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元ホストの俺、乙女ゲームの王太子に転生。婚約者(悪役令嬢)だけは絶対に守ります  作者: ふうこ0701
第5章 漆黒の王子と二つの懐妊

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第62話 婚約と犠牲

宮中では、レオンハルトの王子復権と、

コーネリアのカミラ姫との縁談話が水面下で進んでいた。


レオンハルトの闇属性は、ルミナリアでは「闇付き」と偏見を持たれている一方で、コーネリアやヴァレンシアといった大国では、まったく別の見方がされている。


闇属性は単なる魔法属性の一つであり、しかも光属性同様、希少性の高い属性だ。


そのため、闇属性保有者は国によっては優遇されている。


カミラ姫にとっても、闇属性の王子を婿に迎えることは、この上なく良い話だろう。


レオンハルトにとっても、差別の多いこの国よりコーネリアへ行くことは、むしろ好条件に思えた。


俺はレオンハルトに会いたいと申し出たが、許されなかった。


俺とレオンハルトは兄弟である前に、政敵。


そのため、俺がレオンハルトに何かするのではないかと警戒され、近づくことすらできないのだ。


俺は、エレノアにヴィオレッタの件について話をした。


「エレノア、私は場合によっては、このままヴィオレッタ嬢を惻妃に迎えようと思う。」


エレノアは、静かに俺を見つめた。


俺は続ける。


「もちろん、レオンハルト次第だが、私はレオンハルトがどんな男かわからない。


カミラ姫との縁談は、レオンハルトにとって悪い話ではない。


レオンハルトがヴィオレッタ嬢ではなく、カミラ姫を選ぶ可能性も十分にあるだろう。」


「その場合、ヴィオレッタ嬢は一人で産み育てるというが、そんなに甘くはない。


王太子に婚約を破棄された挙句、父親のわからない子供を産んだとなれば、

財務大臣ヴァンデル侯爵家の面子にも関わってくる。」


エレノアは、何も言わずに俺を見ている。


「それに、生まれてくる子供には罪はない。


誰かが責任を取らなくてはならない。」


エレノアは一呼吸おいて、


「殿下はヴィオレッタさんを大切に思っているのですね?」


と、どこか複雑な表情をした。


「誤解するな、エレノア。


私はヴィオレッタ嬢に同情しているだけだ。君への思いとは全然違う。


私が愛するのは、君だけだ。」


俺は断言する。


エレノアの顔が、みるみる赤くなった。


「ですが、殿下。

ご自身の子ではない子供をお子としてお認めになるのですか?」


俺は、小さく息を吐く。


「愚かだと思うか?」


そう問いかける。


エレノアは一瞬目を閉じ、ゆっくりと答えた。


「わかりません、殿下。」


「ただ、私は殿下のなさろうとしていることがとても好きですわ。


私も微力ながら、殿下とヴィオレッタさんのお力になりますわ。」


そう言って、満面の笑みを浮かべた。


俺はエレノアを思い切り抱き寄せた。


その後、レオンハルトとカミラのための晩餐会が、国王主催で執り行われることになった。


主要な貴族はもちろん、今回は陛下の惻妃たちや他の王族も出席する。


そこで、レオンハルトの王位復権と婚約が発表される予定だ。


だが、俺は、レオンハルトにヴィオレッタ嬢のことを伝えられないでいた。

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