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【連載中】わがまま王女ですが剣聖と二人旅をして、仕方がないので人助けをして剣聖と真の女王を目指しますわ!  作者: 久坂裕介
第二章 王女、疫病を止める

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第十六話 疫病

 そしてナバウ様は、木製のドアをノックした。少ししてから中から、「どうぞ」と返事へんじがあったので私とナバウ様は町長室に入った。中は結構けっこう広くて奥に木製の机とイスがあり、グレーの背広せびろを着た恰幅かっぷくのいい男が座っていた。その男は丸顔で丸い印象いんしょうの目をして、いかにも人が良さそうだった。そしてその男の周りに黒い背広を着た、三人の男がいた。


 丸顔の男はナバウ様を見ると、喜んだ表情になった。

「これはこれは、ナバウ様。以前は町をおそったモンスターをたおしていただき、ありがとうございました」

「いえいえ、ダカズ町長。私は、当然のことをしたまでです」


 そうしてナバウ様は、話を切り出した。

「ところで、ダカズ町長。何か、おこまりごとはありませんか? 私が見たところ、病院に出入りしている人が多いようですが?」


 するとダカズ町長は、真剣な表情になった。

「そうなんですよ、ナバウ様! 実は今、この町に原因不明の疫病えきびょう流行はやりつつあるのです!」

「疫病ですか?」

「はい。原因はまだ分かっていませんが、それでもいくつかのことは分かっています。疫病にかかるのは、この町の東に住む町民が多いということ。それと毒性どくせいが強く、病気にかかると一週間ほどで亡くなるということです。実はすでに、数十人の町民が亡くなりました……」


 それを聞いたナバウ様は、うなづいた。

「うーむ。なるほど……」


 そしてナバウ様は、提案ていあんした。

「それでは、ダカズ町長。私も独自どくじにその疫病の原因を調べたいのですが、よろしいでしょうか? もちろんダカズ町長もすでに、その対策たいさくを考えているようですが」


 とナバウ様は、ダカズ町長の周りにいる男たちを見回みまわした。するとダカズ町長は、男たちの顔を見回して頷いた後に告げた。

「ありがとうございます、ナバウ様。実は私たちは病人の対応でいそがしく、疫病の原因を調べる余裕よゆうがないのです。なのでナバウ様が調べてくださるのなら、こんなにありがたいことはありません!」


 するとナバウ様は、軽く頭を下げた。

「調べる許可きょかをいただき、ありがとうございます」


 それを聞いた私は、不満ふまんだった。なのでナバウ様に、聞いてみた。

「あの、ナバウ様。これから疫病の原因を、調べるんですか?」

「はい。そうですよ、ユー……」


 私の名前を言いかけたナバウ様の口を、私はあわてて手でふさいだ。そしてナバウ様に、小さな声で耳打みみうちした。

「しーっ。私がユーミ王女であることは、言わないでください。そうするとこの町の住民の、自然な生活を見られなくなると思うので」


 するとナバウ様は、頷いてくれた。でもダカズ町長は、聞いてきた。

「あの、ナバウ様。そちらの女性は?」


 ナバウ様は、少し考える表情をした後に答えた。

「えーと。こちらも女性は、私の弟子でしです。今、剣聖けんせいになるために私と一緒いっしょに旅をしているのです」


 するとダカズ町長は、おどろいた表情になった。

「何と! まだ若い女性なのに、剣聖になるために旅を! そうですか、それはご苦労くろうなことです」


 そう言われたので私はダカズ町長に一応いちおう、軽く頭を下げた。そして、告げた。

「疫病の対策、ご苦労様です。それでは私たちは、これで失礼します」


 そう言って私はクルリと回って、この部屋から出て行こうとした。するとナバウ様に、右肩をつかまれた。

「こらこらこらこら!」


 なので私は、振り向いた。

「何での、ナバウ様?」

「あなたは疫病の原因を、調べないつもりなんですか?」

「はい。そうですよ」


 するとナバウ様は、困った表情になった。

「どうしてですか?」

「私は町を襲うモンスターを倒して、剣聖と呼ばれたいんです。疫病の原因を調べても、剣聖とは呼ばれません」


 そう言われたナバウ様は、説明した。

「あのですね、それは違いますよ。確かに町を襲うモンスターを倒して、剣聖と呼ばれることもあります。でも今回のように疫病の原因を調べて人々を救うことで、剣聖とよばれることもあるのです」


 それを聞いて、私は驚いた。

「ええ?! そうなんですか?!」


 するとナバウ様は、何度も頷いた。なるほど。そういうパターンもあるのか。それを知った私は、がぜんやる気になった。なので私は、ダカズ町長に言い放った。

まかせてください、ダカズ町長! きっとこの私が、疫病の原因を突き止めて見せますわ!」


 するとダカズ町長は、顔いっぱいに喜びの表情を見せた。

「よろしくお願いします! ナバウ様とそのお弟子様!」

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