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空明の再誕 - 生きる理由を取り戻すために  作者: 日和秋彦
第4章 - 風

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第四十一話 【日食】

 エクリプサの三十一日。


 その日はいつもと変わらず始まった。

 驚くようなことも、魔法めいたことも何もなかった。


 今日はとても暑かったので、俺は靴下を履き替えて軽い靴を履いた。

 薄手のリネンのシャツに半ズボンという格好だった。

 この服装で、容赦なく照りつける太陽の下でも訓練を続ける準備はできていた。


 ゼレニアの大丘陵には、太陽光線に対して役立つ魔法陣が存在した。

 もちろん暑さを防ぐわけではないが、日焼けは防いでくれた。

 各家庭の農民たちは、それぞれ独自の魔法陣を持っていた。

 だが、この村には存在しないし、俺も作り方を知らない。


 話は変わるが、俺の髪も絶えず伸び続けていた。


 髪が伸びる感覚なんて忘れていた。

 前世ではただ伸びるに任せ、それ以上のことは全く気にしなかった。

 まともな人間というより、浮浪者のように見える地点にまで達していたほどだ。

 そして実際、完全にそうだった。


 だが今、俺はその成長にもう一つの特異性を見出している。


 俺の焦げ茶色の髪にある、赤色だ。

 均一ではなく、赤が焦げ茶色に少し混ざったり、その逆もあったりするが、

 髪全体を覆っているわけではなく、ほんの一部だけだ。

 奇妙だが、俺には具体的な説明がつかない。


 暁の目醒めであることが関係しているのだろうか?

 いや、それは全く関係ない。


 例えばセレナは、金髪以外の何ものでもなかった。

 彼女はケラリスという、金髪が普通であり単一の一族の特徴とされていた村の出身だった。

 年月が経つにつれて、憎まれるようになった一族だ。


 エミリアもその一族の出身ではないかと疑ったことすらある。

 だからこそ、村人たちは彼女を激しく憎み、母親を殺し、彼女自身をも殺しかけたのだ。


 いや、今日は過去を考える日ではない。

 現在に集中した方がいい。


 今夜、日食が始まる。

 準備する時間は一日中あったから、心配はしなかった。

 一日中訓練をして、時間が来たら屋根に上ることもできた。


 ゼレニアでは一度も見たことがなかった。

 その日は早く寝かされていたし、正直なところ、俺自身も気にならなかった。

 ただ、魔法と剣。

 当時の俺の頭脳が処理したがっていたのは、それだけだった。


 そして今、俺に選択肢はない。


 マリアが言ったのだ。

「行くのよ」と。

 だから、そうなる。


 彼女が怒るのを見たくはなかった。

 それに、アメリアも来る。

 俺の誕生日に、彼女が話を聞いてもらえていると感じられるようにしようと心に誓ったのだ。

 これ以上、約束を破るわけにはいかない。


 ---


 朝食の間に起こったことだ。


 マリアがいつもより俺を観察していた。

 その目には明らかな面白さが浮かんでいた。


「ねえ、ダイキ。そんな服を着るなんて驚きね」

「実用的だ。暑いからな」

「ええ、もちろん。でも、それだと普通の子供っぽく見えるわ」


 マリアは言葉を詰まらせて、自分の胸を叩いた。


「つまり、そうなんだけど……時々すごく年老いた大人のように見えるの。そう思わない?」


 気を悪くするどころか、俺をかなりよく描写していた。


「ああ、確かに」

「うふ、うふふ。悪気があって言ったんじゃないのよ。そういうあなたも好きだけど、たまには居心地のいい場所から抜け出してみるのもいいんじゃない?」

「それも確かだ」

「あっ、私の言うことを全部受け入れないでね」

「それも……」

「ダイキ」

「母さん」

「なんでもないわ、忘れて」


 ルビーが少し笑った。


「マリア。母親としては、あなた全然駄目ね」

「ちょっと! 私だって初めてなのよ。何事も学ぶものじゃない。もし次があったら……」


 マリアはそう言って顔を赤らめたが、言葉を続けた。


「……その時はもう、一人育て方を学んでるはずだから」

「そうだな」

「姉さん、ダイキの真似をしないで。お願いだから、あなたはダメ」

「いや、真面目な話、これはあなたを助けるわ。私だって叔母さんになるのは大変だけど、ローゼンライで子供たちの相手はしてきたからね。まあ、今回はかなり勝手が違うけど」

「ほらね? そんなに難しくないでしょ」


 この会話を聞いて、俺の喉からかすかに息が出た。

 それが何なのかは分からなかったが、この状況によるものだった。


 子供だと思っている相手に悪戦苦闘する、二人の大人の女性。

 相手が自分たちよりも年上だとは知らずに。


 まるで本の中のユーモアのようだった。


「母さん、ルビー。今日この後は何をするんだ?」


 二人は突然俺を見た。


「わからないわ、息子。今日は仕事をしてはいけない日だから、やれることはあまりないのよ」

「仕事をしちゃいけない?」

「私たちが誕生した時から、女神様がそう定めたのよ。周期の変わり目や、新しい時代の始まりには働いてはいけないってね。働くと運が悪くなると言われているの」


 ルビーは立ち上がり、俺の隣に座った。


「マリアの言う通りよ。昔のアントロポスの王様が、空白地帯に住む部族を彼の軍隊に攻撃させようと試みたの。その結果、メンシェ大陸から島々を隔てる水域が上昇したわ。つまり潮が満ちて、船が出航するのを許さなかったのよ。自然の摂理だと言う者もいれば、女神アテの言葉がやはり真実だったのだと言う者もいたわ。それ以来、その王は高い地位にありながら神の法に背き、人々が同じことをするよう影響を与えないようにと廃位されたの。王家の歴史のグレーな部分ね」


 ルビーは何かを省いていた。

 俺はその王について、すでに知っていることがあった。

 その後、彼は王国の皆の目の前で絞首刑にされたのだ。


 さらに、高波は多くの兵士たちを脅かし、家族を持つ者の中には最終的に死んだ者もいた。


「働いている最終日に死ぬと、星の試練を受けることが許されず、魂が一番近い迷宮に行ってしまうと言われているわ。地下に現れる迷宮の中には、永遠に発見されないものもあるしね」


 迷宮という言葉を聞いて、マリアは別の方向へ目を逸らした。

 彼女の父親の魂が目に見える迷宮にあったのは彼女にとって幸運だった。


 彼女は悲しそうではなく、いつもより安堵しているように見えた。

 マリアがすべてを正しく行ったのなら、彼女の父親は試練を通過できるだろう。


「それじゃあ……訓練を続けることはできるか?」

「ええ、いいわよ、息子。訓練を続けても。ただ、庭の中だけで、猿と一緒ではないわ」

「でも……」

「でも、は無し。もしあなたに何かあったら……まあいいわ、とにかく行かないで。分かった?」

「分かった。行かないよ。穏やかな日だ」


 マリアは俺の髪をくしゃくしゃに撫でた。


「その調子よ、息子」


 トントン、トントン、トントン、トントン。


「私だよっ、私! ダイくん起きてる!? お兄ちゃんとカリエは来たくないって。二人とも気難しい人たちだと思う……」


 アメリアはまるで自分の家のように入ってきて、俺の隣に座った。


「やっほー! ワクワクしてる!? だって私、すごくワクワクしてるもん。ずっとこの日を待ってたんだよっ」

「ああ、少しな」

「少しって少なすぎるよっ。んー、本当はすっごくワクワクしてると思うな」

「どうだろうな」

「でも私は確かに知ってるもん! それが大事なんだよっ」


 俺が赤毛の姉妹の方を見ると、二人は肩をすくめた。


「彼女の言う通りよ、息子」

「大正解ね、ダイキ」


 俺はため息をついた。


「ああ、少しだけすごくワクワクしてる」

「それ、ダイくん、あんまり意味が分かんないよっ」

「意味なんて持たせたくなかったんだ」


 アメリアはとても賢い女の子だ。

 エルピダで最年少のお針子と見なされているだけのことはある。


 ---


 五時間後。

 きっかり十三時。


 昼食の後、俺は庭でアメリアと一緒にいた。


「えっとね、ダイくん。剣をこうやって持って……まるで針みたいに、しっかり狙うんだよねっ?」


 アメリア自身が、剣の訓練をしたいと自ら提案したのだ。


「動きを止めるために急所を打って終わりにするのが一番いい時もある。危険な状況なら、別の方法が最適だ。だが、一番いいのはそういう状況自体を避けることだ」


 アメリアは剣を持とうとしていたが、彼女には重かった。

 木でできているにもかかわらず、彼女は針や小さな物にしか慣れていない。


「んー、分かった。急所を攻撃するんだね。急所って何?」


 俺は木剣を持ち上げた。


 まず、彼女の肩を優しく触れた。

 次に、脇腹を指し示した。

 その後、片方の脚に狙いを定めた。


「肩を打てば腕を動かすのが難しくなる。脇腹はたいていかなり痛むし、脚を打てば走るのがさらに難しくなる。他にもあるが、見分けやすいのはそのあたりだ」


 俺は剣を下ろした。


「襲われた時に身を守れるようにするのが目的だ。状況が悪化したら、逃げるように試みるのが一番だ。ただ勇敢なだけでは逆効果になる。何かを守らなければならない時を除いては……いや、それでも逃げるべきだ」


 その言葉は、思っていた以上に俺自身を反映していた。


 アメリアは大げさに頷いた。


「よし。分かったなら、基本の動きをやってみよう。まずは構えだ」


 俺は自分の剣を使って、彼女の姿勢を直した。


「膝を曲げることが重要だ。硬直していると、逆に脆くなるだけだ」

「こ、こういう風に維持するのは……難しいよぉ」

「それが狙いだ。次は剣を頭の上か、できるだけ高く持ち上げてみてくれ」


 ---


 三十分後。


 アメリアは疲れ果て、木陰の下で早く呼吸しながらいた。

 彼女の横には木剣が投げられ、俺が提供した水を飲んでいた。


「あぁ……なんて、暑いんだ」


 その言葉のせいで、俺は冷風の魔法陣を作った。


「これで少しはマシになるはずだ」

「ホント、ダイくんってば最高だよっ」


 彼女はほとんどその魔法の上に身を投げた。


 アメリアはしっかりと休んだ。

 三十分間ずっと訓練していたわけではないが、彼女は粘り強さと規律を示した。

 胸の前に剣を高く構えたまま維持し、時には顔まで上げ、常に膝を曲げ続けていたのだ。


 よくあるような、膝が崩れるようなことはなかった。


「ねえ、ダイくん」


 アメリアは振り返り、俺を見つめながら寝転がったままだった。


「私、魔法も習いたいな。ゲオやダイくんみたいに上手じゃないのは分かってるけど……」

「けど?」

「私、魔法の方がより好きだと思うの。でも剣も同じく大事だから、迷ってるんだよっ」

「どんなことでも俺に言ってくれ。いいな?」

「うんっ、私がちゃんと言うねっ」


 ---


 六時間後。


 十九時三十分。


 訓練は続いていなかった。

 代わりに、マリアの小さな森を探検して過ごした。

 彼女が庭と呼び、小屋が建っているあの森だ。


 エルピダの隣にある大きな森とは違う。


「私、この森っていつも怖かったんだ。なんでか分かんないけど」

「動物がいるからじゃないか?」

「そうかも」


 枝の上をキツネザルのようなものが通り過ぎたが、その頭部は全く異なっていた。

 額に穴が開いているようで、黒い足に続いて、背中には蛇のような縞模様があった。


「私、動物は好きだけど、あれはすっごく不細工……というか哀れみを感じるっていうか、分かんないや」


 帽子を被ったカタツムリを飼っていながら、彼女はそう結論づけた。

 だが、俺は彼女を追及することはできなかった。


 ---


 二十一時三十分。


 時間だった。

 日食の到来が目前に迫っていた。


 兄とカリエが来たがらなかったため、アメリアは少し落ち込んでいた。

 だが、それについて俺にできることもあまりなかった。


 彼女はあっさりと諦め、夜が帳を下ろすまで午後ずっと俺と一緒にいた。

 今、俺たちは屋根に上ろうとしているところだった。


「アメリア、お友達はどうしたの? 誰も来たがらなかったの?」

「ううん、ルビーさん。みんな家族と一緒に残ったんだっ」

「お母さんは?」

「お母さんは具合が良くないの。頭が痛くて休んでるんだ。お医者さんは良くなるって言ってた。そうだといいなっ」

「そう。明日、お見舞いに行って手伝うわね」

「お母さん、それに感謝すると思うっ」


 ルビーがアメリアの頭を撫でると、彼女を少し笑わせながらも同時に苛立たせた。

 ルビーは愛情深いところもあるが、時折イタズラ好きにもなるので、彼女の髪を乱しすぎたのだ。

 アメリアがその手を払いのけようとするほどで、その状況に彼女はさらに笑い声をあげていた。


「それじゃあ、上で待ってるわね。ダイキは上り方を知ってるでしょ」


 そう言って、俺は地面にアメリアと二人きりで残った。


「忘れ物はないか、アメリア?」

「ないよっ。ダイくんは?」

「俺もない、もう全部持ってる」

「よしっ、じゃあ行こう!」


 歩き始めた時、何かが俺たちを引き止めた。


「待ってくれ! 俺たちを忘れないでくれ!」


 その声が俺たちに近づき、声の主は疲れ切った様子で膝に手を置いた。


「お兄ちゃん!? 来たんだねっ」


 それから彼女は彼の手に視線を向けた。


「カリエも連れてきてる!」


 彼女はすぐに自分のカタツムリを抱きかかえに行った。


「本当に来てくれたんだっ!」

「もっと早く来なくてごめん……その、少しイライラしてて……いや、いいんだ。大事なのは俺が今ここにいて、初めて高いところから目撃するってことだろ? マリアさんの宿には二階があるんだし」


 アメリアは頷いた。


「うんっ! ダイくん! 行く?」


 俺は頷いた。


 歩行が始まった時のことだ。


「ねえ、ダイくん。色んなこと知ってるよね。どうして今月は、私たちが見る日食と同じ名前なの?」

「まあ、名前を付ける時は、そのまま事実を取ることもあるからな。大日食の月だから、そう呼ばれるのは明らかだ。どうしてそんなことを?」

「じゃあ、全ての月もそういうそのままの意味に関係してるの?」


 カイロスさえも注意深く聞いていた。


「うーん、すべての月は月を基準にしているのに対して、日は太陽……つまり、光を基準にしているんだ」


 そして俺は彼女に説明し始めた。


 毎夜、十二時になると、月は少しだけ回転する。

 最終的に丸一周を終えた日が、丸一ヶ月が経過したことを意味する。

 二つの満月を観察することでも計算は可能だ。

 満月はそれぞれ、一ヶ月の半分を表している。


 この時点で、俺は何かおかしなことに気づくべきだったと思う。

 もし月が普通の月なら、それは筋が通らない。

 理論上、世界中が同時に真夜中になることなどあり得ないからだ。


 俺は、月が単なるこの世界の天体ではないと確信している。


 月がきっかり十二時に回転するからといって、世界中で新しい一日が始まったわけではない。

 それはつまり、ここが午前二時で、ゼレニアがまだ十二時だったとしても、月は回転するということだ。


 どういう仕組みになっているのかは確かではない。


「月はセレーネ、ノヴァルン、クレセリス、アルギラ、ルナイラ、ファセルン、メディレネ、フエルセル、ノウクター、アステルン、パルイーネ、そしてエクリプサだ」


 だが、アメリアはそれだけではとどまるつもりはなかった。


「日は知ってるよっ! ルクスフォス、アエルリオス、フォトルクス、ランブリッグ、ヘリオラ、イグニフォス、それにソルフォスだよねっ」

「ああ、その通りだ」

「すごく綺麗な名前だけど、あんまり使われないよねっ!」

「まあ、商業とかそういうのでよく使われるからな」

「うんっ、そうだねっ」


 俺たちは屋根に到着した。


「みんな! やっとね! こっちに来て見て!」


 俺たちは彼らの隣に座った。

 食べ物が用意されていた。


 俺はただ一つのことだけしか言えなかった。


「凄いな」


 日食が少しずつ形成されていく様子や、太陽が近づいていくのを見るのは、うまく言葉で説明できないものだった。


 奇妙だが、それを目の当たりにして独特な感覚を覚えた。

 まるで、初めてこの世界の一部になれたような気がしたのだ。

 この世界の新年という日常的な出来事を見ることが、俺にとってごく普通のことであるかのように。


 太陽が月の後ろに配置され、空を異様な金色に染め上げた。


「これ、ダイキ。北の人たちは私たちの後にそれを見るのよ」


 それは事実だった。

 ゼレニアでは十二時になるまでまだ二時間残っていることは明らかだ。

 魔法のような出来事だ。

 世界のあらゆる隅々で、きっかり十二時に起こる世界的なイベント。

 説明可能なものではなかった。


 説明可能である必要もなかった。


 そしてちょうどその瞬間、

 月と太陽が一つに重なり合った時、

 月が最後の一回転をし、一年の終わりを記録し、新たな一年の始まりを告げた。


 マリアとルビーはワイングラスを掲げ、俺に微笑みを向けた。


「新年おめでとう、ダイキ!」


 二人は同時にそう言った。


 その瞬間、俺は少し笑うのを避けられなかった。

 いつも通りほんのわずかなものだったが、それでもある種の形だった。


 俺は彼女たちの隣に座り、アメリアが俺の腕を失うことができるかのようにしがみつく中、

 あの日食をただ夢中で見つめ続けた。


 少しずつ、二つを結びつけていた繋がりが消えていった。

 太陽がゆっくりとした形で横にずれていった。

 まるで今の場所から望まない者のように、かすかに。


「みんな、新年おめでとう」


 ああ、これこそが俺の求めていたものだった。


「ねえダイキ、それって……え?」


 顔に傷のある一羽の鴉が、俺たちの前に到着した。


「王からの伝令! 王からの伝令! ついに天恵者『暁の目醒め』、ケイラン・カリエノスの固有の力が明かされました!」


 鴉は咳払いをした。


 鴉が咳払いをした?


「アントロポス王国全土へ!」


 今の声は、先ほどとは全く違っていた。

 鴉は片手を胸に当てた。


「アントロポスの住民たちよ。この新年に際し、私は祝福と最高の願いを送る。多くの者がこの瞬間を待ち望んでいた。息子のケイラン・カリエノス、天恵者『暁の目醒め』がどのような力を目醒めさせたのか、多くの者が好奇心を抱いていたことだろう。今日、私は皆の前でそれを明らかにすることができる。私の息子は固有の力を目醒めさせた。彼は『爆発』を生み出し、制御する能力を持っている。これは息子自身が選んだ名前であり、私が大砲の効果になぞらえたものだが、それよりも遥かに優れた力である」


 鴉は何かを紹介するかのように、片方の翼を広げた。


「また、彼はその爆発の規模を操作し、意のままに引き起こすことができる。この才能がどこまで至るのかは未だに私にも分からない。しかし、このまま発展させ続ければ、未来の脅威からアントロポスを守る大きな助けになると私は確信している。もちろん、彼自身が生み出す爆発には彼自身が耐性を持っている。私の鴉たちが至る所へ飛び立ち、この知らせを与えてくれることを私は願う」


 鴉は再び、手を胸に当てた。


「女神アテがあなたたちの家庭を祝福しますように。そして、この新しい年が皆に繁栄をもたらすことを」

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