第二十九話 魔法の授業
なので私はナリンさんにも、挨拶をした。
「こちらこそ、よろしくお願いします。ナリンさん」
するとナリンさんは、提案してきた。
「午前の授業が終わったので、これから昼食の時間です。昼食は皆食堂で食べるんですけど、そこに案内します」
「そうですか。お願いします」
そうして私とナリンさんはこの三階の教室を出て、一階に下りた。食堂に行く途中、ナリンさんがおおまかにこの学校のことを教えてくれた。この学校では一年生は一階、二年生は二階、三年生は三階で勉強する。一階の奥の右側には職員室と校長室があり、左側に食堂がある。そして学校の奥には魔法を学ぶ、広場があると。
そうして食堂に着くと右側に、プレートに載った昼食がズラリと並んでいた。どうやらメニューは一種類だけで、皆同じメニューを食べるようだ。そして左側には、四人くらいが座れるテーブルが並んでいる。私とナリンさんはプレートを持つと、近くのテーブルに着いた。メニューはパンとミルクと魚を焼いたモノだった。
美味しそうなので早速食べ始めると、ナリンさんは話し出した。
「午前の授業が終わって校長から頼まれたんですが、女子寮でユーンさんと私は一緒の部屋になります。よろしくね」
ふむ。このしっかりしてそうなナリンさんと、一緒の部屋か。これは良いな。なので私は、軽く頭を下げた。
「そうですか。それでは寮でも、お願いします」
そして私は、疑問を聞いてみた。
「ここは魔法学校のはずなのに、全然魔法の授業が無いんですね」
「いえ。午後からに二時限は、魔法の授業になります。ここは確かに魔法学校ですが魔法だけを教わるわけにはいかないので、午前の四時限は普通の授業を受けるんです」
「なるほど。そういうことでしたか」
そうして昼食を食べ終わると、広場で午後の魔法の授業が始まった。そこでは三年A組の生徒、男女とも一五人、合計三〇人の生徒が実際に魔法を使っての授業を受けていた。見ていると右手から炎を出している生徒、風を出している生徒がいた。
でも中でも目立っていたのは、クラス委員長のハショウ君だった。このクラスでは彼一人だけ、頭上に光の玉を出現させて辺りを明るく照らしていた。それを見た私は、思い出した。あ。あれはナバウ様が使っていた魔法だ。あれは暗い洞窟で使える、便利な魔法だ。あれは是非、覚えたい!
なので私はハショウ君に近寄って、聞いてみた。
「私も、このライトの魔法を覚えたいですわ! この魔法を教えてくださる先生はどこですか?!」
するとハショウ君は、少し表情を曇らせた。
「えーとですね……。ハッキリ言ってしまうと、もう先生の講義は終わりました。あとは自分たちで実際に、魔法を使ってみる段階なんですよ」
「ああ、そうでしたか……」
ハショウ君の説明によると、この学校では各学年で魔法の授業の内容が違う。一年生ではまず、魔力を身に着ける。そして二年生で魔法の基本の火、水、風、土の魔法を覚える。そして三年生では更に光、治癒などの魔法を覚えるのだそうだ。
ということはまずは私は、魔力を身につけなければならないということか。と考えていると、ハショウ君は言ってくれた。
「ユーンさんはこの学校に、魔法を覚えるために入学したんですよね? それなら、僕が教えてあげますよ」
おお! さすがクラス委員長! ありがたいことを言ってくれますわ! なので私は早速、ハショウ君から魔法を教わることにした。それによると、魔力とは精神力から作られる。なのでまずは、その作り方を覚えなければならないということだった。
具体的には、まず精神を集中させる。そして体の内側で、魔力にするということだった。魔力ができると、体の中からエネルギーが湧いてくる感じになるそうだ。なので私は早速、精神を集中させた。でも、ちっともエネルギーを感じなかった。それをハショウ君に言ってみると、彼は苦笑いした。
「まあ、急に精神力を魔力にするのは無理ですよ。この学校では、一年かけて覚えることですから……」
い、一年?! む、無理ですわ! そんなに時間をかけてはいられませんわ! 私は早くナバウ様と剣聖と真の女王になるための、旅を再開したいのですわ! でもそのためには、魔法を覚えなければならないのか……。ハショウ君によるとまずは精神を集中させて、魔力を作るのが魔法を覚えるコツだそうだ。なので私は、ひたすら精神を集中させた。でも結局その日は、魔力を作ることはできなかった。
そうして、その日の授業は終わった。すると、ナリンさんが声をかけてきた。
「ユーンさん。あなたは私と一緒の部屋になるので、これから案内します」
なので私は、ナリンさんの後をついて行った。すると女子寮に入り三階に上がり、奥の部屋に進んだ。どうやら、この部屋のようだ。ナリンさんが部屋に入ったので私も入ってみると、そこは木製のベットが二つと机とイスも二つづつあった。ナリンさんは左側を使っているようなので、私は右側を使うことにした。




