第14話:海から迷子のお友達と『素敵なお宝』がやってきた!〜ワクワク海辺のDIYがスタートです〜その2
この作品は「零戦」さまの「戦国日本軍リメイク」および「戦国日本軍」の一部設定をお借りして執筆されています。
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戦国日本軍リメイク https://ncode.syosetu.com/n7441hl/
戦国日本軍 https://ncode.syosetu.com/n2674cj/
永禄三年(一五六〇年)七月二十三日
遠江国、相良衛戍地
三日後。
海軍の乗組員たちが相良の施設で十分な休養を取り、体力を回復させた頃合いを見計らい、私は民間技術陣のトップである結城所長と共に、再び偽装接岸施設を訪れていた。
「大佐殿! これで我々は、喉から手が出るほど欲しかった海上輸送力を手に入れました! これなら陸路の泥道に頼らずとも、海から一気に大量の物資を輸送することができます。我々の青写真が一気に現実味を帯びてきましたよ」
急遽設置した休憩や物資置きのための大天幕の下で、結城所長は丸眼鏡をギラギラと光らせて興奮気味に語った。
陸の人間である我々からすれば、七隻もの近代的な動力船が手に入ったことは、まさに天から降ってきた至れり尽くせりのボーナスに思えた。これで、沿岸部の掌握と資源の確保という次の戦略目標が、劇的に前倒しされる。
だが、海の過酷さと艦船の維持管理の現実を骨の髄まで知っている海堂中尉が、その熱狂に静かに冷水を浴びせた。
「大佐殿、結城所長。……水を差すようですが、喜んでおられる場合ではありません。船というものは、自動貨車のようにただ車庫に駐めておけばいつでも動くという代物ではないのです」
海堂中尉は、防波堤に係留された船団を指差して言った。
「船底には、ほんの数週間でフジツボや海藻が密生します。これを放置すれば水の抵抗で速力はガタ落ちし、木造はもちろん、木鋼交造であれ、いずれ船体はフナクイムシに食われて腐り落ちます。ただ海に浮かべておくだけで、船は刻一刻と死に近づいていくのです。適切な整備を行わなければ、この七隻は一年と持たずにただの鉄と木のゴミと化します」
「……!」
私はハッとして口をつぐんだ。結城所長も、興奮の熱を冷まして真剣な表情になる。
我々は「手に入れた船をどう使うか」ということばかりに気を取られ、「それを維持し続けるための過酷なインフラ」の現実を過小評価していた。
「海堂。俺は陸の人間で、海の設備については完全に素人だ。この七隻を長期にわたって運用し、維持し続けるためには、具体的に何が必要になる?」
海堂は少し考えてから口を開いた。
「まず第一に、乾船渠もしく船体を海から引き上げるための斜路が必須です。そこで定期的に船底の牡蠣落としを行い、タールなどの防汚塗料を塗布しなければなりません」
「幸いなことに相良港で放置された施設に100トン位用のスリップウェイがありました。放置されて2年弱ですが、それなりに補修は必要ですが、隣の整備工場は重くてすぐに移動できない工作機械や焼玉の動力源もそのままだったんで、改造漁船の2隻と運貨船3隻はここで何とかなります。まあ機関部は兵器廠や各部隊の整備班の協力が必要でしょうがね。」
「残りの船は、既存のスリップウェイを拡大するか新設するか、あるいは乾船渠を作るのか、この辺は、工兵隊や兵器廠、それと製油所の技術者とも相談しながら、決めなきゃいけませんな」
「さらに、重量物を積み下ろしするための大型クレーン施設、相良から燃油と真水を直接引き込むためのパイプラインもしくは大型タンク。そしてヂーゼルと焼玉の機関の補修拠点が必要です。あまりに重いんで、相良に運んでというのはちょっと難しいかと。ここも要相談です。」
「ただ、非常に残念なのですが、おそらく現在の我々では、あの一番大きな油槽船は長期的には維持できないかと考えます」
海堂は、海軍の士官として当然の知識なのだろう、一切の迷いなく必要な設備を列挙した。
「なるほど、よく分かった」
「指揮官権限で直ちに命じる」
私は頷き、彼に向かって明確に指示を下した。
「海堂中尉をこの海軍施設の責任者とし、工藤中尉の独立工兵中隊と真田君の兵器補給廠、製油所複合体の技術陣、各隊の整備班らのチカラを全面投入して、この偽装桟橋をベースとした本格的な海軍拠点を建設する。部隊連携については黒田少佐に相談して任せろ。資材と労働力については、元康の集めた農民たちを含め、必要なだけ回してやる」
「それとできれば、すべての船を維持できるように考えてもらえないか」
海堂の目に、一瞬の驚きと、そして確かな信頼の色が宿った。
昭和の軍隊であれば、これほどの大規模な工事を行うには、予算の折衝や縄張り争い、決裁のスタンプリレーで何ヶ月も揉めるのが常であった。それを一瞬の決断で通したからだ。
だが、この狂った世界で生き残り、新たな国家の礎を築くためには、官僚主義的な躊躇などしている暇はない。
「……了解いたしました。海堂中尉、ただちに新軍港の設計と作業の準備を開始します。この世界に流れついた、すべての船を救ってみせます」
海堂が、見事な敬礼を返した。
泥とコンクリートに塗れる、きっと過酷で希望に満ちた土木事業が、遠州灘の沿岸で幕を開けようとしていると感じた。
翌日の七月二十四日
「しかし大佐殿。海軍さんが持ち込んでくれた船団に、私の発想になかった、とんでもないお宝が混ざっていましたよ」
結城所長が、少し上気した様子で連隊本部にやってきた。
彼が分厚い眼鏡の奥の瞳を輝かせていたのは、十二糎砲を据えた鋼鉄の第二十三号艇や油槽船に対してではなく、三隻の特設運貨船に対してであった。
「大佐、船舶の主機関にはどういった種類があるかご存じですか?」
妙な事を聞いてくるなとは思ったが、私は素直に答えた。
「まず、ピストン式とタービン式の蒸気機関、米帝の戦艦が使っていた電気推進、それから勿論ガソリン機関と、潜水艦や小艦艇は今はヂーゼルとかかな?」
「はい、大佐。そのとおりです。我が国の海軍の艦艇や舟艇の動力源は、出力の大小はありますがそんなものです。実際、第23号艇や目白丸、第二永徳丸や第一海東丸はヂーゼルです。しかし、あの観洋丸をはじめとする機帆式の運貨船の心臓部は、そうではなかったのです」
結城は珍しく少し興奮した口調でつづけた。
「三隻とも出力の大小はありましたが、焼玉機関でした。それも、ウチの技師が少し見ただけではありますが、戦前に新潟鐵工所などで製造したかなり素性の良い機関部だそうです」
「……焼玉機関か」
私は、かつて大陸の河川で見かけたポンポン船の、独特の排気音を思い出して頷いた。ヂーゼルよりも一世代前の、熱した鉄球に燃料を吹き付けて爆発させる、昔からある熱球式内燃機関である。
「ええ。ヂーゼル機関は、特に最新鋭のものは、確かに燃費も出力も良いのですが、燃料を霧状に噴射する高精度の噴射喞筒を必要とします。将来、我々が持ち込んだ工作機械の精度が摩耗によって落ちてしまえば、ああいった精密部品の完全な複製や修理は極めて困難になるでしょう」
結城は、手元の図面を広げながら説明を続ける。
「ですが、構造が単純な構造の焼玉機関なら話は別です。そして何より、コイツには『燃料を選ばない』という強みがある。相良から産出される原油は軽質油中心ですが、他で採れる未精製の原油や質の悪い重質油、何なら農園で量産しているひまし油でも、こいつは文句を言わずに回ってくれます」
そこで結城は一度言葉を切り、自戒するように表情を引き締めた。
「とはいえ、百五十馬力もの大出力機関となれば、構造が単純といえども複製は決して容易ではありません。しかし、決して思い上がっているわけではないですが、我々の持つ工作機械と技術者と職人の腕があれば、困難であっても無理ではありません。早期に動力装置の生産を目指すなら、この選択ほど理にかなった代物は無いと考えます。」
「それにしても、焼玉機関ならあの廃漁村に残されていたポンポン船の漁船があったはずなのに、とった魚は食べてても、何でどうやって採っていたか、ここまで思い至れなかったのは悔しいですね」
私は、結城の言葉に確かな手応えを感じていた。
我々は今まで、手元にある「昭和の最新兵器」をいかに維持し、延命させるかに腐心していた。だが、それではいずれ限界が来る。本当に必要なのは、今ある工作機械が寿命を迎える前に、この世界の資材で持続可能な「実現可能な技術」の設計図を手に入れることだったのだ。
「あそこの引き上げ用の斜路の整備が出来次第、運貨船の一隻から機関を取り外し、完全に分解・解析する予定です。構造を把握し、自力で焼玉機関を複製する工程を立ち上げます。最初は小さな物から始めます。それが終わり次第、今の斜路の隣に同じものをもう一か所建設するように海堂中尉にはお話しています。そして、出来れば簡易なものでよいので乾船渠を来年中には完成させたいと、発破をかけています」
結城は続ける。
「これと、兵器廠の方々と協力して汎用性の高い外燃機関―石炭を熱源とする往復動蒸気機関の開発も進めていますが、焼玉と蒸気。この二本柱が、我が国の動力を支えることになるでしょう」
「解析するのは、機関だけではないだろう?」
私が問うと、結城は深く頷いた。
「もちろんです。船舶というものは、その構造については我々は全くのド素人ですから、まずは大急ぎでそれを学んでいきます」
「それにフネってやつは、それ自体が総合的な機械工作物の集合体ですからね。船尾管の防水構造、推進器の翼面形状、操舵装置の伝達機構。さらには捲揚機や磁気羅針盤、照明器具といった細かな艤装品に至るまで、あの船団にはこれからの造船の確かな雛形がすべて揃っています」
「純粋な木造船、木材と鋼鉄を組み合わせた木鋼交造船、そして鋼製船。これらを一つずつ構造の隅々まで調べて、我々ができることを増やしていきます。あとは人手ですね」
戦国時代の船大工の技術を吸収しつつ、我々の工作機械と量産型の機関を組み合わせれば、外洋航行に耐えうる鋼鉄の艦隊さえ夢ではない。あとは人手か……
順調すぎる。まるで、あの悪趣味な邪神が、我々に「もっと派手に世界を引っかき回せ」と、わざわざ便利な道具を揃えて与えてくれているような気すらしてくる。……癪に障るが、今はその誘いに乗るしかないだろう。
その日の夕刻。
私は結城所長と共に、茜色に染まる軍港建設予定地に立っていた。
潮騒の音に混じって、金属を叩く音や男たちの怒鳴り声が聞こえてくる。
波止場では、海軍の乗組員たちが、係留された船の上でできる範囲の整備を進めていた。潮風で錆びついた捲揚機を手際よく分解し、油を差して組み直す。その無駄のない、しかし力強い手つきを見て、私は改めて考えを確かにした。
彼らは、根っからの軍人ではない。
長年、波に揺られる過酷な民間船の上で機械と格闘し、時に死線を越えてきた、海の職人たちなのだ。
軍隊という組織は、そうした各々の職業の専門家たちを徴兵し、すべて同じ「兵隊」という鋳型にはめ込んで、命令通りに動く効率の良い殺人機械に変えてしまう。
だが、あの一人ひとりの中には、私や結城所長、あるいは陸軍大学校を出たエリート将校たちが逆立ちしても持ち得ない、実社会の様々な経験や、泥にまみれた実学の知識が眠っているのだ。彼らが軍服を脱ぎ、本来の姿に戻った時、それは兵器よりも強力な文明の力となる。そう。それは海軍さん達だけではない。
「結城さん。守備隊には五千人弱の将兵がいる。君のところと衛戍病院を合わせれば五千二百人以上だ。だが、私は今まで彼らを、ただ銃を撃つ兵隊としか見ていなかった」
私は、胸ポケットから手帳を取り出し、短い指示を書き込んだ。
「全将校に指示を出す」
「と、言いますと?」
「兵卒・下士官を問わず、我が部隊全員の『軍隊に入る前の、娑婆での職業』を調査させる。農家、漁師、大工、土方、旋盤工、鍛冶屋、教師、会計士……船大工もいるかもしれん。彼らは皆、軍という鋳型にはめられる前は、それぞれ形の違う、社会を支える何らかの人々であったはずだ」
結城所長は、私の意図を即座に理解したようだった。
「彼らは全員が、この時代では得られない近代教育を受けて法律と機械の社会に生きてきた人材ですからね。新しい国を創るための、得難い力になります」
「そういうことだ。適性のある者には銃を置かせ、金槌と計算尺を持たせる。彼らの技術と知識を、それぞれの持ち場で存分に振るってもらう。それが、この時代に根を下ろすための最善の手だ」
旧世界を武力で解体することは、我々が持ち込んだ圧倒的な兵器があれば容易い。だが、その焼け野原に新しい国を建て、維持し、自走させるためには、彼ら一人ひとりの血の通った経験と技術が不可欠なのだ。
軍の論理に塗り潰されていた五千人の過去の人生を洗い出し、この時代に根を下ろさせるための地道な作業が、今始まろうとしていた。
第14話了
【転移船舶スペック等】
①掃海特務艇第1号型:第23号艇
建造: 昭和18年(1943年)冬 / 大阪府・名村造船所にて竣工
排水量基準:215トン 満載:295トン
全長 / 全幅 / 深さ: 33.0m / 5.9m / 2.95m
船体材質: 鋼製
主機関:赤坂式ディーゼル機関 1基 (単動4サイクル無気噴油式)
出力:300馬力 速力:9.5ノット
航続距離:1,500海里 / 9.5ノット
燃料:重油 10トン
乗組員:計画乗員43名 実乗組は39名
兵装:短十二糎砲1門・留式7.7mm機銃1挺・九六式二十五粍機銃単装4挺
三式投射機1基(二式爆雷12個) 搭載艇:6m通船2隻
対潜装具:K型水中聴音機 1組・大掃海具2型 2個・小掃海具一型改 2個・水中処分具一型 1個
特徴:
第1号艇型の史実では存在しない23番艇(最終艇)
武装を五年式短8cm高角砲から商船用の短十二糎砲1門に変更。
後部の爆雷投下軌道2本を三式投射機(旋回型)に変更。投射距離約95m
若い中尉が艇長で、サブ格のベテラン兵曹長以下、若手下士官5名と若い一等、二等水兵たちで構成。ただし就役から1年半以上経っているため、練度はそこそこのものです。艇長は中尉だが、相良の海軍陸戦隊の海堂中尉の方が先任。兵曹長が最年長で33歳、中尉は24歳。皆んな若いです。
②特設監視艇:第二永徳丸
前歴: 遠洋マグロ延縄漁船
建造: 昭和14年(1939年)秋 / 神奈川県・三崎港の造船所にて竣工
総トン数: 112トン 全長 / 全幅 / 深さ: 30.2m / 5.8m / 2.8m
船体材質: 木造(分厚いヒノキ・マツ材)
主機関: 船舶用4サイクル・ディーゼルエンジン(6気筒)
出力: 240馬力 速力: 9ノット
航続距離:約 4,400海里 (8,200km)/ 巡航9ノット
燃料:25トン
乗組員: 18名(船長、機関長、機関員、通信士、甲板員、機銃手、など)
兵装:留式7.7ミリ単装機銃を船首に1丁
特徴:2本の長いマストの間に通報用の長大な無線アンテナ線・無線機。伝馬船を1隻後部甲板に固縛して搭載。
③特設駆潜艇:第一海東丸
前歴: 遠洋カツオ一本釣り漁船
建造: 昭和13年(1938年)春 / 静岡県・焼津の造船所にて竣工
総トン数: 105トン 全長 / 全幅 / 深さ: 30.5m / 5.5m / 2.6m
船体材質: 木鋼交造
主機関: 船舶用4サイクル・ディーゼルエンジン(6気筒)
出力: 295馬力 速力: 13.5ノット
航続距離:約 3,200海里(6,000km) / 巡航11ノット
燃料:18トン
乗組員: 38名(船長、機関長+甲板員4、通信士、砲術士、甲板員や兵器操作等30名)
兵装: 四〇口径三年式八糎高角砲1門、三式投射機1基(二式爆雷10個)、機銃2
特徴:氷蔵庫を弾薬庫や特設の兵員居住区に転用。転移した船舶の中では最高速船。軍の6mカッター1隻ををブリッジ前に固縛して搭載。
④特設運貨船: 観洋丸
前歴: 小笠原諸島や南洋群島への生活物資・郵便・人員などの貨客輸送
船種: 2檣ガフスクーナー型機帆船
建造: 昭和14年(1939年) / 静岡県・清水港の造船所にて竣工
総トン数: 220トン / 貨物積載量:約120トン
全長 / 全幅 / 深さ: 34.5m / 7.5m / 4.0m(外洋航行の為、乾舷が高く船底が深い)
船体材質: 木鋼交造
主機関: 高出力焼玉機関(縦型3気筒)
出力:180馬力 燃料:25トン
速力:機走7.5ノット 帆走併用:11ノット(順風帆走時)
航続距離: 機走:約 2,500海里(4,600km) / 巡航7.5ノット
帆走併用:4,000海里(7,300km)以上
乗員:14名(船長、航海士、通信士、機関長+機関員3、甲板長+甲板員5、司厨長)
他:個室船室(旧一等船室)×2、大部屋(旧三等船室)×1、ゲスト用の食堂と風呂と便所あり。
特徴:まだ資材が欠乏する前に予算もしっかり取って作られ、かなり堅牢かつ、船として贅沢な(華美と言う意味ではありません。作りや装備がという意味です)作りになっています。片舷に手漕ぎカッター、もう片舷に8馬力の焼玉内火艇をダビッドに搭載しています。また相応の客室があります。船体には全く漏水がなく、居住空間が快適で、メシが飛び抜けて美味い
⑤特設運貨船: 第三天祐丸
前歴:紀伊半島の木材を京浜工業地帯へ運搬。一部外洋もあるが、基本は沿岸輸送。
船種: 2檣スクーナー型 木造機帆船
建造: 昭和17年(1942年)秋 / 和歌山県・紀伊水道沿いの造船所にて建造。
総トン数: 84トン / 貨物積載量:約110トン
全長 / 全幅 / 深さ: 23.5m / 5.2m / 2.5m
(遠州灘などの外洋航行に耐える喫水の深さと船体強度あり)
主機関: 焼玉機関(縦型2気筒) 出力: 85馬力 燃料タンク容量: 3.8トン
速力:機走5.5ノット 8ノット(順風帆走時)
航続距離: 機走のみ:約 850海里(1,500km) / 巡航5.5ノット
帆走併用:1,500海里(2,700km)以上
乗組員: 10名(船長、機関長、機関員、甲板長、甲板員6名)
特徴:実用性一辺倒で装飾の一切ない無骨な仕上がり。使い出の良い船だったため、ドック修理する暇も与えられず休む暇なく酷使され、船体に常に漏水がある。船底の溜水をポンプで汲み出し続けながら走っています。船体は傷もたくさん付いていますが、現場の補修で何とかやっています。船の構造自体は船齢も若いし、しっかり作られているので、まだまだしっかりしています。
⑥特設運貨船:第七大黒丸
前歴: 四国〜阪神間を結ぶ近距離・小口輸送。
船種: 1檣カッター型 木造機帆船
建造: 昭和16年(1941年)夏 / 徳島県・小松島の小さな造船所にて建造。
総トン数: 48トン / 貨物積載量:約60トン
全長 / 全幅 / 深さ: 18.5m / 4.2m / 1.8m
(浅喫水で小さな川や、干潮時の干潟ギリギリまで入り込める)
主機関: 焼玉機関(2気筒・縦型)
出力: 36馬力 燃料タンク容量1.2トン
速力: エンジンのみ:約 4〜5ノット 順風帆走時:約 6〜7ノット
航続距離: 機走のみ:約 500海里(900km) / 巡航4.5ノット
帆走併用:1,000海里(1,800km)以上
乗組員: 5名(船長、機関長、甲板員3名)
特徴:沿岸を北上して、高知県から浜松港まで行ったこともあります。瀬取り・ケッジング用の伝馬船を太鞆から曳航しています。
⑦油槽船:目白丸
船種/形式:鋼製油槽船/2TM型戦時標準油槽船
建造: 昭和19年(1944年)夏 / 広島県・呉にて竣工
総トン数:1,080トン 載貨重量トン(運べる油の量): 約 1,600トン
全長 / 全幅 / 深さ:68.2m / 10.8m / 5.3m(満載喫水:約 4.6m)
主機関:中速ディーゼル機関1基(4サイクル直列6気筒)
燃油搭載量:約 80トン(機関室前方の独立バンカータンク)
出力:820馬力
速力:10.5ノット
航続距離:4,000海里(7,200km)
乗組員:55名
・運航:25名:船長、一等・二等航海士、機関長 + 機関員×7、ポンプ長& 操泵手×3名、甲板長& 甲板員×9、通信長・通信士・司厨員
・陸軍船舶砲兵:30名
分隊長 (曹長)+砲兵分隊員29名
兵装:(特設警戒装備・兵器は全て海軍より貸与)
・短十二糎砲1門・四〇口径三年式八糎高角砲1門・九六式二十五粍機銃単装4挺
・ 磁気探知防止用消磁電路: 消磁用に船体の周囲を囲うた電気ケーブル。
特徴:船首楼と船尾楼を持ち、安定性重視のずんぐりとした船型で、短い全長と喫水が5m未満に収まるため、大型艦が入れない水深の浅い前線の泊地や、急造の桟橋にも直接横付けして給油が可能。民間船ながら、油漏れ防止と浮力維持のためにタンク部は二重底構造を採用。備砲は前後の楼に装備、機銃は艦橋の前後の甲板に取付。
・船団の防空中核船として、対空兵装を増し増しで装備。操作人員のための居住区を上甲板に増設。
・船橋の50口径弾痕: 米軍機のブローニングM2重機関銃によるもの。鋼鉄製の防弾板(マントレットや砂袋)によって貫通は免れたものの、操舵室の木製建具には当時の生々しい傷跡が残っている。




