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最終話

魔王を倒すのにかかる時間はどのくらいかかったのかゲームの中では出てこなかった。

でも、色々な出会いをしながらだから、実際には何年もかかったのかもしれない。だから、ロンが帰って来るのは当分先だろうと思っていた。思っていたんだけど…




「ミカ、灯り消すよ」

「ええ、ありがとう」


ロンが灯りを消して、ベッドに入ってくる。

窓からは2つの月が見える。月明かりがロンの美しい顔を照らしている。いつ見ても見飽きない顔。私はロンの顔や胸板を擦りながら話しかける。


「ねえロン、そろそろ子どもの名前を決めないとね」

「うーん、それが思い付かないんだ。もういっそ王様につけてもらおうか」


私のお腹には子どもがいる。日数的に考えてると、あの時の子だ。


驚く事に、ロンは旅立ってから数ヶ月程で魔王を倒して戻ってきた。どうやってそんなことが出来たのか聞いたが、俺は強いからという言葉以上の説明はなかった。


魔王を倒す程の勇者を取り囲みたい王により、ロンに第二夫人や愛人として、王族関係者との縁組みが持ち上がったが、ロンは全て断ってしまった。その代わりに、私とロンとの子どもを王族と縁組みする事で話がまとまっている。


私や子ども達が安全に暮らすには、王城で守られながら暮らすのが一番だとロンが言うので、王城の敷地に小さな家を建ててもらい暮らしている。そのうち、パパとママも王城に来て住んでもらう事になっているみたい。


ロンはと言うと、世界を救った有名人なので、各国の代表達の訪問を受けたり、名誉騎士団長として騎士団に稽古をつけにいったりしている。

ロンの実家は、勇者の実家ということで、訪ねて来る人が増え、母親に危害が及びそうな事もあったらしく、領主様がロンの母親を別宅で保護しているらしい。ロンによると、戻れる状態でないので、ずっと別宅に住むのだろうと。


「ねえ、ロン。旅の間どんな人達と出会ったの?思い出した事でいいから教えて?」

「うーん、沢山会ったのは会ったけど、早く帰る事ばかり考えてたから、あまり覚えてないんだ」


旅でどんな女性達と知りあって交流したのか聞きたいのに、いつも同じ答えだ。


「そんなことよりミカ、寝る前にホラ」


そう言ってロンが私に唇を付き出してきたので、寝る前の習慣になっている口づけを交わす。

ロンからは結局、逃げられなかったけど、私だって、ここまできたら今さらロンを手放したくない。そう思いながら、ロンの背中に手を回したのだった。



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