39.【街ブラデート】
翌朝、柔らかい……
なんとか俺の理性の防波堤は仕事したらしい。
それでも俺の本能は腕の中に収まる155cmのいい匂いがする柔らかい物体には抗えない。
その芽依は目を覚ましているもののお冠だった。
どうやら手を出されることを期待してたらしい。
「ヘタレ!」
最初の一言がコレである。
しゃあないから、パジャマの上から抱きしめてやる。
クッソ……拷問だぞ、コレ。
「ガマンしなきゃいいのに?」
そう言ってまた挑発してくる。
もう許して。
「お前に手を出したら親父と義母さんになんて言い訳すんだよ!」
「えー、二人とも反対しないと思うよ?」
「まあ、取り敢えず一晩平気だったな。後で学校に行って通学の件を話して来ないと……」
「ねえ、お義兄ちゃん。
今日、土曜日だから先生いないと思うけど?」
あう。ここんとこずっと芽依に合わせて自宅にいたから曜日感覚がズレてやがる。
その点、リモートでも授業で時間割がきまってる芽依のほうがしっかりしてたようだ。
「じゃあ、今日は二人で出掛けるか?」
「ホント!やったぁ」
「こら芽依!パジャマで抱き着いてくるんじゃない。
俺の理性だっていつまでも持つワケじゃないんだぞ!」
『芽依、「ヘタレ」の他に「意気地なし」と「朴念仁」を隼人の属性に追加することを推奨します』
Twinsは相変わらず、俺に辛辣だ。
そのくせ俺が義妹に手を出したりした日にゃここぞと責めてくるのが目に見えてる。
『隼人、ナニを当たり前な事考えてるんですか?』
どっちしても俺が責められるのは当たり前なのかよ。
◇
なんとなく街をブラブラ。
特に用事もないんだが、しばらく家に籠もっていた芽依にとってはこれでも嬉しいらしい。
「もうすぐクリスマスか……今年は色々あったから早いな」
「ねえお義兄ちゃん。
推薦も決まったんだしさ。
クリスマスにどっか行きたいなあ」
「うーん、まあご褒美だ。
ドコに行きたい?」
「アレとかどうかな?」
芽依が指差した先には、商店街の福引。
一等が一泊二日の温泉旅行。
「いや、一等なんて当たらないだろ。
それに、ココ。
夏場なら楽しいだろうけど、閑散期の海水浴場じゃん」
「お義兄ちゃんと一緒でノンビリできれば場所なんてドコでもいいもん」
カランカラン♪
まあ、こういうのお約束だよな。
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