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元ホストの俺、乙女ゲームの王太子に転生。婚約者(悪役令嬢)だけは絶対に守ります  作者: ふうこ0701
第4章 女王と忠犬

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第40話 揺るがない選択

全員の視線が、俺に集まる。


エレノアは、明らかに困惑していた。


ここで、彼女に恥をかかせるわけにはいかない。


「いいでしょう。では、4人で参りましょうか?」


そう言って場を整える。


カミラ姫は、満足そうに微笑んだ。


そして、エレノアは丁寧に二人を案内し始める。


だが、セドリック王子はともかく、カミラ姫はまるで話を聞いていない。


俺の腕を取ろうとしたり、上目遣いで覗き込んできたりと、露骨に距離を詰めてくる。


俺はそれらを、自然な動きでかわし続けた。


エレノアは、何も言わない。


ただ、凛としたまま歩き続ける。


正妃モードに入っているな。


やがて、カミラ姫が口を開いた。


「ねえ、レオニス様、あの日何故私を選んでくださらなかったの?

私はお待ちしておりましたのに。」


上目遣いで、こちらを見上げてくる。


セドリック王子とエレノアは世間話を続けているが、

確実にこちらの会話に耳を傾けている。


ようやくエレノアとうまくいっているのに、邪魔されてたまるか。


そんな思いが、胸の奥で燻る。


「レオニス様もあのバラの意味、わかっていたのでしょ?」


とカミラ姫は微笑む。


「私にとって、エレノアだけですよ、了承するのは。」


愛想笑いを浮かべながら、はっきりと言い切る。


だがカミラ姫は気にする様子もなく、続けた。


「レオニス様、私思いましたの。この国で結婚相手を探そうと思い、留学いたしました。

でも、レオニス様より素敵な方はおりませんでしたわ。」


「レオニス様は評判通り、堂々と凛々しく、そして美しかったですわ。

レオニス様ほどの方はいらっしゃらない。」


俺は、小さくため息をついた。


「それは、光栄です。ですが、姫、私にはエレノアがいます。それに私は王太子。

姫の婿にはなれません。」


はっきりという。


だが、


「ええ、ですので、私、レオニス様にお嫁入りをすることにいたしますわ。」


和やかな口調で、とんでもないことを言う。


「王位継承など、妹に譲ればいい。

レオニス様の方が、価値があると思いますの。」


空気が、一瞬で張り詰めた。


「お戯れを。本気にしたらどうするんです?」


俺は軽く肩をくすめる。


「それに、王位継承権を簡単には放棄できないでしょ?」


だがカミラ姫は、真っ直ぐな瞳で返す。


「いいえ、妹の方が私より優秀ですの。生まれた順でたまたま私が継承しているだけ。

次期女王には妹の方が相応しい、それに父は言いました。王位継承より魅力的な人が現れたら、お嫁に行ってもいいって。」


その瞳は、本気だった。


「それにコーネリアとの縁組は貴国にとっても有益では?」


「国益だけ見たら、そうかもしれません。

でも、無理だ。私はあなたに心を惹かれない。

今だって、あなたがコーネリアの姫だからこうして相手しているだけです。」


微笑みながら、冷たく言い切る。


その瞬間、


「レオニス殿、それはあんまりな言い方ではないか?」


セドリック王子がこちらを振り向いた。


「いいえ、私はこれでも我慢している方ですよ。」


視線を逸らさず返す。


セドリック王子は、わずかに口元を緩めた。


「なるほど、では我慢ついでにもう一ついいか?」


「何だ?」


セドリック王子は、真っ直ぐに俺を見据える。


「私は、エレノア嬢を正妃に迎えたい。妹から聞いた。

エレノア嬢は美しく、賢く、寛大な方だと。」


その言葉に、空気が凍りつく。


「エレノアが魅力的なのが罪なのはわかった。

私が惚れるくらいだからな。だが、エレノアは渡さない。」


低く、言い切る。


「何故だ?レオニス殿はカミラ姫の申し出を断れまい。

まして、カミラ姫を側妃などもってのほか。

そうすると、エレノア嬢の王妃になるという夢は叶わなくなる。

私も同じ王太子だ。私なら、エレノア嬢の夢を叶えて差し上げられるぞ。」


そして、セドリックは、エレノアの手を取った。


「私の子を産んでくれないか?エレノア嬢。」


その瞬間、血が一気に沸き上がる。


俺がセドリックに殴りかかろうとした、その時だった。


「無理です、ごめんなさい。私は、レオニス殿下のお子を産むんです。」


エレノアの声が、高らかに響いた。

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