表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した高校生の異世界開拓記  作者: 甘党丸
異世界集落の独立
PR
7/8

7話:魔法の扱い方(2)

スゥーーーーー。ハァーーーーー。スゥーーーーー。ハァーーーーー。

引き続き、深呼吸を行っている。

あの後も、何度かは魔力を探知できた。

だけど、毎回喉くらいまで来たらなくなってしまう。

というか、感じられなくなってしまう。

呼吸をするくらいじゃあ、ぜんぜん魔力の軌道っていうのが掴めないなぁ。

もっと魔力を効率的に体内にぶち込んで、強制的に気づかせるくらいのことはできないのか…?

さっきの説明文(前話:魔力の扱い方参照)では呼吸の他にポーションでも魔力を取り入れられると書かれていたはず。

でもポーションを手に入れる手段なんて、こんな山奥にあるわけがないし…。

…いや、あるぞ。

あそこに行けば、ポーションなんてゲットし放題だ。

そう考えて、俺はある場所へ向かった。


よし、到着した。

チャル川だ。

チャル川の水は魔金鉱の成分が流れ出していて回復効果が付与されていたはずだ(2話:スキル『実績解除』参照)。

なら、この水は実質ポーションみたいなものなんじゃないだろうか。

川の周りに野生動物がいないことを確認して、川に寄っていく。

よしよし、何もいないな〜。

水際にしゃがんで、川の水をすくう。

よし、リラックスして〜、水を飲む。

すると、まず喉のあたりにこれまでとは段違いの密度の魔力が感じられた。

その感覚は喉で途切れずさらに体の奥深くにまで入ってくる。

そして、体のあちこちに分散していったそれらの魔力はだんだんと体の中を循環するように動き始めて…。

感覚が消える直前、体内を巡る大量の魔力を感じた。

渦のように体を巡る大量の魔力。

何…だ、これは…。

ポーションを飲むというアイデアは成功に導いてくれた。

魔力の流れも完璧に感じた。

だけど、見てはいけないものを見た気がした。

すると、


魔力を感知したため、ステータスの能力のうち魔力が解禁されました。

魔力D+αです。


とアナウンスされた。

俺の魔力はD+…!

S〜Gで表されるこの世界の能力値で言えば、これはかなり高いと思う。

実際、俺の他の能力はGとかFがほとんどだから、D+が出たことにはとても驚いた。(1話:異世界生活開始!参照)

初めからD+はかなり高いんじゃないのか?

いつかきっと、この魔力をうまく扱えるようになって、魔獣に怯えずに暮らせるようになってみせる!


テンションが上がった俺は、そう決意するのだった。

そして、このときの俺は気づいていなかった、能力値がD+ではなくD+aだということに。


じゃあ次は、魔力の流れを意識して、手から放出してみよう。

もう一度、川の水をすくって、喉に流す。

また魔力が喉から体のあちこちに分散していく。

そして、体の中にある渦の中に加わっていく。

集中…!

さっきはここで追いつけなくなった。

渦全体ではなく、特定の魔力を追うんだ。

…よしッ!たった一つだけだけど、魔力の粒子を追い続けられてる。

これを、右手の方に…。

あっ、まずい!

魔力を制御しきれてない。渦の勢いでか、手から魔力が出る!?


ドカーン


俺の手から勢いよく出た魔力の塊が目の前の岩にぶつかって、岩が大きく凹んだ。

手から出た魔力の塊…これが魔法か。

ただ手から少し出したつもりだったんだが、これが能力D+の実力ってことなのかな。

たぶん、コレをうまく抑えられるようになったら、あの教科書に書いてあった調整ができるくらいに使いこなせるんだろう。

まぁ、調整できていないと言っても、ついに俺は魔力を使えるようになったんだ。

達成感を感じながら、息をついていると、遠くの山の方になにか黒い影が見えた。

今のは?

じっと目を凝らしてみる。

あれは、動物…?

その何かは上を向き、大きく吠えた。


ワオーン


っ、まさか狼!?

さっきの爆発音で気づかれちゃったかな!?

狼は頭を下ろして、頭の向きを変えて…俺の方を見ていた。

あれはーー、気づかれてそうやな。

その直後、頭に言葉が流れ込んでくる。

「ここは人間のいても良い場所ではない。今すぐ去れ、人間よ。」

は?狼が喋った…?

いや、相当小さなサイズにしか見えない距離だ。まず今みたいに声が届くはずがない。

聞き間違え…だと思いたいけど、さっきの狼は明らかにこっちを見てるっぽいし、あいつがなにかしたのか。

…狼に生活しているところを盗み見されるのは、僕の生活を把握されて襲われる原因になるかもしれないし、とりあえず隠れよう。

木の陰に隠れる、というか森の中に隠れる。

そして少し経ってから狼の方を見ると、既にいなくなっていた。

さっきの立ち去れ狼は何だったんだ。

まぁ、なにか魔法を打ち込まれたわけではないし、何事もなくどっかいってくれたから、本当に良かった。

あっ、そういえば鑑定しとくんだった。

鑑定してたら、なにか分かってたかもしれないのに!

そんなふうに、反省もするのだった。


また川の端に戻って、引き続き魔力を調整しようとしてるんだけど、うまく魔力量を調節できないなぁ。

だけど、勝手に魔力が出ていってしまうということはなくなって、勢いのまま発動するか、勢いをなんとかして止めるかくらいには調節できるようになったかな。

もっと調節をうまくできるようになりたい。

でも、もう太陽はもうすぐで沈み始めている。

今日はここまでかな。

夢中で練習したからか、時間がすぎるのがとても早かった。

今朝漬けておいたどんぐりを食べて、今日は寝るかな。

漬けておいた場所は覚えていたので、すぐに見つけられた。


一日中浄化されたペースト状のどんぐり

すでに浄化済みで呪いの効果は消えている

回復効果が付与されており、これ全部で4時間くらい効果が持続する


今朝食べたものと同じように、浄化した後も漬けてあったから回復効果がついたみたいだ。

今回はすりつぶしておいたから、苦みも取れているはず。

どんぐりを一気に口に放り込んだら、苦みは全くなくなっていて、まぁ、昨日と同じように無味だった。

でも、食べたときに魔力を感じた。

今日結構練習したから、それで簡単に感じられるようになったのかな。

まぁ、まだ練習始めて1日目だ。

明日からも続けて、しっかりとものにしていきたい。

よし、じゃあ洞穴(すみか)に戻るか。

魔術がいちおう出せるようになった俺は、ゆうゆうと洞穴に帰っていくのだった。


洞穴に着いた。

入口には枝を刺し直してバリケードを復旧させられたけど、日没までもう少し時間がありそうだ。

どうせなら、川の水を飲まなくても魔力の軌道を感じられるようにやってみるか。

そして、深く息を吸うと、チャル川に行く前の自分とは段違いに空気から魔力を感じた。

そのあとも魔力を追い続けて、体の中の渦にまで到達する。

これを…手から出すイメージ。

今度はしっかり抑えて、抑えて。

テニスボールくらいで、上空に打つイメージ。

渦の勢いが手にかかる。

まずい、飛んでっちゃう…!

いや、抑えろー、抑えるんだ!!

渦の勢いを一箇所以外は抑えて、一箇所からだけ魔力を放つんだ。

そうイメージした。

すると、まるでそのイメージが魔力に共有されたように、うまく魔力が回りだした。

放ちたい部分の魔力は勢いのまま進み、それ以外の部分の魔力は渦に戻っていく。

これならいける!

抑えるのをやめて魔力を発射する。

すると、驚くほどイメージに近い形で魔力を発射できた。

魔力が…従ってくれた?

俺は、魔力の調整について〝何か〟が分かったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ