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【完結済】わがまま王女ですが剣聖と二人旅をして、仕方がないので人助けをして剣聖と真の女王を目指しますわ!  作者: 久坂裕介
第四章 王女、産業を生み出す

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第四十一話 不倒

 私は覚悟《かくご》を決めて、一〇〇パーセントの力で牛頭《うしあたま》のモンスターを斬《き》った。お願い、倒《たお》れないで! するとモンスターはうずくまり、戦闘不能《せんとうふのう》になった。良かった、何とか倒さずに戦闘不能にすることができましたわ。するとそのモンスターはもう戦えないようで、私から逃げ出した。


 うん、これでいいですわ。もう人前《ひとまえ》には、現《あらわ》れるんじゃありませんわ……。と私がホッとしたのも束《つか》の間《ま》で、更に一〇体ほどの牛頭のモンスターが現れた! くっ。こいつら、しつこいですわ! だがもう私は、このモンスターを戦闘不能にする方法を知っている。なので私は一〇〇パーセントの力で、モンスターたちを次々と斬った。するとやはりうずくまり戦闘不能になったようで、モンスターたちは逃げ出した。


 私は念のために警戒《けいかい》していたが、もうモンスターは現れなかった。そして私は、ようやく一息《ひといき》ついた。すると疑問の表情で、ナバウ様は聞いてきた。

「お見事《みごと》です、ユーミ王女。見事にモンスターたちを、退《しりぞ》けましたね。でも、どうして倒さないんですか? ユーミ王女の実力なら、簡単に倒せるはずですが?」


 なので私は、説明した。私は魔法学校を襲《おそ》ったモンスターと戦ったが、そのモンスターの見た目は人間だった。なのでそのモンスターを倒すことは、人間を倒すように思えた。そして、気づいた。私は人間で生《い》き物《もの》だが、モンスターも生き物だ。だから私は生き物であるモンスターを倒さずに、大ダメージを与えて戦闘不能にすることにしたと。するとナバウ様は、真剣な表情で頷《うなづ》いた。

「なるほど。モンスターも、生き物ですか。確かに、そうですね……」


 そしてナバウ様は、ニッコリと微笑《ほほえ》んだ。

「私は今まで、たくさんの剣士《けんし》を見てきました。でもユーミ王女のように考える剣士は、いませんでした。この私も含《ふく》めて。なのでそんなことを考えて実行するユーミ王女はきっと立派な剣士に、いや剣聖《けんせい》になれると思いますよ」


 実は私は、この考え方は甘いんじゃないかとも思っていた。やはり相手がモンスターなら、倒すべきではないかと。でもナバウ様に私の考えを認めてもらって、私は自信を持った。よし。これからもモンスターを倒さずに、戦闘不能にするだけにしますわ!


 そうして私たちは、水量《すいりょう》が少ない川に沿《そ》って山を登り続けた。すると今度は、狂暴《きょうぼう》そうな目をした赤い象《ぞう》が現れた。しかも、一度に一〇体ほども! そいつらは太くて長い鼻《はな》を振り回して、周《まわ》りの木々を倒しながら向かってきた。くっ。こいつら、何てパワーなの?! するとナバウ様は、冷静に聞いてきた。

「さあ。これらのモンスターは、どうしますかユーミ王女?」


 なので私も、冷静に答えた。

「決まってますわ、ナバウ様。こいつらも倒さずに、戦闘不能にして退けますわ」


 そして私は、一〇〇パーセントの力で斬ろうとした。だが近づこうとした時、振り回していた太くて長い鼻が私の脇腹《わきばら》を直撃《ちょくげき》して吹き飛ばされた。私は背中を、大木《たいぼく》に打ちつけられた。背中の激痛を感じながら、私は考えた。くっ。やっぱりこのモンスターのパワーは、甘くないですわ……。


 そして私は、この象のモンスターを観察した。そいつらは相変《あいか》わらず長い鼻を振り回して、周りの木々をなぎ倒してした。だが、あることに気づいた。確かにこのモンスターの鼻のパワーはとんでもないが、スピードは遅い。なるほど、だったら……。


 モンスターが振り回している鼻に全神経を集中して、私は右に左にステップしてそれらをかわした。そして本体に、たどり着いた。今ですわ! 私は一〇〇パーセントの力で、モンスターに斬りつけた。だがモンスターは一瞬ひるんだだけで、戦闘不能にはならなかった。くっ。ならば、もう一撃! 私は再び一〇〇パーセントの力で、モンスターに斬りつけた。


 するとモンスターは四本の脚《あし》を折り曲げて、山の地面に伏《ふ》せた。でも、倒してはいない。戦闘不能に、なっただけだ。ふう。一〇〇パーセントの力で、二回攻撃しないと戦闘不能にできないなんて……。でも、覚えましたわ。このモンスターを、戦闘不能にする方法を!


 なので私は、残りの象のモンスターも戦闘不能にした。振り回される鼻に注意して、本体《ほんたい》に近づく。そして一〇〇パーセントの力で、二回《にかい》斬る方法で。そして少しするとやはりこのモンスターたちも、私から逃げ出した。ふう。ちょっと苦戦しましたが、このモンスターたちも倒さずに退けましたわ。するとナバウ様は、微笑みながら拍手《はくしゅ》をしていた。

「お見事です、ユーミ王女。これらのモンスターも、倒さずに退けましたね」


 そうナバウ様に褒《ほ》められて私は、笑顔で答えた。

「はい、もちろんですわ!」


 そうして機嫌《きげん》が良くなった私は、水量《すいりょう》が少ない川に沿ってドンドン山を登った。すると川が大きな岩で、堰《せ》き止《と》められているのが見えた。水は大きな岩の左右から少しづつ、チョロチョロと流れているだけだった。それを見た私は、嫌《いや》な予感がした。


 この川の水量が少ないのは、この大きな岩で堰き止められているからだろう。だから麓《ふもと》のミサスの町に流れている川の水量も、減《へ》ったのだろう。でもこの川が偶然《ぐうぜん》、大きな岩で堰き止められたとは考えにくい。こんなことをするのは……。と私が予想していると、大きな岩の裏から鼻歌《はなうた》が聞こえてきた。

「フンフンフンフン~。まだかな、まだかな~。麓の町が滅《ほろ》びるのは、まだかな~」

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