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花言葉

病室のベッドの上でオレは声を出す。

「えっと・・・」

話の内容が上手く飲み込めないまま言葉を投げかけた。

「犯人は悪魔で・・・ああ、ええと、吾妻の罪って何なんですか?」

「闇珠様には」

「アタシから言う」

途中から自身に代わって話していた隊長の言葉を遮ってクロさんが答える。

「アンジュには人の望みを叶える力・・・異能とでもいえばいいのか、オカルトに聞こえると思うがそういう能力がある」

「はあ・・・?」

まるで意味が分からず間の抜けた返事をしてしまう。

理解が追い付かないオレを見かねてか、隊長が助け舟を出してくれる。

「昨年に行われた闇珠様の誕生パーティで不可解なことがなかったか」

何かあった気がする。思い出したオレは言葉を返す。

「塀の上にいたアンジュが後ろにいましたね」

自分でもよく分からない言葉にクロさんが質問をする。

「お前はその時、何を望んだ?」

当時を思い返しオレは答える。

「望みとかは特に・・・。危ないから降りろ!って言った気がします」

聖母のような笑みを浮かべながらクロさんが言う。

「優しい男だな、お前は」

束の間の笑みだった。クロさんが言葉を続ける。

「だからアンジュは塀から降りた」

「望みを叶えた・・・ということでしょうか?」

沈鬱な面持ちをしたクロさんがコクリと頷き、絞るように声を出す。

「アタシはお前と違う」

ポツリポツリとクロさんが言葉を紡ぐ。

「誰もアンジュを望まなかった。それが吾妻と藪中の」

軽く首を振り、クロさんが言い直す。

「私の罪だ」

「それは違うんじゃないですか?」

素直に言葉が出てしまった。ナイーブな心を傷つけてしまうかもとも思ったが言葉が口から跳ね続いた。

「誕生会でアンジュは笑顔でしたよ。だったらそれも誰かの望みってことですよね」

「お前は本当に優しい男だな」

顔を背けるクロさんがそう告げた。

この人が藪中家に行かなかったのは隊長の望みだったと思う。クロさんに向ける隊長の目を見てオレはそう感じた。

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