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【完結済】わがまま王女ですが剣聖と二人旅をして、仕方がないので人助けをして剣聖と真の女王を目指しますわ!  作者: 久坂裕介
第三章 王女、魔法学校に入学する

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第三十六話 聖剣、目覚める

 そしてトロルは再び、巨大な棍棒こんぼうを振りげた。私は、警戒けいかいして考えた。攻撃するのは、今ではありませんわ。万が一にもあの棍棒をらったら、ただでは済まないからだ。するとトロルは、再び棍棒を振りろした。私はそれを、左に飛んでかわした。よし、今ですわ! 棍棒を振り下ろして、スキができた今が攻撃するチャンスですわ! 私は八〇パーセントの力で、トロルに連続斬れんぞくぎりをあびせた。


 だがトロルは、戦闘不能せんとうふのうにはならなかった。くっ、このトロル。大きいだけあって、体力もありますわ……。なので私は、覚悟かくごを決めた。一〇〇パーセントの力で、攻撃することを。もしかしたらこのトロルをたおしてしまうかもしれないが、仕方しかたが無い。私が、やられる訳にはいかない。なので私は、トロルが棍棒を振り下ろしそれをかわして、スキができたところを一〇〇パーセントの力で連続斬りをあびせた。


 だが、トロルを戦闘不能にはできなかった。トロルはまた、棍棒を振り上げた。くっ、マズイですわ。私の一〇〇パーセントの力での攻撃が、効かないなんて。どうする、どうする?! そして私は、考えた。剣での攻撃が効かないなら、魔法をためしてみようと。この学校で覚えた魔法はどれも基本の魔法だが、今はそれで活路かつろ見出みいだすしかない!


 私は少しリラックスして精神を集中させて、魔力を作った。全身に魔力が、みなぎった。よし。効くかどうか分かりませんが、まずは火の魔法を試してみますわ。すると私の手元てもとから、低い声がした。

「うーむ、久しぶりである。久しぶりに魔力を、感じたのである……」


 え? だれですか、今しゃべったのは? 私はキョロキョロとまわりを見てみたが、誰もいなかった。おかしいですわ、気のせいだったのかしら?……。すると、もう一度いちど声がした。

我輩わがはいである。聖剣せいけんアポビーである」


 私は、もちろんおどろいた。で、でええええ?! しゃ、しゃべった?! 聖剣アポビーがしゃべった?! 私は混乱しながらも、質問攻しつもんぜめにした。

「ど、どういうことですの、剣がしゃべるって?! どういう仕組しくみですの?!」


 すると聖剣アポビーから、気だるそうな声がした。

「我輩は、魔力を感じると目覚めざめるのである。そんなことよりおぬし、あの敵を倒すことに集中するべきである」


 な、なるほど。さっき私が魔力を作ったから、それに反応して聖剣アポビーは目覚めたようだ。そして、聞いてみた。

「確かにあのモンスターを戦闘不能にしたいけど、あなたにそれができるの?!」

「ふーむ。倒すのではなく、戦闘不能にするだけとはお主は変わっておるのう……。だが、まあいい。その力を、さずけよう。さあ我輩に、魔力をそそぐのである」


 ま、魔力を?! 今一いまいちよくわかりませんが、そうするしかないようですわ。なので私は、聖剣アポビーに魔力を注ぎ込んだ。すると黄色だった聖剣アポビーが、緑色になった。次の瞬間、私は自分の身が軽くなった気がした。試しに剣を振ってみると、いつもより速く剣が振れた。こ、これは一体いったい?……。すると聖剣アポビーが、説明した。

「これは我輩の、力の一つである。今、お主の加速力かそくりょく普段ふだんの一〇倍である。さあ、今のうちの敵を戦闘不能にするのである」


 そ、そうか……。なので私は、トロルに突っ込んだ。トロルは棍棒を振り上げていたが、それを振り下ろすより速く攻撃できそうに思えたからだ。そして私は、連続斬りを連続して何度もトロルを斬った。


 テンフォールド・アクセル!


 私に何度も斬られたトロルは、うずくまり戦闘不能になった。それを見た私は、攻撃をめた。すると魔族が、驚いた表情になった。

「な、あのトロルを倒しただと?! い、いや倒してない?! とどめをさないだと?! おまえ一体、なに考えてんだ?!」


 なので私は、答えた。

「モンスターといえども、私と同じ生き物。だから、倒すつもりはありませんわ……」


 すると魔族は、大声を出した。

「ぎゃはははは! おもしれえ人間だな、お前! おい、お前、名は何て言うんだ?!」

「私ですか? 私は、ユーミですわ」

「そうかそうか、ユーミか! 俺の名は、ヨダクだ! おいユーミ! お前は南にこい! 俺はお前ともっと、遊びてえからな!」


 するとヨダクは、頭上ずじょうの黒いうずにジャンプして入り込んだ。そして少しすると黒い渦は消え、ヨダクも消えた。わ、私は一応、勝ったのね。と呆然ぼうぜんとしていると、トロルは必死にこの広場から立ち去ろうとしていた。でも私には、トロルを追うつもりは無かった。その代わりに、つぶやいた。

「人間がいないところに逃げて、そして二度と人間の前にあらわれるんじゃありませんわ……」


 とこれで一安心ひとあんしんしたかと思ったが、思い出した。ケガをした、ナリンさんのことを。なので私は、急いでナリンさんの元にもどった。そしてその途中とちゅうで、戦闘不能にしたモンスターたちがいないことに気づいた。おそらくトロルのように、この広場ひろばから逃げ出したんだろう。すると右腕から血を流しているナリンさんを、抱きかかえているハショウ君がいた。彼は、助けを求めていた。

「だ、誰か! ナリンさんの出血が止まらないんだ! 僕は魔力を使いたしてなおせないんだ!」


 なので、私が治すことにした。私は右手を、ケガをして出血しているナリンさんの右腕にかざした。お願い、ナリンさんのケガを治して! 私の魔力を使い果たしてもいいから! そして私は、魔法をとなえた。

「ヒール!」

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