17話:鑑定スキル、進化!
『鑑定』をLv.3にすると、目の前に火の玉が浮かび上がってきた。
なんだ、これは?
ルウもなんだかわからないようで、二人でじっと観察していると…
「こんばんは、マスター!」
と、機械っぽい音声がどこからか聞こえた…。
「ルウ、今なんか言った?」
「言ってないけど…アサヒ兄ちゃんも何も言ってないんだよね…?」
「…今の声は何かな?」
すると、俺の言ったことに答えるように、再び先程の声が聞こえた。
「マスター、驚かせてしまい申し訳ありません。
私は、スキル『鑑定Lv.3』の分身体です。
マスターの前にいる火の玉が私です。」
「鑑定の分身…?」
「はい、今Lv.2からLv.3にレベルが上がったことによって追加されました。
このレベルアップによって、鑑定スキルの強化と貴方が疑問に思ったことに対して可能な限り答えられるアドバイザーの私の追加となりました。」
「可能な限り答える?じゃあ、試しに質問してみてもいい?」
「えぇ、どうぞ。」
「俺が質問してもいい?」
とルウがいった。
「いいよ。やってみて。」
「うん。ルウの家族のみんなは今、どこにいるの?無事なの?」
ほぉ、けっこう具体的な質問だな。
これが分かったら、かなりのことがわかると見ていいだろう。
すると、鑑定さん(仮)が話し始めた。
「ルウさんのお父さんは、奴隷のような環境で果樹園にて働かされています。
そして、お母さんとお姉さんはファル伯爵領でも開拓都市フレイの領主、ファズ市長の館にてメイドとして働かされています。
3人とも命に別状はないものの、自由が奪われている状態です。」
ほぅ、質問がかなり具体的であったけど、ここまで具体的に回答ができるのか。
「みんな捕まっちゃったんだ…。」
「でも、命に別状はないらしいし、生きているなら助けられるはずだ。
クリーリャロさんやミィさんのような魔獣たちも協力してくれることになったんだし、絶対に助けような。」
「うん。」
「時刻はすでに2時を回っています。
危険は私が察知しますので、明日からの生活のためにも寝ましょう。」
と鑑定さん(仮)が言う。
「そうか、もうそんな時間なのか。ところで、貴方の名前って?」
と俺が聞くと、
「私は名称を持ちません。マスターがお好きな名前を付けてください。」
と言われた。
「名前か〜。なら、アーティという名前にしよう。アーティ、これからよろしくな。」
「『アーティ』を名称として登録しました。マスター、素晴らしい名前をありがとうございます!
ところで、私の外見も変更可能ですが、変更しますか?」
「そうだな…。これに関しては任せてもいいか?」
「はい、大丈夫ですよ!マスターやルウさんが起きる頃には変更しておきます。
その後での変更も可能です。」
「ありがとう。」
「アーティさん、よろしくお願いします。」
「はい、ルウさん。こちらこそお願いします。
寝る前に実績解除の新しい目標を確認されますか?」
そういえばそれを確認したいんだったな。
「教えてくれるか?」
「はい、おまかせください。
新しい目標は、
①自分の家を建造する(E)
②畑を作る(F)
③魔物を10体討伐(D)
です。」
「なるほど、なるほど…。明日からは集落づくりを本格的に始めたら良さそうだな。」
「アサヒ兄ちゃん、がんばろうね。」
返事の代わりに笑顔を向けると、ルウは満足げに尻尾を振った。
「ではマスター、ルウさん、おやすみなさい。」
そして、俺とルウは眠りにつくのだった。
明るい日差しが目に届く…。
「マスター、おはようございます。」
「あぁ、おはよう。」
と返事をしてみたが、周囲に昨日の火の玉は見えなかった。
ルウはまだ寝ていた。
洞穴でも寝られたようで良かったな。
「そういえば見た目が変わってるんだったっけ?アーティ、今どこにいる?」
と尋ねると、
「洞穴を出てすぐのところにある岩の上に座っています。」
と返ってきた。
洞穴の外にある岩の上…ね。
洞穴から出ると、岩の上には20センチほどの、小さな光の精霊が座っていた。
人の少女の姿をしており、背中には透き通る羽が生えている。
「アーティ…なのか?」
そう尋ねると、その女の子が俺の目の前まで飛んできて、
「はいマスター。私がアーティです。新しい見た目はこちらでよろしいですか?」
「うん、可愛くていいと思うよ。きっとルウも気にいるだろうし。」
「気に入ってもらえたようで良かったです。」
そんなふうに俺とアーティで話していると、森の中からなにかの気配がした。
「…アーティ、森の中になにかいないか?何かがいるように感じるんだけど。」
すると、アーティが目を閉じた後、
「個体名ミィ率いるいくばくかのモモンガが、こちらに近づいています。」
と言った。
ミィさんがここに…?
そう思いながら、ミィさんたちが到着するのを待つのだった。




