31.【ステージ2】
『MMGSステージ2……か』
Discordでのリモート会議の最中、松本さんが呻くように言った。
高橋先生の新仮説、MMGSステージ2についての報告があったところだ。
高橋先生の仮説はこうだ。
元々、MMGSには複数の発症ステージがあった。
だが今までの発症者は、原因物質の摂取を徹底的に避けていたため、ステージ2の存在に気づいてなかった。
さらに言えばステージ3がないとは誰にも分からない。
リモート会議の空気が重くなる。
芽依は巨大化空間で受験勉強中で、俺は自室で主要メンバーだけのボイスチャットで会議中だ。
「それで先生。ステージ2の特徴はなんなんでしょうか?」
『症例が芽依ちゃんしかいないからなんとも言えないね。
芽依ちゃんの場合はランダム巨大化と巨大化解消。
これはたぶんステージ2共通だと思う。
ただ、そのトリガーは人によりそうだね。
芽依ちゃんの場合は、感情がトリガーだと思うけど、もし他の症例があったとして同じトリガーかは分からない』
まあ、他の例がないんじゃなあ。
『そこで松本、マッシブマッシュを食べてみないか?』
『俺を被験体にしようとすんな。
そもそもマッシブマッシュが手に入らんわ』
そうだよなあ、何せ一千万人にひとりだもんなあ。
しかしいつものことながら、高橋先生、松本さんには容赦ないな。
『それで隼人君。
芽依ちゃんの最近の調子はどうかな?』
「あー、最初こそ落ち込んでましたが最近はむしろ調子いいみたいですね。
なんか巨大化状態のほうが本来の姿になりつつある。っていうか……」
あれ?高橋先生、なんか考え込んじゃった。
『まあいい。
それより受験勉強はどうだい?』
「ええ、頑張ってますね。
ただ最近、進路に悩んでる節があって」
『環境の変化が進路に与える影響は無視できないね。
可能なら叶えて上げられるといいけど』
「今まで、どっちかというと文系よりの進路希望だったんですけど、TwinsをサポートにつけてからAIやコンピュータサイエンスに興味持ったみたいで」
『ほう……』
という声が複数上がる。
『もしかしたらボクのほうで紹介出来るかもしれないね』
と、何が本業なのかもはや分からないスーパードクターは言った。
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