第二十五話 防御の修業その二
するとナバウ様は、ため息をついた。
「はあ、まあ、それはそうなんですが……。とにかく、ユーミ王女。あなたは絶対に、盾を持たないつもりですか?」
なので私は、元気よく答えた。
「そうですわ! だって盾って、可愛くないんですもの!」
それを聞いたナバウ様は、再びため息をついた。
「全く、そんな理由で……。あなたは相変わらず、わがままですね……」
そしてナバウ様は、少し考える表情になった。
「分かりました。あなたに盾を持たせることは、一旦あきらめましょう。なので、剣を盾の代わりにする修業を行いましょう」
それを聞いた私は、疑問に思ったので聞いてみた。
「え? 剣を盾の代わりに?」
するとナバウ様は、頷いた。
「そうです。剣は使いようによっては、盾の代わりになるのです」
「なるほど」
「それでは、その修業をしてみましょう……。いや、もうお昼ですね。この修業は、お昼ご飯を食べてからにしましょう」
そうして私たちは、宿屋にある食堂でお昼ご飯を食べた。パンとスープとチキンの、しっかりとした食事だった。それから少し休んでから、修業を再開した。私と向かい合ったナバウ様は、聞いてきた。
「私が剣を振り下ろしたら、ユーミ王女はどう受けますか?」
私は剣を横にして、頭上に持ち上げた。
「こうやって、受けますわ」
するとナバウ様は、再び聞いてきた。
「ふむふむ。それでは私が、ユーミ王女の左側を攻撃したら?」
私は剣を立てて、左に構えた。
「こうやって、受けますわ」
「ふむふむ。それでは私が、ユーミ王女の右側を攻撃したら?」
私は剣を立てて、右に構えた。
「こうやって、受けますわ」
「ふむふむ、なるほど。それではユーミ王女、行きますよ」
「はい!」
そしてナバウ様は、私の頭上と左側と右側に剣をふるった。だが私はそれらを、剣で防いだ。
「オーホッホッホッホッ! こんなの、余裕ですわ!」
するとナバウ様は、ニヤリと微笑んだ。
「そうですね。なので私は、少し本気を出しますよ……」
「え?」
次の瞬間ナバウ様は、一瞬で頭上と左側と右側に剣をふるった。なので私は頭上と左側の攻撃は剣で防いだが、右側の攻撃は防げなかった。右側の攻撃は、私に当たる直前にピタリと止まった。するとナバウ様は、真剣な表情で話した。
「どうですか、ユーミ王女。もし私が本気なら、あなたの胴体は真っ二つになっていましたよ……」
た、確かに……。私は右側で止まったナバウ様の剣を見て、ゴクリと唾を飲み込んだ。するとナバウ様は、優しく微笑んだ。
「まあ確かに今は私も、少し本気を出してしまいました。まあ、五〇パーセントですが」
その言葉に、私は震えた。ご、五〇パーセント?! 五〇パーセントでこの速さ?! そして私は、改めて思い知らされた。ナバウ様の強さを。なぜナバウ様が、剣聖と呼ばれるのかを。するとナバウ様は、告げた。
「ユーミ王女は私の五〇パーセントの速さについてこれないようなので、私は三〇パーセントの速さにします。それでは、行きますよ」
「はい!」
そしてナバウ様は、私の頭上と左側と右側に攻撃してきた。だが私は、何とかそれを剣で防いだ。するとナバウ様は、頷いた。
「ふむ。私の、三〇パーセントの速さにはついてこれるようですね。それではこの速さで、もう少し続けましょう」
「は、はい!」
そうして私は、ナバウ様の三〇パーセントの速さ攻撃を受け続けた。すると日が暮れ始めたので、ナバウ様は告げた。
「今日は、ここまでにしましょう。休むことも、大事な修業なので」
「は、はい!」
修業二日目。私はナバウ様の、四〇パーセントの速さの攻撃を受けることができた。
そして修業三日目。私はとうとう、ナバウ様の五〇パーセントの速さの攻撃を受けることができた。もちろん私は、喜んだ。
「や、やりましたわナバウ様! 私はナバウ様の、五〇パーセントの速さの攻撃を受けることができるようになりましたわ!」
するとナバウ様は、微笑んだ。
「はい。お見事です、ユーミ王女」




