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その村、凪旗というには三棟の小屋がある。いくら世界が広いとはいえ、小屋に並々ならぬ関心を抱く者は少ないだろうが、この三棟の小屋に関心を抱く人はいない。まず、凪旗駅のすぐ傍にある「國米小屋」という小屋から説明するわけだが、國米小屋さえ説明すればほかの二棟の説明は要らなくなる。名前だって誰かが勝手に呼んで定着したに過ぎない。この小屋は明治二十四年、明治政府が行なった貯蓄政策の影響を受け、米を蓄える小屋が必要となり、地元の大工を雇って建てられた。明治政府としては米を蓄えて飢饉に備える活動をしたという形だけの活動報告を国会の議事録に残すために建てたというわけだ。




