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元ホストの俺、乙女ゲームの王太子に転生。婚約者(悪役令嬢)だけは絶対に守ります  作者: ふうこ0701
第6章 聖女の覚悟と涙

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第82話 聖女の涙

レオニスが去った後、リリアはただ立ち尽くしていた。


何かを感じ取ったセレナが、リリアの部屋へやってきた。


「リリア?」


セレナを見た途端、リリアは子供のように声をあげて泣き出した。


セレナは、黙ってリリアの背中をさする。


「がんばったね。」


とセレナはリリアに声をかけた。


リリアは一通り泣いた後、落ち着いた。


そして、セレナにありのままを話した。


話しているうちに、少しだけ心が軽くなった気がする。


セレナは、リリアの話を聞いて、目を丸くした。


「リリア、あんたそんな大胆なことしたの?」


「だって、セレナが言ったんじゃない?」


と驚くセレナに、リリアは噛みついた。


「言ったけどさ、まさか本当にやるとは思わなかった。」


セレナはため息をついた。


「しかし、あれだね、レオニス。

やっぱりあの男ずるいわ。

何が、“愛されないと知っていて、抱かれるほど安い女じゃないだろ”だよね。

こんなセリフ、イケメンじゃなきゃ、殴りたくなるわ。」


リリアはセレナの言い草に、くすりと笑った。


そして、セレナはおもむろにハサミを取り出した。


「なんで、ハサミ?」


「だって、失恋って言ったら、やっぱり髪を切ることでしょ?

私、カットするの自信あるから、任せて。

私も付き合うし。」


そう言って、容赦なくリリアの髪を切り出した。


胸の痛みは変わらない。


それでも、髪を切られるごとに、少しずつ心が軽くなっていく。


そんな気がした。


リリアは鏡を見た。


そこには、肩までばっさりと切られたセミロングの自分が映っていた。


セレナは、


「よし、似合ってる。」


とVサインをした。


そして次は、鏡を見ながら自分の髪を切り始める。


「なんで、セレナも切るの?」


リリアは不思議そうな顔をする。


「だから、付き合うって言ったでしょ?」


セレナの言い分に、リリアはまた笑った。




一方で、レオニスはリリアの部屋を出た後、


少しやりすぎたか、と反省していた。


ただ、リリアの真剣さだけは伝わってきて、


中途半端な答えはしてはならないと考えていた。


中途半端に優しくすれば、逆に傷つけてしまう、


そう思ったのだ。


そして、なぜか無性にエレノアに会いたくなった。


昼に一度会ったばかりだというのに、


こんなにも恋しくなる自分に、我ながら呆れる。


夜も遅い。


エレノアは、もう眠っているかもしれない。


それでも、あの愛らしい寝顔だけでも見たい。


そう思い、レオニスはエレノアの部屋へ向かった。


エレノアは、ちょうど寝る準備に取り掛かるところだったらしい。


「殿下?どうしましたか?こんな夜分遅くに。」


そう言って、エレノアは俺を出迎えてくれた。


「君が無性に恋しくなって、来てしまったんだ。」


そう言い終えるより、先にレオニスはエレノアを抱きしめていた

そう言って、レオニスはエレノアを抱きしめた。

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