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【完結済】わがまま王女ですが剣聖と二人旅をして、仕方がないので人助けをして剣聖と真の女王を目指しますわ!  作者: 久坂裕介
第五章 王女、魔王と戦う

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第五十二話 交渉

 私は仰向《あおむ》けに倒《たお》れたナバウ様に、言い放った。

「これから私がカッコよくマモートを戦闘不能《せんとうふのう》にしようと思ったのに、美味《おい》しいところを持っていくんじゃありませんわ!」


 するとナバウ様はすぐに立ち上がり、言い返してきた。

「いーえ! 無理《むり》でしたね! 今のユーミ王女では、それは無理でしたね!」


 そう言われて私は、頭に血が上《のぼ》った。

「ほー。そうですか、そうですか! それでは、決着をつけましょう! 私とナバウ様、どっちが強いのかを!」


 でもナバウ様は、冷静だった。

「はあ。まあ、それも一度やってみたいと思いますが今は止《や》めましょう。ほら、見てください。魔王《まおう》マモートを。私たちを見て、ポカンとしてるじゃないですか」


 なので私は、マモートの顔を見てみた。確かに、こいつらは何をやっているんだという表情でポカンとしている。うーむ。これはいけませんわ。私は次に女王になる王女なので、威厳《いげん》を見せねば。なので今は、ナバウ様と決着をつけることはことは止めた。するとナバウ様は、聞いてきた。

「さて、ユーミ王女。どうしますか、このマモートを?」


 そ、そうですわ。ここはまず、このマモートをどうにかしないと。じゃないとまた、人間を滅《ほろ》ぼすと言いかねませんわ。人間は魔族を、迫害《はくがい》しているという理由で。うーん、どうしたものかしら……。と考えていると、ひらめいた。よし、これだ! そして私はマモートに、話しかけた。

「さて、魔王マモートよ。これで私たちの強さが、分かったはずですわ。なので人間を滅ぼそうとするのは、お止めなさい。この私がこれから女王になったら、人間があなたたち魔族を迫害することを止めさせますから」


 するとマモートは、聞いてきた。

「ほ、本当か?! だが一体《いったい》、どうやって?!」

「簡単な話ですわ。私が女王になったら、魔族を迫害してはいけないという法律《ほうりつ》を作りますわ」


 だがマモートは、疑《うたが》っていた。

「う、うーむ……。しかしそれには何か、条件《じょうけん》があるんじゃないのか?」

「もちろん、そうですわ。もちろん、タダではありませんわ」

「な、何だ?! その条件とは一体、何だ?!」


 なので私は、告げた。

「税金《ぜいきん》です。税金を納《おさ》めなさい」


 するとマモートは、再びポカンとした表情になった。

「は? ぜ、税金?……」

「そうですわ、税金ですわ。具体的には、一カ月に一万ゴールドの税金を納めなさい。もちろん、一ゴールドもまけませんわ。でも税金を納めたら、あなたたち魔族もこのヨヅン国の国民です。私は女王になったら、全《すべ》ての国民を護《まも》りますわ。もちろん迫害なんて、させませんわ。そして魔族も、人間を襲《おそ》わないと約束してもらいます。さあ、どうしますか魔王マモート?!」


 するとマモートは少しの間《あいだ》考える表情になったが、決断したようだ。

「わ、分かった。税金を納めよう。人間も襲わない。だから我々魔族を、迫害しないでくれ……」


 なので私は、ニッコリと微笑《ほほえ》んでマモートと握手《あくしゅ》をした。

「はい! これで交渉成立《こうしょうせいりつ》ですわ!」


 すると私とマモートを見ていたナバウ様は、拍手《はくしゅ》した。

「お見事《みごと》です、ユーミ王女。この交渉は、お見事です。なので私は、決めました。ユーミ王女、私はあなたを剣聖《けんせい》として認めます。これから私が立ち寄《よ》った町で、そのことを人々に伝えましょう」

「ナ、ナバウ様……」


 そして私は、そんなナバウ様に怒りのドロップキックをぶちかました。

「宣伝《せんでん》が地味《じみ》ですわ! 宣伝するならもっと派手《はで》にしてください!」

「ぐはっ」


 するとナバウ様も、ブチ切れた。

「な、この剣聖である私が自《みずか》ら宣伝するんですよ! これ以上の宣伝はありません!」


 と私とナバウ様は、再びモメ出した。だが次の瞬間、私とナバウ様はマモートの視線《しせん》に気づいた。やはりマモートは、ポカンとした表情をしていた。うーむ。これはいけませんわ。せっかく私がカッコよく、魔族との交渉をまとめたというのに。なので私は、思い切りカッコよくマモートに言い放った。

「それじゃあ毎月月末(げつまつ)に、城下町の税務署《ぜいむしょ》に税金を納めてください! それじゃあ!」


 と私はスタスタと歩き出し、この部屋から出た。するとナバウ様も、私の後《あと》をついてきた。そして、告げた。

「ユーミ王女は、この城の出口を知ってますか? よかったら、私が案内《あんない》しますよ」


 う。確かに私は、この城の出口を知らない。なぜなら私はホクサのワープで、移動したからだ。なのでちょっと悔《くや》しいが、私はナバウ様に案内を頼んだ。

「う、ナバウ様。この城の出口までの案内を、お願いしますわ……」


 するとナバウ様は、勝ち誇《ほこ》ったようにニッコリと微笑んだ。

「はい、よろこんで。でも、その前に……」


 とナバウ様は、私の体に右手をかざして魔法を唱《とな》えた。

「ヒール!」


 あ。そう言えば私はマモートと戦って、ひどいケガをしていた。戦いが終わった今、ホッとしたらそのことを思い出した。うーん。やっぱりナバウ様は、剣聖だなあ。気が利《き》くなあ……。そして私はとナバウ様は、この城の出口に向かって歩き出した。私は今、考えていることを話してみた。

「これは私の思い上《あ》がりかも知れませんが、私は結構《けっこう》良い女王になるかも知れません」

「ほう。どうしてですか?」

「はい。私はダヒルの町でお金と税金の大切さ、ミワーヨの町で王を補佐《ほさ》する高官《こうかん》は貴族や平民など身分に関係なく採用《さいよう》すること、ミサスの町では国民の仕事の大切さを学んだので……」

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