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【完結済】わがまま王女ですが剣聖と二人旅をして、仕方がないので人助けをして剣聖と真の女王を目指しますわ!  作者: 久坂裕介
第五章 王女、魔王と戦う

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第五十一話 奥義

 私は思わず、さけんだ。

「ナ、ナバウ様!」


 するとナバウ様は、申し訳なさそうな表情になった。

「申し訳ありません、ユーミ王女。おそらくあなたはこのしろの中にいると考えて入ったのはいいんですが、何しろこの城は広くてここにたどり着くまでに時間がかかってしまいました」


 そんなナバウ様を見て、私は心の底から安堵あんどした。私は今まで長い間、ナバウ様と一緒にいたがこれほどナバウ様の姿を見て安堵したことは無かった。ナバウ様ならこの最悪の状況じょうきょうを、何とかしてくれると思ったからだ。すると魔王マモートは、疑問ぎもんの表情になった。

何者なにものだ、お前は?」


 そう聞かれたナバウ様は、この部屋に入りながら真剣しんけんな表情で答えた。

「私ですか? 私はとおりすがりの、剣聖けんせいですよ。そしてそこにいる、ユーミ王女の師匠ししょうですよ。今回は私の弟子でしが、世話せわになったようですね……」


 するとマモートは、言い放った。

「剣聖? 師匠? ふん、どうでもいい。この小娘を殺す邪魔じゃまをするというのなら、まずはお前から殺してやる!」


 そしてマモートは、一瞬いっしゅんでナバウ様の目の前に移動した。そして次々に左右のこぶしを、目にもとまらぬ速さでり出した。私は思わず、叫んだ。

「危ない、ナバウ様!」


 だがナバウ様は、余裕よゆうの表情ですべての拳をかわした。するとマモートは、あせったようだ。

「な、ならばこれはどうだ!」


 マモートは、やはり一瞬でナバウ様の後ろに移動すると目にもとまらぬ速さでナバウ様に何度もりをり出した。だが信じられないことにナバウ様は、前を向いたまま後ろからの蹴りをかわした。するとマモートは、明らかに焦りだした。

「な、何だと? わしの攻撃が、一切いっさい効かないだと?……」


 するとナバウ様は、後ろを振り向いてマモートと対峙たいじした。そして、怒りがこもった声で言い放った。

「私の弟子であり、将来しょうらいこの国を必ずや良くするであろうユーミ王女をよくここまでいたぶってくれましたね。本来ほんらいならあなたをちりも残さずに消滅しょうめつさせるところですが、それはユーミ王女の主義にはんします。我々人間と同じ生き物である、魔族もたおさないという主義に反します。なので、安心してください。私は本気を出さずに手をいて、あなたを戦闘不能せんとうふのうにしますから」


 それを聞いたマモートは、怒りの表情になった。

「な、何だと?! て、手を抜く?! 貴様、この儂をだれだと思っている?! 儂は魔族の王、魔王マモートだぞ?!」


 するとナバウ様は、つぶやいた。

「なるほど。やはりあなたが、魔王でしたか……」


 そして、言い放った。

「私はこれからあなたを戦闘不能にしますが、私が一番いちばん強い訳ではありません。一番強いのは、剣聖と真の女王になってこの国のすべての国民をまもろうとしているユーミ王女です。モンスターも魔族も我々人間と同じ生き物だから倒さないという、ユーミ王女です」


 そう言われた私は、思わず呟いた。

「ナ、ナバウ様……」


 そしてナバウ様は銀色にかがやく剣を振りげて、叫んだ。

奥義おうぎ、パーフェクト・パーティー!」


 するとナバウ様の胸から巨大なたてを持ったナバウ様が、ナバウ様の右腕からは黒いローブを着たナバウ様が、そして左腕から白いローブを着たナバウ様が現れた。私は、ただただ呆然ぼうぜんとした。ナ、ナバウ様が四人になった?! それを見たマモートは、引きまった表情になった。

「この技は、できるだけ使いたくなかったが……。儂の寿命じゅみょうが縮むほど、体に負担ふたんがかかるからな……。だが、そうも言っておれん! はああああ!」


 するとマモートの右腕が、巨大化きょだいかした。もとの大きさの、一〇倍もの大きさに。そしてそれをナバウ様に向かって、き出した。


 破壊神はかいしんこぶし


 すると巨大な盾を持ったナバウ様は、それを盾で受けた。


 守護神しゅごしんの盾!


 だが巨大な盾を持ったナバウ様の、片膝かたひざゆかについた。やはり大きな、ダメージを受けたようだ。すると白いローブを着たナバウ様が、叫んだ。


 守護女神しゅごめがみいやし!


 すると巨大な盾を持ったナバウ様は、立ち上がった。どうやらダメージが、回復したようだ。次は黒いローブを着たナバウ様が、叫んだ。


 火神かしん咆哮ほうこう


 すると黒いローブを着たナバウ様の全身ぜんしんから、マモートに向かって炎がビームのようにき出した。それを喰らったマモートは一瞬いっしゅん、ひるんだ。そしてナバウ様は、そのスキを見逃みのがさなかった。前にいる巨大な盾を持ったナバウ様を飛びえて、マモートを何度もった。


 剣神けんしんまい


 するとマモートは、片膝を床につけた。やはり、大きなダメージを受けたのだろう。右腕も、元の大きさに戻った。そしてナバウ様は、静かに告げた。

「マモートとやら。そのダメージでは、もう戦えないでしょう。あきらめて、降参こうさんしなさい」


 するとマモートは、うなだれた。

「く、くそう……」


 そしてナバウ様は、私の方を向いた。

大丈夫だいじょうぶですか、ユーミ王女?」

「ナ、ナバウ様……」

「ふむ。だいぶダメージを受けたようですが、どうやら大丈夫そうですね」

「は、はい、ナバウ様。ナバウ様がきてくれなかったら、私はどうなっていたか。本当に、ありがとうございました……」


 そう言った次の瞬間、私はナバウ様にドロップキックをぶちかましていた。

「なーんてことを言うと思ったら大間違おおまちがいですわーー!!」

「ぐはっ」

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