24.【プールデート】
「ねえお義兄ちゃん、今度の連休遊びに連れてってよ」
「お前、受験生って自覚あるのかぁ?」
「あるわよ、夏休み入ったら夏期講習だもん。最後に遊んで頑張る!そのためには悔いが残らないようにちゃんと遊ぶ!」
「いいこと言ったつもりかよ」
「夏休み、ちゃんと頑張るから……ねっ、お願い」
「'Twins'、芽依の模試の記録は?」
って俺が聞いてもダンマリかよ。
まあいい。スマホブラウザで管理画面開いてっと。
「こらこら、隠すんじゃない」
『模試の結果は、芽依の重要な機密データです。
隼人と言えど勝手に見せるわけにはいきません』
「保護者が学生の成績を確認するのは義務だ」
コイツの倫理基準、もう一回見直したほうがいいのかな?
「ツインズ、いいよ。お義兄ちゃんなんだから、見せて上げて」
「なんだよ?ヤケに自信あるな?」
その時、Twinsからデータが送られてきた。
「ほぉ、志望校A判定か。お前が自慢しに来ないなんて珍しいな」
「一昨日結果出たばかりなんだ。
お義兄ちゃんここ数日忙しかったんでしょ?」
確かにここ数日、松本さんと打ち合わせたり、池田さんに会ったりかなり忙しかった。
バイオ発電絡みの打ち合わせだったんだが『お前の排泄物の相談してくる』とはさすがに言いづらい。
まあ、これだけ受験勉強が順調なら一日くらいご褒美があってもいいか?
「夏休みからは、もっと頑張るんだぞ?それが条件だ」
その一言に芽依は満面の笑みを浮かべた。
◇
「お義兄ちゃん……ど、とうかな?」
そして迎えた休日、俺たちは、レジャープールに来ていた。
芽依の水着は、少し背伸びしたビキニ。
白地に淡桃色の花がらにフリルがいっぱい付いた、セクシーよりも可愛いフェミニンなな水着だ。
子どもだと思っていたんだけどなあ。
クッソ、めちゃくちゃカワイイ。
「お、おう。そこそこ可愛いぞ」
「えー、そこそこなのぉ?」
口ではそう言いながら、頬がほんのり赤くなってる。
その恥じらいのコントラストがまた、芽依の魅力を押し上げる。
二人乗りのウォータースライダーに乗ったり、ジェラートを食べたり、俺もリフレッシュしつつ義妹が喜ぶ姿を眺める。
ああ、平和なひとときだ。
「ほらほら、お義兄ちゃん、早く次行こ」
まだまだ遊び足りないらしい芽依は俺に手を伸ばす。
しかしホントに幸せ全開って感じだな。
まあ、今日一日は夏休みに受験勉強頑張ったご褒美の前払いだ。
俺が芽依に近づいて行った時にその異変は起こった。
「あ……あれ?」
それが最後の一言だった。
突然、鉄砲水のような大波が襲ってくる。
ワケも分からず流された後、周囲を見ると、俺と同じように流された人たちが大勢いた。
幸いにも怪我人はいないようだ。
そしてプールの真ん中には、女の子座りでヘタり込んで呆然としている身長40mの芽依がいた。
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