12.【ロードローラー】
通学には多少の難があるもののバレにくいという点ではかなりの優良物件だ。
芽依もここがいいと言うので、決めることにした。
親父と義母さんにはスマホ写真数枚と地図を送っておいた。
俺も通勤用に軽自動車でも買うかな。
◇
早速、建設に取り掛かってくれたんだが……
高橋先生がまたも突拍子もないアイデアを出してくれた。
「え?アタシが整地するんですか?」
「普通に工事したら年単位の時間がかかるだろ?
でも、巨大化エリアをざっと整地した地面のままにしておけば、芽依ちゃんが生活してるだけで地面が締め固められる」
「なるほど……」
おい、芽依。簡単に言いくるめられてるなよ。
芽依はよく分かってないみたいだ。
「つまり芽依をロードローラー代わりにする、ということですか?」
「誰が重機かっ!」
なんで俺に当たるの?この義妹。
「それから、伐採した木材はそのまま壁なんかの建材に再利用する。
この案なら二週間で仮設住居が出来る計算だ」
それでも懸念は俺がキチンとつぶさなくてはいけない。
「でも、それって芽依が危なくないですか?」
「整地に必要な土の量はボクが完璧に計算しきる。
それに芽依ちゃんに関しては、巨大化してる時はMMGS特有の不思議現象で重力に関わるケガは無いと思う。
どっちかと言うと、不整地エリアに君が入り込むのが一番のリスクだね」
だね、って爽やかな笑顔で言われてもなあ。
「高橋よぉ。早いのは認めるが役所としては『安全管理責任者』がいない工事は問題なんだがなあ」
「まあそうだろうな。そこで役所を納得させるロジックも用意しておいたが聞きたいか?」
「いや、いい。屁理屈でお前に勝てると思ってない。
その屁理屈を建設計画書に書いといてくれ」
松本さん、役所の人間がそれでいいのかよ。
しかし、高橋先生の多才ぶりはもはやチートレベルだな。
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