43.【魚介パフェ】
翌朝、スズメがチュンチュン鳴いてる声で目が覚めた。
覚めねぇよ!
だいたい最上階でスズメなんかいねぇよ。
勝手にモノローグ入れるんじゃねぇ。
「えへ」
それでもビキニにバスタオル巻だけの半裸な義妹は俺の腕の中から出ようとしない。
「そろそろ朝メシにしないか?」
「イヤ、なんにもしてくれなかったんだから、せめてもう少しこうしてる!」
……はい。
ていうか、なんかしちゃまずいだろ!
そう叫びたいがガマンだ。
温かくて柔らかくて、どうにかなりそうだがガマンだ。
芽依は俺の腕の中を堪能してるし。
それでも我が家のお姫様はようやく満足したようでこの天国から抜け出せた。
◇
朝メシはフットマンが持ってくるので、芽依も外出用の服に着替えた。
メシは洋風モーニング。トーストにスクランブルエッグ、ベーコン、それとコーヒー。
「お義兄ちゃん、全然足りない」
この前も、ジャンボパフェ三つをペロっと平らげたもんな。
巨大化して重労働すると激しくエネルギーを消費するんだろう。
じゃあ、町に出てみるか?
高橋先生が残していったプロジェクト名義クレカの、俺名義の追加カードが手元にある。
作ってあることは前から聞いていたが、コレ使うと金銭感覚が狂いそうなんで今までは受け取ってなかったものだ。
さすがに今回はナニが起こるか分からないから、と昨日渡されてた。
季節外れの海水浴場をブラブラ散歩してると『魚介パフェ』なる看板が目に入った。
芽依を見ると食べてみたそうだ。
まあ、折角の旅行だ。
美味くても不味くても、土産話になるだろう。
サイズはスモールとレギュラー。味が分からないからスモールで、と思ったら芽依が大きいほうを所望だ。
レギュラーサイズを二つ頼む。
ひとりひとつ配膳されるが食べるのは二つとも芽依だ。
俺も一口だけ味見させてもらう。
甘ったるいけど、魚が朝獲の新鮮な地魚だから臭みは全然ない。
甘党なら、この味はアリだろう。
そんなことを考えてる間に芽依は完食さていた。
「お義兄ちゃん、おかわり欲しい」
はいはい。そうくると思った。
追加オーダーが配膳されると芽依は、『あーん』をご所望らしい。
「まるで恋人同士だな」
「アタシはそのつもりなんだけど。誰かさんがヘタレでねえー」
ぐぅ。
なんか今まで以上にアプローチが積極的になってるな。
これもステージ3のせいなんだろうか?
その日の夜は疲れが出たんだろうか無茶ぶりはされなかった。
ピンクのパジャマを着た芽依は、ベッドで寝落ちている。
俺は芽依を起こさないようにそっと離れると、リビングのソファで横になった。
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