13.【踏み固め】
本当に二週間で仮設住居フェーズ1が完成してしまった。
ただし地面むき出し、人間用居住区は、高床式のログハウスになってる。
芽依が巨大化した時のテンポラリな空間は、まるで広場のようだ。
この状態で当面、芽依にはこの家にいる間は40mサイズで過ごしてもらうことになる。
芽依が歩き回ることで地面が踏み固められたら工事はフェーズ2、つまり鉄筋を打って、基礎をしっかり作ることになる。
芽依による踏み固めに二週間、その後のフェーズ2は一週間という突貫工事だ。
そして、並行して、池田さんの会社による巨大無水バイオトイレの建設も始まった。
メタン発酵でおがくずが大量に必要だったそうだが、この家を作る時に伐採した壁材があるからな。
ホントに高橋先生のやることには無駄がない。
◇
「おーい、芽依。疲れたら休んでもいいんだぞ?」
「まだ平気だよ、お義兄ちゃん。
アタシたちの住む場所だもん」
ロードローラー代わりにされて怒ってたのに、自分の住処という実感が湧いてきてやる気になってるんだろう。
暇さえあれば巨大化して家の中を歩き回っている。
「ねえ、お義兄ちゃん、この土、ふかふかで踏んでるとなんか気持ちいい」
そりゃお前のサイズならな。
俺が踏もうと思っても小山登りにしかならない。
それを上から踏んづけて押し潰す加重がかかるんだから。
ここまで計算してた高橋先生はやっぱり凄い。
いや、コレを土砂の量まで含めて計算しきったことが凄いんだろう。
最終的に芽依が踏み固めた部分はほぼ平らになってるからな。
そんなことを考えながら芽依の様子を見ていたら、ひょいと摘み上げられた。
「お義兄ちゃんも一緒ね」
いや……だから。
芽依は無邪気だが、俺は転落死と隣り合わせなんだが?
「今回は、お義兄ちゃんが落ちる、って騒がないように考えてきたよ」
そう言って見せられたのは芽依のクビにかかったネックレスだった。
たぶん、本来は細いものを選んだんだろうけど、なにせ身長25倍だ。
太さ4~5cmの鎖にしか見えないぞ。
芽依は、そのネックレスを俺の胴体に一巻してから肩の上に俺を載せた。
これ……死因が転落死から圧死に変わるだけじゃないか?
芽依はご機嫌で家の中を歩き回ってる。
池田さんの会社の技術者が不思議なものを見るような目で見ていた。
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