第三十二話 【遠足】
時々、前世とこの新しい人生で自分がしてきたことについて考えることがある。
そして、それを深く分析したり、ただやり過ごしたりしていると、結局のところ自分が犯してきたであろう間違いに気づかされるのだ。
問題は、そうした思考のすぐ後に、理屈が追いついてくることだ。
だがその間、ほとんどの時間を占める空白の中で、どう感じればいいのか分からなくなる。
違う気持ちになるには、どうすればいい?
分からない。
それが怖い。
「ねえ、ダイキ、ちょっといいかしら」
「ああ、もちろん。どうしたの?」
言葉を発する前に、深呼吸をした。
「休暇中に、姉が来るの。どうしても会いたいみたいでね。昔から過保護な姉だったわ。今ではこっちの方が強くなったというのに、まだ心配しているのよ……でもまあ、あの人はそういう性質だから」
休暇まではあと八ヶ月ある。
そんなに早く……?
「まあ……それで気が休まるなら、いいんじゃないかな」
「ええ。そのために旅をしているのよ。母と父を亡くした時、姉はそれを乗り越えるためにあちこちを渡り歩くようになった。その間、村のお婆さんが夜に面倒を見てくれていたけど、姉に何か悪いことが起きるんじゃないかって、ただ泣くことしかできなかったわ」
深く息を吸い込み、言葉を続ける。
「姉のために何もできなかった。最近になって、私に息子がいることを知ったみたいでね。今まで黙っていたことに、驚きと怒りが入り混じっているみたい。おかしな話よね? 時々、あの人のことが全く理解できないと感じる時があるの。カラスが言うには、姉のエネルギーは強かったけれど、同時に怒りも明らかだったそうよ」
くそ。
ルビーが俺の正体に気づかないわけがない。
この新しい服、焦げ茶色の髪、そして頭の赤い痣があったとしても。
賢い女だ。
一年間も見てきたし、どんな話し方をするかも大体把握している。
なぜ来ようと思ったんだ?
あの場所にいればよかったのに。
……いや、それは身勝手な考えか。
だが、どうすればいいのか分からない。
「とにかく、何があってもそばにいてあげなよ。お姉さんのために」
「ええ、そうね」
---
残りの時間は、枝で木を叩くことに費やした。
マリアの庭ではなく、宿屋の正面にある何本かの木だ。
枝に内部魔力を込め、斧のように鋭利にする。
全く落ち着かなかったが、こうするしかなかった。
「君がダイキくんだよね?」
高い声に思わずビクッとした。
振り返ると、背中で手を組んだ同い年くらいの女の子が立っていた。
「マリアさんの息子だって聞いたけど、本当?」
「えっと、うん……」
その子は蜂蜜色の髪をしていた。
「アメリアだよ。よろしくね」
そして、年相応のオーバーな動作で腕を伸ばしてきた。
その手は泥だらけだったが、それでも握り返す。
「ダイキだ。もう知ってるだろうけど」
「うん、知ってる」
それから、振り返る。
「あの木の後ろに隠れてるのが、友達のエリス。たぶん君のことが好きみたい」
「ああ……」
待て。
ゲオのことが好きだったんじゃないのか?
なら、なんでそんなに恥ずかしがっているんだ?
「もしくは、ただ恥ずかしがってるだけ。どっちかだね」
アメリアが横目で見ながら言う。
それから、小さく口を尖らせてこちらを観察した。
「それで、ここで何をしてたの?」
「訓練だ」
「私も訓練してるよ!……まあ、ちょっとだけ。ううん、全然してないけど……でも、すごいんでしょ?」
手を見せる。
タコだらけだ。
「あー……あんまりすごそうには見えないね……」
「でも、結果はすごい。過程にはそれだけの価値がある」
「それでも、やっぱりすっごくすごいよ!」
正直なところ、言っている意味が分からなかった。
だが、それを口に出すことはできない。
そのエネルギーは、ヴァレリアを思い出させる……。
その時、枝を握り、全力を込めた。
太い幹に向かって振り下ろすと、樹皮を完全に貫通する直前でぴたりと止まる。
「うわぁ……すごい……! お父さんの斧みたいだけど、それ枝だよね!」
枝は手の中で粉々になった。
力を入れすぎた。
それに、そもそもなぜ叩いたのかも分からない。
衝動的だった……。
「ねえ、ダイキくん。私たちと一緒に遠足に行かない?」
突然、アメリアがよく分からない会話を放棄するように話題を変える。
返事を待ちながら、明るい笑顔でこちらを見つめていた。
言い訳させてもらうと、何と答えるのが正解なのか全く分からなかった。
だから、こういう時のいつもの対応をした。
「遠足? どこに行くんだ?」
「うーん……まだ決めてないの。ただ少し歩いて、いろいろ探検したいだけで。来る? お願いっ。誰か強い人が必要なの」
「うーん……まあ、いいよ。他には誰が行くんだ?」
「私! もちろん私ね! あとはエリス、エット、アンドレス、ララ、ソフィア、それにカイロス」
「なるほど」
「そんな難しい顔しないで、ただ一緒に来てよ!」
何か言い返す前に手を取られ、半ば引きずるようにしてみんなのところへ連れて行かれる。
茂みの裏に、全員が集まっていた。
「あ、よろしく。エットだよ。僕はどっちかっていうと本が好きなんだけど、ここには読むものがほとんどなくて」
「俺はアンドレス。剣が好きだ。あと、とにかく喧嘩がな! さっきの木を叩いたやつ、すげえ良かったぜ」
「私はララ。弓の方が好きかな。距離とか、計画を練ったりとか……そういうのが」
「私はソフィア。よろしくね。ご飯食べる? 私、食べるの大好きなの」
「よお」
最後の一人、カイロスはそれ以上何も言わなかった。
「よお」とは言ったものの、まともに自己紹介すらしない。
それに、機嫌が悪そうだった。
エリスに関しては、ようやく一歩前に出た。
「こうして近くで見るのは初めてだね、ダイキくん。遠くから見てた時はもっと屈強そうだと思ってたけど……でも、さっきの木のはすごかった」
声は落ち着いていて、どこか冷めているようにも聞こえたが、傲慢さは感じられない。
むしろ、常にすべてを分析しているような印象を受ける。
茶色の髪は綺麗に整えられていた。
言い換えれば、グループの中で一番真面目なタイプだ。
「お兄ちゃんのカイロスは、あんまり喋らないの」
アメリアが小さくため息をついてから続ける。
「親友のゲオくんがすぐに行っちゃって、友情を置いてけぼりにされたから怒ってるの。ゲオくんにとってはそれが一番良かったんだけどね」
「アメリア! 会ったばかりの奴にそんなこと言うなよ!」
アメリアは即座に頬を膨らませた。
「ダイキくんはよそ者じゃないよ! マリアさんの息子だもん! 話す時くらい、もう少し敬意を払いなさいよね! ちゃんと挨拶して」
「分かったよ……悪かった」
彼はこっちを向いた。
「自己紹介する。俺はカイロス。アメリアの兄で、この中で一番年上だ」
頷く。
「それじゃあ、さっそく行かない? 探検したいの」
「うん!」
全員がほぼ同時に叫んだ。
---
遠足というより、ちょっとした散歩は、大したものではなかった。
ここに来ることを承諾した時、自分が何を期待していたのか正直分からない。
もっとも、よくよく考えてみれば、他にやるべきこともなかったわけだが。
いずれにせよ、マリアの二羽目のカラスがいつもどこからか俺の後を追ってきているようだった。
もし迷子になったり何かあったりしても、きっと見つけてくれるだろう。
もちろん……そんな必要はないが。
「みんな、これ見て! 古い石像だよ!」
アメリアの声に、全員が近づいていった。
それはほとんど完全に破壊された石像だった。
体の大部分は砕け散り、かろうじて立っているのがやっとの状態で、美しさを留めているとは言い難いほど劣化している。
だが、一箇所だけ無傷な部分があった。
頭部だ。
色も形も、時の流れによる影響を受けていないように見えた。
「うわぁ……これ、誰だろう?」
「僕、知ってるよ」
エットがすぐに一歩前に出る。それを認識して興奮しているのは明らかだった。
「これはエフェリコだよ。預言者だ。エルメダリンと同じね」
言葉を続ける前に服を直し、少し偉ぶったように聞こえるよう努めている。
「精神が肉体よりも遥かに強力だったから、あまり長くは生きられなかったと言われているんだ」
「本ばかり読んでくれてありがとう、エット」
「えへへ」
エットは得意げに胸を張った。
「教会には読める本があるんだよ、知ってる? それに、聖典は重要だからね」
再び石像に目を向ける。
少し近づき、風化した石の一部に触れる。
エフェリコは俺と同じだ。
少なくとも、その一部は。
俺も頭の中で声が聞こえる。
時々、話しかけてくる。
時々、完全に消えてしまう。
それなら……俺はそれについてどう感じるべきなんだ?
俺にも、前世の精神がある。
「ダイキ? 行こう、まだ見る場所があるんだから」
アメリアの声で、思考から引き戻される。
「ああ、悪い」
「うーん、行こう」
---
次に探していた場所は、大樹だった。
古く、朽ち果て、すでに死んでいるのに、幾多の嵐を耐え抜いて今もなおそびえ立っている。
まるで、完全に消滅することを拒絶しているかのように。
命を失ってなお、その意志が大地にしがみついているかのように。
エルピダのもう一つの驚異。
「うわあ……本当に古いね。もう色もないのに……健康な木と同じくらいの力強さがある」
エリスが予想外に繊細な手つきで樹皮を撫で、指先で木材のひび割れをなぞる。
「素晴らしいわ」
全員がゆっくりとエットの方へ首を向けた。
まるで何を期待されているのか分かっているかのように、すぐに両手を上げる。
「分かった、分かったよ……うん、これについても読んだことがある。ヘンドラの木の一種だね。周りの環境がどれだけ変わろうとも、自然に倒れることはほとんどない木なんだ。切り倒すことすら極めて難しい。だから多くの人が神聖なものだと考えて、近くで祈りを捧げることが多いらしい……と、それだけだよ。他には何も知らないから。本当だよ……あっ、思い出した! 実をつけることもあるらしいよ」
全員が、それが当然であるかのように頷いた。
---
そして最後、今日の最終目的地。
それは……洞窟だった。
「洞窟? 本当に、アメリア?」
「うるさいな、アンドレス。ただの洞窟じゃないんだから」
エットがゆっくりと近づき、入り口周りの石を観察した。
「ここは、あの怪物が倒された場所……」
言い終わるか終わらないかのうちに、不器用に一歩後ずさりし、そのまま地面に尻餅をついた。
全員がアメリアを見た。
数回瞬きをしてから、肩をすくめる。
「何? ここにはもう何もないよ。それとも何……下に降りるのが怖いの?」
その言葉が決め手だった。
エットを除く全員が、ほとんど意地になって洞窟の中へと進み始めた。
彼らを止めたかった。
本当に止めたかったんだ。
だが、口を開いた時には、すでに中に入っていた。
ポケットの中を探り、小さなチョークを見つける。
まだ一つ持っていた。
「待てよ……光もないのに、下でどうやって物を見るつもりだ?」
全員がピタリと立ち止まった。
一秒にも満たない沈黙。
まるで、集団的な啓示が降ってきたかのように。
「本当だ……それって……え?」
その時、それは起きた。
洞窟の奥深くから、乾いた重い音が響いてきた。
何か金属的な音。
「今の音、何……?」
エットの顔から血の気が引いた。
「読んだことがある! これ、迷宮だ! 洞窟の下に迷宮が現れたんだ!」
突然、暗闇の中から一本の槍が飛んできた。
すべてが一瞬の出来事だった。
誰かを貫く直前でなんとか槍を掴み取り、渾身の力を込めて地面に突き刺す。
「逃げるぞ! 今すぐ! みんなに知らせないと!」
誰も反論しなかった。
ほとんど走るようにしてその場を離れる。
あんな下にいる何かと戦える可能性なんてない。
こんな状態では。
カラスが鋭い鳴き声を上げ、村へと飛んでいった。
...
数分間走り続け、ようやくエルピダの入り口を通り抜けると、近くにいた大人たちが騒ぎ始めた。
「アメリア! カイロス! どうしたの? なんでそんな姿で?」
「お母さん! お母さん! あそこに何かいて、それ、それが……」
「深呼吸して、アメリア。何があったの?」
「あそこ……あの下に……」
「落ち着いて。ゆっくり息をして」
アメリアは言葉を絞り出すのがやっとだった。
そこでカイロスが一歩前に出た。
「元の洞窟に迷宮が現れたんだ……マリアさんのカラスがもう知らせに行った」
母親の顔色が完全に変わる。
「何ですって!? そんなことあり得ないはず……もしかして……」
「違うよ、お母さん。中から槍が飛んできたんだ。ダイキがなんとか掴んでくれたけど、逃げるしかなかった」
母親はすぐにアメリアを強く抱きしめた。
「よくやったわ、私の愛しい子」
そして髪に顔を埋め、震える声で囁く。
「もしあなたを失っていたら……私、どうしていいか分からなかったわ」
マリアの宿屋から轟音が響いた。
一瞬のうちに、赤い残像が見えた。
「マリアさんが行く……」
---マリア視点---
カラスから事件の知らせを受けた時、すぐに行動を起こした。
おそらく早すぎたし、深く考えもしていなかったけれど、迷宮というのは早く止めなければ大きくなってしまう。
そして、もし現れたばかりなら、今ここで終わらせるのが最善だ。
洞窟の入り口の前に着地し、立ち止まることなくほとんどそのまま中に入った。
内部では、松明が自然に灯る。
「そうね……ここは迷宮だわ」
数秒間、周囲を見回す。
「どうしてよりによってこんな地下に……?」
カチッという音が聞こえた。
鼻のすぐ下を斧が通過し、間一髪で避ける。
それから力強く体をひねり、鎧を着た怪物を殴りつけ、鎧ごと完全に破壊する。
怪物は地面に倒れ、二度と動かなくなった。
「安らかに眠りなさい……」
怪物は、星の試練を乗り越えられなかった彷徨う魂だと言われている。
だから、もし倒すことができれば、おそらくもう一度チャンスを与えられるかもしれない。
奥から巨大な槍が風を切る音が聞こえた。
その方向へ向かって走り出す。罠を逸らし、時折壁から飛び出してくる丸太を蹴り飛ばしながら。
今の私にとって、罠などどうでもいい。
入り口のすぐ手前で立ち止まると、槍を投げるたびに背中から新しい槍が現れる男が見える。
待って、あの顔はよく知っている……。
お父さん……?
どうして、彷徨う魂になっているの……?




