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元ホストの俺、乙女ゲームの王太子に転生。婚約者(悪役令嬢)だけは絶対に守ります  作者: ふうこ0701
第5章 漆黒の王子と二つの懐妊

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第63話 漆黒の王子

俺はレオンハルトに接触できないまま、晩餐会の日を迎えた。


晩餐会には、ヴィオレッタも出席することになっている。


ヴィオレッタの妊娠は、まだ公表されていない。


その件については、漏れないよう口止めがされている。


そのあたりは、ヴィオレッタの父である財務大臣が、うまく処理しているようだった。


そのため、ヴィオレッタはまだ俺の婚約者のままだ。


ヴィオレッタは、俺の惻妃候補として参列する。


俺は、その心情を思うと胸が痛かった。


知らぬとはいえ、レオンハルトはヴィオレッタの前で、他の女と婚約を交わすのだ。


ましてや、その男の子を身ごもっているというのに。


エレノアはその日、薄ピンクの可憐なドレスを纏っていた。


その姿を見た瞬間、俺は心を奪われた。


「まるで、花の妖精が舞い降りてきたかと思った。」


俺はエレノアの手を取り、その手に口づける。


「殿下……そんな、お世辞を。」


「お世辞なんかじゃないさ。エレノア、君は美しい。」


そう言って、エレノアの手を引き、晩餐会へと向かった。


会場はすでに賑わっていた。


エレノアが、ヴィオレッタを気遣っている様子が見て取れた。


やがて、晩餐会の主催である国王が入場する。


大きな歓声と拍手が巻き起こった。


続いて、レオンハルトの母、マリアンヌ王妃が入場する。


近頃は自室にこもりがちで、表舞台に姿を見せることはなかったが、今日は息子の晴れ舞台だ。


当然、出席している。


マリアンヌ王妃は、レオンハルトの件以降、美しかったブロンドの髪は、 白髪に変わってしまったという。


それでもなお、サファイアブルーの瞳と相まって、気品ある美しさを保っていた。


あれが、母上を王妃の座から追いやった女か。


俺は、複雑な心境でその姿を見つめる。


続いて、賓客であるコーネリアのカミラ姫が入場した。


純白のシンプルなドレス。


見た目は可憐で美しい。


内面の狡猾さは、これでは見抜けないな。


俺はそう思った。


そして、最後に現れたのが、レオンハルトだった。


その姿に、会場の空気が一変する。


漆黒の髪と瞳。


長身で整った顔立ち。


全身から放たれる威圧感。


まるで冥府の王が舞い降りてきたかのようだった。


これはまた、ご令嬢たちを夢中にさせるな。


俺は内心でそう思う。


カミラ姫も、レオンハルトに好印象を抱いている様子だった。


おそらく、この婚姻を断ることはないだろう。


やがて、レオンハルトの王位復権が正式に宣言される。


レオンハルトは王子らしく、それを受け取った。


会場からは大きな喝采が上がる。


そして、次の流れは、レオンハルトがカミラ姫へ求婚する、はずだった。


だが、その時、事件はおこった。


宰相が口を開く。


「レオンハルト殿下、王位復権おめでとうございます。

ここには、殿下の心を掴む女性はおりますかな?」


茶番もいいところだ。


この後の筋書きは決まっている。


レオンハルトがカミラ姫の美貌に心を奪われ、求婚する、


そのはずだった。


だが、レオンハルトは不敵に笑った。


その笑みは確かに人を魅了するものだったが、次の瞬間。


高らかに宣言した。


「胸と尻が大きくて、抱き心地のいい女がタイプだ。

あんな貧弱で上品な姫じゃないことだけは、確かだな。」

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