33.【夏季IT講習】
「ねえお義兄ちゃん。この真っ黒な画面でホントにちゃんと動くの?」
芽依のIT個人レッスンを始めた。
巨大化した芽依の肩に乗って指示を出していく。
こっちも命がけだよ。
巨大なスマホを長さ2m太さ15cmのスタイラスペンで突く姿は中々にシュールだ。
芽依のスマホにSSHを入れてTwinsのサーバにログインする。
芽依はおっかなびっくりと俺の指示に従ってスマホを操作して行った。
人気のフレームワークではなく、最初はわざわざCLI始めたのはちゃんとワケがある。
「普段見慣れてる綺麗な壁紙やかわいいアイコンは皮膚みたいなモノでな。
今見てる黒い画面が骸骨だと思えばいい」
『隼人?その例えは間違えてませんが異議を唱えます』
Twinsにしては不本意な例えということかな?
「これから骸骨を開けて脳とご対面だ」
「うげーっ」
そんなイヤそうな顔すんな。
「あ!なんか出てきた!!」
俺が表示させたのはTwinsの設定データ、その中でも芽依に関する基本情報だ。
「わあー、凄いね」
「これをさらにだ」
そうやって、grepで特定の項目だけ抜き出したり、sedで一部だけ置換したりを組み合わせて見せる。
「普通はここまで知らなくてもなんとかなるんだけど。
中の作りを知ってると、いざという時の地力が変わってくるんだ。
今後もTwinsと付き合っていくんだから知ってたほうがいいと思ってな」
「で?ダレがツンデレか?」
「お前!」
「即答?」
まあいいや。
取り敢えず今日のところは興味を持ってもらえたらそれでいい。
「Twins、仮想マシンでサンドボックス作ってくれ」
『承知しました』
新しいテスト環境がTwinsによって即座に構築される。
「よーし、お義兄ちゃんがメシ作ってくる間、色々弄ってみるといい。
この中なら壊してもいいようにしてあるから。
Twins、フォローしてくれ」
そう言い残してキッチンへ。
晩メシを用意して戻ると芽依は155cmになっていた。
最近は40mのほうが、なんかリラックス出来るらしく風呂とご飯以外は巨大化してることが多い。
最も、ステージ2の巨大化条件はまだ完全解明されてないというのもあって高橋先生共々、色々な実験を続けてるところだけど。
「どうせ、メシ食べたらまた巨大化するんだろ?
先にシャワー浴びてこい」
芽依が風呂場に行った時にモニタの画面が目に入った。
「なあ、Twins?
俺、そんなパッチ書いたっけ?」
『これは今さっき、芽依が作ったモノです』
はあ?
ちょっと待て、これけっこう悩んでたところだぞ?
「お前が作らせたのか?」
『否定。芽依が問題点を指摘し、パッチ作成まで行ないました。
私は、聞かれたコマンドのリファレンスとして働いただけです』
なんかまたおかしなことが起きてる気がするな。
『なにやら芽依の知力が…………"厚み"…………を増したように感じました』
知力の厚み?
なんだそりゃ?
まあ、この件も高橋先生に相談だな。
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