリエ団長について一つ分かった気がする。ヤンデレというやつだ。
コリンとキャロも我に返ったようで、
「ちょっ、ちょっと団長さん!?な、なにやってんのよ!」
「団長さん!離れてください!雅也様が死にそうです!!」
団長さんの抱きしめる力が強すぎるため、俺はうまく息ができない。ちょっとだけ花畑が見える。
団長さんもやっと我に返ったようで、
「は!も、申し訳ございませんでした!申し遅れました!わたくしの名前は知っている通り。マリエといいます。好きな人は・・・雅也さんです♡」
なんか嫌な予感がしてきた。
「で、その両隣にいる虫けらどもは仲間ですよね?」
マリエさん僕以外には口悪いのかな。
「まぁ、はいそうですね。一緒に暮らしてます。」
俺は言ってはいけない言葉を言ってしまったらしい。
「え?今なんておっしゃいましたか?」
俺は知らんぷりした。
目の前に謎の光が走ってきた。
「あ、危ない!」
俺はまたコリンに助けられた。たぶんあの光に当たっていたら死んでいただろう。床が真っ二つに割れていた。
マリエさんは怒っているようです。
「許さない許さない許さない!殺してやる殺してやる殺してやる!!」
まずいことになってしまった。
「雅也!なんとかして!マリエさんをなんとかして!」
そうだ、これは俺にしかできないことだ、と思う。
しょうがない、これはいいたくなかったんだが、
「マ、マリエさん!僕と一緒に暮らしましょう!!」
あぁ、言ってしまった。
マリエさんは攻撃を止めてうれしそうな顔で、
「い、いいですよ!あぁ、雅也様と毎日あんなことやこんなことを・・・ぐへへ」
おーい、マリエさーん、よだれ垂れてますよ~!
マリエさんは急に真剣な顏になり、
「では本題に入るとしましょう。」
コリンとキャロにはいったん外に出てもらうことにした。
「雅也さん、あなたはなぜここに呼ばれたのか分かりますか?」
俺は首を傾げて、
「そんなの、わかるはずないじゃないですか。」
キャロには世界にとって大事といわれたが、まさかな・・・
「あなたは、この世界のカギともいえる人物なのです。」
キャロの言う通りだった。
「で、なんで俺がこの世界のカギなんですか?」
聞いてみると、
「驚くかと思っていましたが、驚かないのですね。だったら話が早い、あなたはとても強い力を持っています。これを見てください。」
俺に水晶を見せてきた。これで何がわかるのだろう。
「この水晶を軽く手に持ってください。」
俺が水晶を手に持った瞬間、急に光り始めた。今度はマリエさんの攻撃ではない。
「な、なんですかこの光は!」
俺がそういうとマリエさんが、
「これがあなたの力です。この光はこの世界を救うものという意味を現しているのです。もしこれが黒色だったらこの世界を滅亡させるもの、という意味なのです。」
あまり意味わからん。
「で、俺はなんでカギなのかっていうことはわからないと。」
俺がそういうと、
「はい、それはわかりません。」
そこが一番気になるのに!俺はもう一つ気になることを聞いてみた。
「その黒色の人物はわからないのですか?」
「はい、それが、誰かにさえぎられてるらしく見れないんですよ。あともうちょいなんですけどね・・・」
てことはこの世界を滅亡させるやつがいる。そいつを倒せばいいという話なんだな。そんな簡単にうまくいくはずないだろうけどな。
マリエさんがまた俺に近づいてきた。
「雅也さん、あなたは魔法を使えるのですか?」
「使えませんよ。」
「そうですか・・・では私が教えますよ!」
魔法か・・・覚えても覚えなくても損はないし、まぁいいか。
「はい、お願いします。」
まずは基本から教えてもらうことになった。
魔法の基本、それは意外に簡単なものだった。
「あなたは魔法を使う素質がありますから、まずは回復魔法、ヒールから覚えましょう。」
ヒール、ゲームの中でも大事な魔法である。まさか現実でヒールを使えるようになるとはな・・・
「息を吸い込んでください。そして吐く瞬間に腕を前に出し、一瞬でいいんで腕に力を込めてください。これでもうできたと思います。」
「お、おお・・・すげぇ・・・」
手から変なもやもやが出てきた。これがたぶんヒールなのだろう。
「あ、そういえば、マナというものもあるので気を付けてください。もしマナが無くなったら死んじゃうかもしれませんから。」
「言うの遅いですよ!マリエさん!」
「うふふ、冗談ですよ。ただ気絶するだけですから。死にはしないので安心してください。」
普通に美少女なのに、もったいない・・・
「さあ、次は自分の体と相手の体を交換できる魔法を覚えましょう!まずは私がお手本をお見せします!」
そういうと、俺の方向に掌を向けてきた、目の前が急にぴかっと光った。
俺は何が起きたのか周りを見渡すと、そこには俺の体があった、
「あ、あれ!?なんで俺の体がそこにあるんだよ!?」
自分をよくよく見てみると・・・
「俺の体、マリエさんになってるし!」
本当に体が入れ替わる魔法だった。
「どうですかこの魔法、最高ですよね!いつでも雅也様の体を弄べますからね・・・」
ま、まずい、俺の体のあんなところをみられてしまう!
俺の体のマリエさんが近づいてきた。
「な、なんでしょむぎゅっ!!!?」
俺は悲鳴を上げた。
「や、やめてくだしゃいぃ、む、胸をも、もみゃないでんひゃ!!?」
本当にまずいことになってきた。ま、まさかこんなことになるなんて・・・
「も、もどしてぇえ・・・」
「しょうがないですねぇ、もうちょっと眺めていたかったのですが雅也様と私が秘密の関係になってしまうのもあれなのでやめておきます。」
マリエさんの体の俺に掌を向けてきた、また目の前が急にぴかっと光、自分の体に戻っていた。
「よ、よかった、やっと戻った!」
マリエさんは残念そうな顔をして、
「はぁ、もうちょっと遊びたかったんですけどね・・・いやぁ、あの雅也さんの顔、最高でした!」
おーい、マリエさーん、またよだれ垂れてますよ~!
「ではさっきの魔法を教えちゃいます!」
どこに役に立つのだろうか。
「まずは息を吸ってください。ここでお腹に力を入れて、思いっきり手に息を吹きかけてください。そうすると・・・」
俺の目の前がぴかっと光った。またこれか・・・
自分の体を見てみると、俺はコリンになっていた。
「なんでコリンになってんだよ俺!?」
門の外にいたはずのコリンがなぜか門の内側にいる、ついでにキャロも、
「あっちゃ~、ばれちゃったか~。」
俺はコリンの姿でうずくまった。
「も、もしかして、さっきの見た・・・?」
キャロは素直に答えてくれた。
「見たよ。あれは本当にやばかったわね。」
俺は涙が出そうだった。すると俺の目の前には俺の姿をしているコリンがいた。
「は、はやく戻してください!!」
俺の姿をしたコリンが涙目で言ってきた。
「う、うん・・・ってあれ?魔法が解けないぞ?どういうことだ?」
なぜか魔法が解けない。
俺はマリエさんに聞いてみた。
「おーい!マリエさーん!なんか魔法解けないんですけどぅあ!?」
コリンの姿をした俺の太ももを誰かが触ってきた。
「ひゃ、ひゃぁ!?みゃ、みゃたマリエしゃんですねぇ!!?」
後ろにはマリエさんがいた。コリンの姿をした俺の太ももをスリスリしながら、
「あら~?どうしたんですか雅也さ~ん、もっといい声を上げてくださいよ~?」
俺の姿をしたコリンが怒ってるようでマリエさんを殴りにかかった。それが見事に直撃。
「いったた・・・わかりましたよ。戻し方を教えてあげましょう!では雅也さん、心の中で戻れと強く思ってください。」
戻れ戻れ戻れ戻れ戻れ!!いつもの光景といつもの体、
「ふ、ふぅ、やっと自分の体に戻ってこれた。」
コリンはうずくまり、
「もうお嫁にいけない」と泣いていた。
俺は、
「やりすぎですよマリエさん。」
といった。
マリエさんは、
「ごめんなさいね。ついついいじめたくなっちゃって・・・」
やっぱりこの人怖い。
キャロはコリンを「大丈夫だよ~」といいながら慰めていた。
マリエさんが急にぱちんと手をたたいて、
「はい!今日のマリエ魔法講座はおしまい!」
ん?ちょっと待てよ?
「今日のってことはこれから毎日続けるんですか?」
「だってこれから一緒に暮らすんですもの!あなたを一流の魔法使いにしてあげます!そしてそこの二人もね。」
これから俺たちの異世界生活はどうなっていくんだ・・・
人間の美少女が仲間になった!
ぬぼ~ん_(:3」∠)_




