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元ホストの俺、乙女ゲームの王太子に転生。婚約者(悪役令嬢)だけは絶対に守ります  作者: ふうこ0701
第5章 漆黒の王子と二つの懐妊

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第65話 強引な求婚

騒動が一息つき、俺はレオンハルトの元へ向かった。


レオンハルトは、何故か椅子に縛られ、口を塞がれていた。


衛兵の一人が、


「レオンハルト殿下は暴れ回り、暴言を吐き、周囲に危害が出るため、無礼とは思いましたが、仕方なくこのように。」


と申し訳なさそうに言う。


俺は、


「まるで猛獣だな。」


と呟いた。


そして、カイルに命じる。


「離してやれ。」


カイルは命じられるまま、レオンハルトの縄を解いた。


レオンハルトはすぐに、


「レオニス、てめーよくも。」


と殴りかかろうとする。


カイルがそれを止めた。


「レオンハルト殿下、落ち着いてください。」


俺は言う。


「落ち着け、レオンハルト。私はお前に話がある。」


レオンハルトは、ひとまず俺の話に耳を傾けた。


「話とは、ヴィオレッタ嬢のことだ。」


「ヴィオレッタは俺の女だ。」


即答だった。


俺は苦笑する。


「それはわかっている。実はな、ヴィオレッタ嬢が妊娠した。」


「何ー貴様ー。」


レオンハルトは再び殴りかかろうとする。


俺は冷静に言った。


「私の子ではない。私はヴィオレッタ嬢に指一本触れていないからな。」


レオンハルトは一瞬考え込み、


「ヴィオレッタはそんな女じゃないし、そもそも俺以外には心は開かねー。」


と言って、拳を下ろした。


「で、お前はどうする?」


「そりゃあ、結婚してヴィオレッタを幸せにするに決まってんだろ。」


即答だった。


俺は続けて問う。


「お前、あの晩餐会でどうするつもりだったんだ?」


「ああ、あの後か。そりゃあ、ヴィオレッタをかっ攫って逃げる。」


「そうか、それは中々ロマンチックだな。だが、あの衛兵の中でか?」


「大丈夫だ、あんなもん。俺の闇魔法で目隠しすればなんとかなる。」


レオンハルトは自信満々だった。


「外交問題は?」


「知るか、そんなの。国王がなんとかすりゃあいいんだよ。」


「だが、ヴィオレッタ嬢をさらったとして、その後の生活はどうするつもりだったんだ?」


「そりゃあ、ヴィオレッタのためなら、盗賊でも盗人でも何でもなってやる。」


全部犯罪だ。


こいつには理屈が通じない。


俺はそう思った。


レオンハルトと一通り話をした後、ヴィオレッタと対面させることにした。


レオンハルトは駆け寄り、第一声を放つ。


「でかした、ヴィオレッタ。」


本気で、自分の子供ができたことを喜んでいた。


その瞳も笑顔も、優しさに満ちている。


ヴィオレッタは言う。


「何を仰っているんです、レオンハルト様。この子はレオンハルト様のお子ではありません。」


レオンハルトは再び俺を睨む。


「レオニス、やっぱり――」


言い終わる前に、ヴィオレッタが遮る。


「違います。レオニス殿下のお子でもありません。」


「じゃあ、誰の子なんだ?」


レオンハルトは食い下がる。


ヴィオレッタは冷たく言い放つ。


「レオンハルト殿下には関係ないことです。」


「レオンハルト殿下はカミラ様に頭を下げて、コーネリアに婿入りすべきです。この国の王子として、責務を果たさなくてはなりません。」


その言い分は、どこか正妃モードのエレノアを思わせた。


その様子を見ていたエレノアは、小声で言う。


「ヴィオレッタさんのお気持ちもわかりますが、あのような物言い、レオンハルト殿下がお気の毒ですわ。」


俺は苦笑するしかなかった。


その後も二人のやり取りは続く。


「ヴィオレッタ、俺に王子は務まらん。それにな、あのプライドの高い姫さんのプライドをズタズタにしたんだ。もうどうにもならない。だから、ヴィオレッタ、俺と結婚してくれ。」


「何言っているんですか、レオンハルト殿下。貴方の子ではないと言っているでしょう?」


ヴィオレッタも中々強情だ。


レオンハルトはため息をついた。


「わかった。じゃあ、そういうことにしてやる。だから、結婚しろ。」


「なんで、そうなるんですか?だから、貴方の子じゃないと――」


「わかったって言ってるだろ。細かいことは気にしない。次は俺の子、産んでくれ。」


「そういう問題では……それに陛下が――」


「くそ、親父、あんなんほっとけばいい。それに俺は知ってる。お前は俺にしか心は開かない。」


レオンハルトは真っ直ぐヴィオレッタを見て言った。


「お前は何も考えなくていい。ただ、俺に惚れてろ。そして、元気な子を産んでくれ。」


ヴィオレッタも、さすがにこの言葉には抗えなかった。


こうして、ヴィオレッタとレオンハルトの話はまとまった。

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