第四十六話 キング・ドラゴン
それを聞いて、私の警戒は最高レベルになった。な、ドラゴンの中で最強でつまりモンスターの中でも最強と言われるキング・ドラゴン?! でも私は戦って、戦闘不能にする覚悟を決めた。このキング・ドラゴンを戦闘不能にすることができなければ、やはり魔王を止めることはできないだろうからだ。だから私はキング・ドラゴンと戦うために、一歩前に出た。そしてナバウ様に、告げた。
「まずは、私が戦いますわ。でも危なくなったら、フォローをお願いします」
するとナバウ様は、緊張感を感じる声で答えた。
「気を付けてください、ユーミ王女! キング・ドラゴンの攻撃は、恐ろしい精神攻撃だと聞いたことがあります!」
精神攻撃ですか。つまり、気を強く持たなければならないということか。なので私は、このキング・ドラゴンを絶対に戦闘不能にしてやると再び決意した。するとキング・ドラゴンは、この砂漠中の空気が震えるような雄たけびを上げた。
「グアアアアアアアア!」
すると私の心は、恐怖に支配された。な、何ですのこれは?! つ、強い。このキング・ドラゴンは、間違いなく強い。それはさっきの雄たけびで、分かった。雄たけびだけで砂漠中の空気を震わせるなんて、聞いたことが無い! するとこのキング・ドラゴンは一体、どんな恐ろしい攻撃をするんだろう? 想像しただけで私は、恐ろしくなった。そして、感じた。このキング・ドラゴンを戦闘不能にすることは、きっとできないだろうと。
そして、更に恐怖を感じた。私は戦えばきっと、このキング・ドラゴンに倒されるだろう。つまり、殺されるだろう。い、嫌だ! 死にたくない! 私はまだ、死にたくない! そのためには、どうすればいいだろう? そうだ、逃げよう! 今すぐ、ここから逃げよう! そしてナバウ様が言っていたように、お城に帰ろう! そう考えた時、私は前から両肩を強く掴まれた。そして、ナバウ様の声が聞こえた。
「……じょ、……じょ、ユーミ王女、しっかりしてください!」
その言葉で、私は我に返った。え? 私はさっき、何を考えていたのかしら?……。するとナバウ様の、必死な声が聞こえた。
「しっかりしてください、ユーミ王女! おそらくキング・ドラゴンの精神攻撃を喰らったんでしょうが、ボーッとしててはいけません!」
その言葉を聞いて、私は理解した。なるほど。これがキング・ドラゴンの、精神攻撃か。雄たけびを聞いた者に、恐怖心を与える攻撃か……。でも今は、ナバウ様のおかげで正気を取り戻した。なので私は、ナバウ様に告げた。
「ありがとうございます、ナバウ様。おかげで、正気を取り戻しましたわ」
「大丈夫ですか、ユーミ王女? まだ、戦えますか?」
そう聞かれた私は、ナバウ様に言い放った。
「もちろんですわ! 私は絶対に、あのキング・ドラゴンを戦闘不能にして見せますわ!」
そうして私は、再びキング・ドラゴンと対峙した。私に精神攻撃が効かないと理解したのか、キング・ドラゴンは攻撃方法を変えてきた。キング・ドラゴンは、その大きな二枚の翼をはばたかせた。すると私は、ものすごい風圧の風を感じた。くっ、これは動きを封じられますわ。でも、これくらい! 私は風圧に耐えながら、聖剣アポビーを構えた。すると次の瞬間、私は体中に痛みを感じた。
な、これは一体、どういうこと?! 私は自分の体を見てみると、ピンクのドレスが無数に切られていることに気づいた。なので、分かった。さっきのキング・ドラゴンの攻撃は風圧ではなく、目に見えない真空波だと! くっ。目に見えない、真空波の攻撃ですか。これは、やっかいですわ……。
するとキング・ドラゴンは、再びその大きな翼をはばたかせた。くっ、またくる! 目には見えない、真空波の攻撃が! なので私は、大きくジャンプしてみた。すると何とか、真空波の攻撃をかわすことができた。やりましたわ! 真空波の攻撃は、こうやってかわせばいいんですわ!
するとキング・ドラゴンは、私に攻撃が効かないことを理解したのか戸惑っているようだ。確かに、このキング・ドラゴンは強い。精神攻撃と、目には見えない真空波の攻撃。この攻撃を喰らったら、普通の剣士は負けてしまうだろう。でも、残念ですわねキング・ドラゴン。私はあなたを戦闘不能にするほどの、剣聖を目指しているんですわ! さあ、これからはこっちの番ですわ!
そして私は、キング・ドラゴンに聖剣アポビーで連続斬りをあびせた。だがキング・ドラゴンに、ダメージはないようだ。くっ。さすがは最強のモンスターと言われる、キング・ドラゴンですわ。普通の攻撃は、効きませんか。それならば……。
私はリラックスして精神を集中させて、魔力を作った。するとそれに反応して、聖剣アポビーが目覚めた。
「ふーむ。お主、あの敵に苦戦しているようである……」
「そうなの! だから力を貸して、聖剣アポビー!」
「もちろんである。さあ、我輩に魔力を注ぐのである」
「ええ!」
と私は聖剣アポビーに、魔力を注ぎ込んだ。すると黄色だった聖剣アポビーは、緑色に変わった。
「さあ。これで今のお主の加速力は、十倍である。あの敵を、倒すのである」
「ええ!」




