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元ホストの俺、乙女ゲームの王太子に転生。婚約者(悪役令嬢)だけは絶対に守ります  作者: ふうこ0701
第6章 聖女の覚悟と涙

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(番外編)甘い誘惑の先①

「ねえ、退屈。どっか、遊びに行かない?」


セレナの一言で、この日は始まった。


貴族の令嬢なんて、箱入り娘で、中々自由に外を出歩けない。

出歩けてもいつもお供が一緒で、気楽に遊ぶということができないのだ。


「何言っているの?セレナ?」


リリアがセレナを見る。


「えっ、だって、こうしてお茶会も飽きちゃったんだもん。」


セレナはごねる。


エレノアとヴィオレッタは顔を見合わせ、苦笑いする。


「よおし、決めた。私、街へ遊びにいく。」


セレナは言い出した。


「セレナ、やめなさい。外は危険だわ。」


エレノアは止めた。


リリアは少し考えてから、


「でも、面白いかも。」


とセレナに賛同する。


エレノアは、


「リリアまで。」


と呆れたが、


「じゃあ、エレノアはお留守番ね。」


とセレナに言われ、


「まあ、少しだけなら、いいかもしれません。」


と、結局は好奇心に負け、賛同した。


ヴィオレッタも行きたがったが、流石に妊婦を連れていくわけにもいかず、

渋々、お留守番となった。


こうして、セレナを筆頭に、リリア、エレノアの三人で街に繰り出す。


しかし、世間知らずなご令嬢三人。

すぐにトラブルに巻き込まれた。


美味しいケーキのお店があると誘い出され、まんまと罠にはまる。


魔法で撃退しようとするが、魔法封じの魔道具により魔法が使えない。


あっという間に、囚われの身となってしまった。


「ねえ、どうしよう、セレナ。」


不安を隠せないリリア。


「落ち着きなさい、リリア。」


エレノアはリリアを諌めるが、エレノアも恐怖で震えている。


「父上、身代金払ってくれるかな。」


セレナは現実的なことを考えていた。


「私は、こんなことで、殿下を煩わせるわけにはいきません。」


エレノアは言う。


「でも、どうするのよ?」


リリアはエレノアを睨んだ。


エレノアにも、答えることはできなかった。


そして、男が、


「ついたぞ、降りろ。」


と乱暴にセレナたちを降ろす。


「上玉だな、売る前にちょっと味見しようか?」


男が気持ち悪い笑みを浮かべる。


エレノアは、ぞっと寒気がした。


この男の慰み者になるくらいなら、死んだ方がましだった。


リリアも真っ青になって震えている。

セレナも、流石に大人しくなっていた。


「おい、やめておけ。傷ものにしたら、値が下がる。」


そう言って、その男の親分らしき男が止めた。


「へい、わかりやしたよ、兄貴。」


とりあえず、三人は助かった。


三人は、ほっと胸を撫で下ろした。


男たちの目的ははっきりした。


身代金狙いの誘拐ではなく、セレナ達を売り飛ばしてしまうつもりらしい。


それはそれで、身の毛が震えた。


売られる先が、娼館なのか、それとも金持ちの変態ジジイなのか、

最悪の場合は、外国も考えられる。


そして結果は一つ。

慰み者にされるのだ。


リリアは、その未来が絶望すぎて泣き出した。


エレノアも、ぎゅっと唇を噛み締めて震えていた。


そんな二人を、セレナは、


「きっと、大丈夫、何とかなる。」


と勇気づける。


だが、セレナにも、このピンチを打破する方法はなかった。

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