(番外編)私のどこが好き?
シルバー企画第一弾です
「ねえ、カイル様。私のどこが好き?」
唐突にセレナがカイルへ問いかけた。
「…………」
カイルは言葉に詰まり、しばし考え込む。
その様子を見て、セレナは頬をふくらませた。
「考えないとわからないわけ? カイル様のばか」
そう言うと、ぷいっとその場を離れてしまう。
そしてセレナは、今度は別の相手に矛先を向けた。
たまたま居合わせていたレオンハルトだ。
「ねえ、レオンハルト様」
「なんだ?」
レオンハルトは面倒そうにセレナを見る。
「ヴィオレッタのどこが好き? どこに一番惹かれてるの?」
「あ? なんでお前に言わなきゃいけねぇんだ」
レオンハルトは露骨に眉をひそめた。
するとアルベルトが静かに口を挟む。
「一つ忠告しておきますが、こうなったセレナは答えるまで引き下がりませんよ」
「……面倒くせぇな」
レオンハルトはため息をつき、渋々答えた。
「顔と体だ」
「はいアウト。絶対ヴィオレッタに怒られるやつ」
セレナは即座に切り捨てるように言った。
次に標的となったのはルシアンだった。
「ねえ、ルシアン。リリアのどこが好きなの?」
突然の問いに、ルシアンは一気に顔を真っ赤にする。
「わ、わたしは……リリアを……」
あたふたするルシアンを見て、セレナは肩をすくめる。
「もうバレバレなんだから、ちゃんと答えなさいよ」
ルシアンは少しだけ間を置き、ぽつりと答えた。
「……可愛いところと、一生懸命なところ、だと思います」
セレナは満足そうに頷き、ルシアンの肩を軽く叩いた。
「よくできました」
そして最後に残ったのは、レオニスだった。
「ねえ、レオニス。あんた、エレノアのどこが好きなの?」
「私はエレノアのすべてが好きだ」
レオニスは即答する。
「はい出た全部。そういうの一番ずるいから。ちゃんと具体的に言いなさいよ」
セレナが突っ込むと、レオニスは一瞬エレノアを見た。
そして、静かに口を開く。
「……その青く澄んだ瞳が好きだ。プラチナブロンドの髪も、可愛い鼻も、形の良い唇も――」
そこから先は止まらなかった。
一つひとつ、淡々と、そして真剣に。
聞いている方が恥ずかしくなるほど、詳細に語り続ける。
「……もういい、もういいから!」
セレナは顔を真っ赤にして止めに入るが、レオニスは一切やめる気配がない。
「ああもう、甘すぎて耳が溶けるかと思ったわ……」
セレナは深いため息をついた。
その様子を見て、カイルがふっと笑う。
そして、不意に言った。
「私は、セレナの明るくて元気なところが好きですよ」
「……っ、カイル様、それ不意打ちだから!」
セレナは顔を真っ赤にして叫んだ。




