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元ホストの俺、乙女ゲームの王太子に転生。婚約者(悪役令嬢)だけは絶対に守ります  作者: ふうこ0701
第6章 聖女の覚悟と涙

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第80話 聖女の決意

俺は、エレノアを見舞っていた。


儚げなエレノアの姿を見ていると、クラリッサへの怒りは、ますます強くなっていく。


「殿下?」


俺が険しい顔をしていたのだろう。

エレノアは不安げに俺を見た。


「何でもない、エレノア。」


俺はそう言って、微笑む。


エレノアに、王妃に会ったこと、

そして王妃が8妃のことを善処してくれると言ったことを伝えた。


エレノアは瞳を伏せ、しばし考え込む。


「エレノア、私は思う。8妃が穏やかに暮らすためには、

後宮を離れた方が良いと。」


エレノアは、


「そうかもしれませんね。」


とだけ答えた。


その瞳は、少しだけ安堵しているように見えた。

それが俺には嬉しかった。


同時に、クラリッサだけは排除しなければならない。


そう思わずにはいられなかった。





リリアは相変わらず、セレナとお茶をしていた。


リリアは、セレナとの他愛のない時間が好きだった。


これまでのリリアは、男受けは良かったが、女からは嫌われていた。

リリア自身も、男に好かれていれば女友達はいらないと思っていた。


だから常に、男に好かれるよう振る舞ってきた。


その結果、聖女として迎え入れられた時も、

国王や宰相といった重鎮にも気に入られた。


常に聖女らしく、愛らしく、可憐に。

それが彼らの求める聖女像だった。


リリアも、その理想に応えようと努力してきた。


だが、セレナは違った。


初対面でリリアを見るなり、


「レオニスには何してもいいけど、

カイル様には近づかないで。」


と、意味のわからないことを言ってきた。


さらに、リリアが聖女らしく振る舞うと、


「聖女ぶりっ子、キモい。」


と平然と言い放つ。


最初は疎ましく思った。


だがセレナは、


「リリア、あんたはあんたらしくしてたらいい。」


と、ありのままを受け入れてくれた。


リリアにとって初めての、

女友達、親友と呼べる存在だった。


リリアは、セレナに問いかける。


「私、レオニスに告白しようと思う。」


セレナは目を輝かせて、


「うん、それがいいと思う。

不毛な恋なんて早く忘れて、次は幸せな恋をしよう。」


と言う。


「なんかもう、それって失恋決定みたいじゃないの?」


リリアは睨むが、


「だって、失恋決定なんだもん。」


セレナはきっぱりと言い切る。


「でも、あたって砕けた後はちゃんと骨は拾ってやるし、

胸は貸すから。」


セレナは優しく微笑んだ。


「わかった、その時は頼むね、セレナ。」


ある夜、リリアはレオニスの帰りを待っていた。


このところ、レオニスは公務に追われ、帰りが遅い。

だが、今を逃せば、せっかく決めた覚悟が鈍ってしまう。


胸が高鳴り、痛いほどだった。


そこへ、レオニスが帰ってくる。


「リリア、まだ起きていたのか?」


「うん、レオニスを待っていたの。」


リリアはそう告げた。


「どうしたんだ?何か用か?」


レオニスはリリアを見る。


「ねえ、レオニス、ここじゃ話せないから、

私の部屋に来て。」


リリアは、レオニスを自室へと誘った。

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