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【連載中】わがまま王女ですが剣聖と二人旅をして、仕方がないので人助けをして剣聖と真の女王を目指しますわ!  作者: 久坂裕介
第二章 王女、疫病を止める

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第二十二話 お金を稼ぐということ

 そうしてナバウ様からブラック・ドラゴンの肝臓かんぞうを受け取ったミシャは、再び店の奥にもどった。それを見届みとどけた私たちは薬屋を出て、食堂に向かった。これから、昼食を食べるためだ。だが食堂に向かう途中、私はナバウ様にしっかりとクギをされた。


「ふむ。これでこの町の疫病えきびょうは、おさまるでしょう。これもブラック・ドラゴンを倒した、ユーミ王女のおかげです。でも、町長にドロップキックはいけません。いえ、だれに対してもドロップキックはいけません。立派りっぱな女王は、そんなことをしません。これから、注意してください」


 そう言われた私は、うなだれた。

「はい。すみません、ナバウ様……」


 するとナバウ様は、微笑ほほえんだ。

「分かればいいんです、分かれば。さあ、それではこれからブラック・ドラゴンを倒したお祝いをしましょう!」

「はい!」


 そうして私たちは、食堂に入った。今回(たの)んだ料理は、チキンの丸焼きだった。もも肉はあぶらがジューシーで、むね肉はさっぱりとしながらもコクがあって美味おいしかった。会計はナバウ様がしてくれたが、やはりチキンの丸焼きは高かったようだ。食堂を出ると、ナバウ様は提案ていあんした。

「ゴールドがほとんど無くなったので、これから道具屋に行ってブラック・ドラゴンのウロコを売りましょう」

「はい!」


 そうして私はナバウ様の後をついて行って、この町の東に向かった。そこには見るからにボロボロの店があった。『道具屋』という看板かんばんがあったので、私はナバウ様に聞いてみた。

「あ、あのナバウ様。ひょっとして目指めざしていたのは、この道具屋ですか?」

「はい、そうですよ」

「え、でも見るからにボロボロなんですけど?!」


 するとナバウ様は、微笑んだ。

「確かに、そうですね。でもここの店主はやり手なので、大丈夫ですよ」

「は、はあ……」


 なので私とナバウ様は、この店に入った。すると店主と思われるお爺さんが出てきた。

「おお! これはナバウ様、お久しぶりです! 今日はまた、どんな御用ごようですかい?」

「今日は、ブラック・ドラゴンのウロコを買い取ってもらいたいんです」


 とナバウ様は背負せおっているリュックから、ウロコを一枚取り出して店主に渡した。店主はそれを、真剣な表情で観察かんさつした。そして、告げた。

「ふーむ、これは上等な品物ですなあ。一体いったい、何枚持っているんですかナバウ様?」

「はい、私は五〇枚ほど。こちらの女性は、一〇枚ほど」


 そうして店主は、私が持っているウロコも合わせて全部で六〇枚のウロコを真剣な表情で観察した。そして、聞いてきた。

「うーむ。やはりこれはどれも、上等な品物ですなあ。これを材料にすれば、立派な防具が作れますよ。普通なら一枚、一万ゴールドで全部で六〇万ゴールドで買い取るところです。でもこれは、物凄ものすごく品質が良い。なので全部で七〇万ゴールドで買い取りたいんですが、どうですかい?」


 するとナバウ様は、うなづいた。

「はい、それでお願いします」


 店主も、満面まんめんみだった。

「はい、毎度まいどありー!」


 そうしてナバウ様は店主から金貨きんかを七〇枚、つまり七〇万ゴールドを受け取った。そしてナバウ様は、私に二〇枚の金貨をくれた。私は、聞いてみた。

「え、いいんですかナバウ様? 私は、一〇枚のウロコしか持ってなかったんですよ?」


 するとナバウ様は、答えた。

「はい。良いんです、ユーミ王女。今回ブラック・ドラゴンを倒したのはユーミ王女なので、オマケしてもらった分はユーミ王女に差し上げます」

「そ、そうですか……」


 すると私たちの会話を聞いていた、店主はおどろいた表情になった。

「ユ、ユーミ王女?! あ、あなたは次の女王になられるユーミ王女なんですかい?!」


 あ。バレちゃった。まあ、いいか。ブラック・ドラゴンのウロコはもう、買い取ってもらったし。私が王女だとバレても、もう問題は無いだろう。なので私は、答えた。

「え、ええ、まあ……」


 そして店主は、大笑いした。

「なっはっはっはっはっ! ブラック・ドラゴンを倒せるほどの強いお方が、女王になられる! これは良い! これはこの国も安泰あんたいだ! なっはっはっはっはっ!」

「はあ。どうも……」


 うーむ。やはりこの店主は、ただ者ではないようだ。今まで私がお城で会った人たちは、私にお世辞せじを言って私に取り入ろうとする人ばかりだった。だがこの店主は、自然体で私にせっしてくれる。うーむ。こういう人もいるんですわね。できればこういう人と、もっと会いたいですわ。


 そう考えながらも私は、二〇枚の金貨をジッと見つめた。そして少し、感動していた。これが働いて、お金をかせぐということなのね。私は今まで、働いたことが無い。王女だから、当然だ。欲しいモノがあればお父様にねだって、何でも手に入れてきた。


 でも今回は、違う。私は自分の力でブラック・ドラゴンを倒して、そしてその報酬ほうしゅうとして二〇万ゴールドを手に入れた。そして、考えた。この国の国民はこうして働いて、そしてお金を稼いでいるのね。一万ゴールドを稼ぐのも大変だという話を聞いたことがあるけど、その通りだ。


 私は勇気を振り絞ってブラック・ドラゴンと戦い、そして勝った。そして今、二〇万ゴールドを手に入れた。本当に一万ゴールドを稼ぐのも、大変なのね……。

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