表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アテン神☆ぷりーず2 ~ファラオの冥界大冒険~  作者: ヤミヲミルメ
ツタンカーメンは長い旅をひとまず終える
83/83

「だからしばらく」

 一個のパンを物質と霊体カーで二人で分けて、平らげながらカルブが尋ねる。

「アアルの野はどうだったんです?」

「家出してきた」

「何で!?」

「父上に怒られた。早死にすんなって。おれだって好きで死んだわけじゃないのに」

「あー。それはどちらもお辛いですね」

「だからしばらく世話になるぞ」

「だから何で!? 王宮に帰ればいいじゃないですか!?」

「おれを感知できるのは、生きてる人間ではお前だけなんだよォ」

「うーん、しょうがないですね……でもオレ、仕事があるんで夜まで遊べませんよ?」

「それより今からアケトアテンに行こうぜ」

「だから仕事があるんですってば!! しかもアケトアテンって、めちゃくちゃ遠いじゃないですか!!」

「スメさんの遺体をミイラにして丁重に葬ってほしいんだ。ちゃんと報酬は出すぞ」

「スメさんって誰? てか、報酬って? 幽霊がどうやって出すんですか?」

「おれの墓から財宝を持ち出せ」

「それはマズイですって!!」

「じゃあ、愛の女神ハトホルにかけ合って嫁探しを手伝ってやる」

「それならばぜひ!! あ、いえ、すぐには駄目です。先約が……」

「ホッマのミイラなら親父さんに頼めよ。帰ってきてるんだろ?」

「何で知ってるんです?」

「さっき工房のほうを覗きに来てた。いろいろ文句があるみたいだったぞ」

「うわあああ」

 カルブの父は先王の宗教改革の真っただ中を生きてきた人なので、アテン神式の葬儀についてはカルブよりもはるかに詳しい。

 普段は別の町で働いており、カルブに嫁はまだかとせっつくために数日前からテーベに来ている。

「あああ、もう! 父ちゃんにどう説明したらいいんですか~! まさか幽霊が見えるだなんて言えないですよ~!」

 半泣きで旅の支度を始めるカルブの横で、冥界の旅を終えたばかりのファラオは、日差しを浴びた川面のように目をきらきらとさせていた。


挿絵(By みてみん)


 アテン神☆ぷりーず2、無事完結いたしました!

 執筆中、応援してくださった皆さま、ありがとうございました!

 完結後に読み始めてくださった皆さま、ありがとうございます!


 異世界ファンタジーが大人気の時代に、古代エジプトの物語に興味を持っていただけたこと、とてもとても嬉しいです!

 今後は皆さまの感想や、そもそものエジプト研究の発展をもとに、アテン神3の執筆も考えていきたいと思っております。

(近々大発見があるみたいなことが、前々から言われているのです)


 ではでは、いつかまた。

 最後までお読みいただけたことに心よりの感謝を込めて……



 挿絵は貴様二太郎さまからの読了記念ファンアートでございます♪


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ