26ー① 閑話(王子様)
短くてすみません。
もし、今日中にもう一話投稿できたらー・・と思っています。
できなかったら、ごめんなさい。
すっかり元気になったアスランは、屋敷から出る許可が、ようやく医師から下りた。
屋敷の外に出る時には、もちろんミュゲが一緒である。
ミュゲは、自慢の町を案内したいと、ずっと、うずうずしていたのだ。
「こちらにどうぞ、アスラン殿下! ほら、この店にはたくさんの武器が用意されています。アスラン殿下のお気に入りの武器がここなら見つかるはずです」
外出許可が出て、ミュゲが一番先に案内したのが、・・ここ。
町一番の武器屋である。
店主はにっこりと微笑む。
「いらっしゃい、ミュゲ様。えーと・・こちらは噂のあの・・王子さまかい?」
「ええ、そうなの! 昨日やっと外に出ても良いってお医者様に言われて、この町のとっておきのお店を案内しているの」
「・・・」
なぜか、店主の妻がなんとも言えない顔をミュゲに向けている。
「ミュゲ様、こういった時はもっと雰囲気の良い場所をお連れするものだよ。例えばさ・・おばあの茶房とか」
「でも、おばあの店に言ったら1時間は説教をくらうもの・・それに王都の街のカフェと違ってお洒落じゃないし・・」
しゅんとするミュゲ。
アスランが即座に助け船をだした。
「この領地には身一つできてしまったから、新しい剣が欲しいと思っていたんだ。私にちょうど良い剣はないだろうか?」
爽やかに微笑むアスランに、店主もその妻も、そこにいた客も皆見惚れた。
「・・・。ま、任せといてくだせえ!! 王子様にぴったりの剣を用意しとくんで今週末また寄ってください」
店主を押し退けるように妻が割ってはいる。
「ええ、うちの店一番の剣を用意しておきますよ。絶対に、絶対にまたいらしてくださいね!! 王子様!」
「・・ありがとう。それと・・その『王子様』呼びはちょっと勘弁して欲しい。もう王子でもなんでもないので・・出来ればアスランと呼んで欲しいのだが・・」
店主の妻が首を横にブンブンと振る!振る!振る!
「何を言っているんですか!! 王子様ですよ!! この領地の男は図体ばかりでかくて、スマートさなんて皆無なんだ。その中で洗練された動きに優しい物言い。王子様が『王子様』じゃなきゃ誰が王子様なんだい!!」
アスランを拝もうと、いつの間にか武器屋に集まった、現在レディと旧レディの皆さんが、店主の妻の言うことに、熱心にうんうんと頷いている。
その圧力に困惑気味なアスラン。それを察してか、ミュゲが、妥協案を提案した。
「みんなの言うことはすっっっごくわかるわ。でも、本人が恥ずかしそうなので、心の中でだけ『王子様』と呼んで普段は『アスラン様』でお願い」
この通りと手を合わせて頼むと、レディの皆さんは一応の納得をしてくれたようだった。
それからは領地では『アスラン様』が主流となる。
だが、一部分の熱狂的なマダムが『王子様』と呼んでいたらしい。




