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【完結済】わがまま王女ですが剣聖と二人旅をして、仕方がないので人助けをして剣聖と真の女王を目指しますわ!  作者: 久坂裕介
第五章 王女、魔王と戦う

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第四十五話 覚悟

 私とナバウ様はミサスの町を出て、南に向かって歩いた。そして一週間ほどすると目に前に、広大な砂漠《さばく》が広がっていた。それを見たナバウ様は、私に確認した。

「ここがこのヨヅン国で最大の砂漠、オタナ砂漠です。ユーミ王女、覚悟《かくご》はできてますか?」


 なので私は、頷《うなづ》いた。するとナバウ様も、頷いた。

「分かりました。それでは、行きましょう」


 そして私とナバウ様は、砂漠を歩き出した。少し砂に足を取られながらも、私は前を歩くナバウ様について行った。そうすると一週間前の、ミサスの町でのことを思い出した。ナバウ様は、私に告げた。ミサスの町から南に行けば、おそらく魔王がいると……。

「ユーミ王女。私はこれ以上、あなたを危険に巻《ま》き込《こ》みたくありません。なぜなら南にはおそらく、魔王がいるからです……」


 私はそれを聞いて、もちろん驚《おどろ》いた。ま、魔王?! そんなのが本当に、いるんですか?! なので私は、ナバウ様に迫《せま》った。

「ま、魔王がいるってどういうことですか?! もっと詳《くわ》しく説明してください!」


 するとナバウ様は、真剣な表情になった。

「ユーミ王女。あなたには、覚悟はありますか? もちろん、魔王と戦う覚悟です」


 私は、真剣に考えた。魔王か。魔王と戦うのか。それは、やっぱり怖い。魔王というからには、今まで遭《あ》った魔族のヨダクやタフバよりも強いだろう。私は彼らとの戦いで、命の危険を感じた。だから魔王との戦いも、命がけになるだろ。だが私は、決心した。魔王と、戦うことを。魔王を止《と》めなければ、このヨヅン国が滅《ほろ》びてしまうような気がしたからだ。なので私は、ナバウ様に宣言《せんげん》した。

「ナバウ様。私には、ありますわ。魔王と、命をかけて戦う覚悟が」


 それを聞いたナバウ様は、やはり真剣な表情だった。そして少し考える表情になった後、答えた。

「そうですか、分かりました。それでは、説明しましょう。私が魔王について、調べたことを」


 そうしてナバウ様は、話し出した。ミサスの町の図書館で、調べたことを。魔法学校を襲《おそ》った魔族のヨダクは、『南にこい』と言った。そしてミサスの町で戦った魔族のタフバも、同じく『南にこい』と言った。だからナバウ様はこの国の南にあるミサスの町の、図書館に何か魔族に関係する手掛《てが》かりが無いかと調べた。すると、見つけた。五〇〇年前に現れた、魔王に関する文書《ぶんしょ》を。


 それによると五〇〇年前、このヨヅン国に突然《とつぜん》魔王が現れた。魔王はオタナ砂漠に現れた、漆黒《しっこく》の城から現れた。そして強力なモンスターを率《ひき》いて次々と町を襲い、そして滅ぼした。この非常事態《ひじょうじたい》に、ヨヅン国の城で対策《たいさく》が練《ね》られた。まず高度な魔法を使える高官《こうかん》が結集《けっしゅう》して、聖剣《せいけん》アポビーを作った。


 そしてお城の中で最も剣術が優れていた王子が、魔王と戦うことになった。王子は聖剣アポビーの力を借りて、激闘《げきとう》の末に見事《みごと》に魔王を倒《たお》した。だが魔王は、言い残した。『我は滅びん。いずれ復活し、今度こそこの国を滅ぼす』と。それがミサスの町の図書館の文書に、残されていた……。


 ナバウ様の話を聞いて、私は思い出した。お城でこの国の歴史を学んだ時に、確かにこの話を聞いたことがあると。だが私はその時、この話を信じていなかった。まさか魔王が本当に、いるはずないと思ったからだ。だが今は、違う。おそらく魔王はその言い残した言葉通りに、復活したのだろう。そして魔族のヨダクやタフバに、人間を滅ぼさせようとしたのだろう……。


 だから私は、覚悟を決めた。そんな危険な魔王を、放《ほう》ってはおけないと。命をかけてでも、止《と》めて見せると。そして私は、ナバウ様のこれ以上は危険だから城に戻った方がいいという提案《ていあん》を断《ことわ》った。そしてナバウ様と一緒に、このかつて魔王の城があったと言われているオタナ砂漠まできた。


 だが、どこに魔王の城があるのかまでは分からない。なので私はナバウ様と相談して、取りあえずこの砂漠を南に縦断《じゅうだん》することした。そうして歩いていると突然、目の前に大きな黒い渦《うず》が現れた。私は、警戒《けいかい》した。

「ナバウ様! これはきっと、何かのモンスターが魔族によって召喚《しょうかん》されると思います!」

「そうですね。私も、そう思います。でも近くに、魔族はいませんね」

「た、確かに……」


 私はこの渦を作ったであろう魔族を、警戒した。今までのパターンだと、魔族がその頭上《ずじょう》に黒い渦を出してそこからモンスターを召喚してきた。でも今、その魔族はいない。するとこの渦を作った魔族は、離れた場所からモンスターを召喚することができるのだろう。


 そんな魔族は、もちろんヨダクやタフバよりも強い魔力を持っているんだろう。いや。ひょっとするとこの渦を作ったのは、魔王かも知れない。とするとこの渦からは、相当《そうとう》強力なモンスターが召喚されるだろう。私は思わず聖剣《せいけん》アポビーを鞘《さや》から抜《ぬ》いて、構《かま》えた。すると、きた! 


 黒い渦の中から、白地《しろじ》に全身が燃える炎のような赤い模様《もよう》をしたドラゴンが現れた! そのドラゴンはやはり鋭《するど》い爪《つめ》がある手足を持ち、大きな翼《つばさ》も持っていた。そのドラゴンを見たナバウ様は、緊張《きんちょう》した声を出した。

「こ、こいつはまさかキング・ドラゴン?! ドラゴンの中で最強で、つまりモンスターの中で最強と言われるキング・ドラゴン?!」

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