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元ホストの俺、乙女ゲームの王太子に転生。婚約者(悪役令嬢)だけは絶対に守ります  作者: ふうこ0701
第3章 婚約ではなく、盟約

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第25話 運命への反逆

毎週土曜日21時更新です

今日は、朝から雨確認したので、更新します。

「レオニス、どうしよう……。そうだった、私、聖女に転生したわけじゃない」


セレナは頭を抱えた。


「まあ、シナリオ通りにいくとは限らないけどな」


「えっ……?」


「だって、すでに私とお前という存在がいる時点で、シナリオは狂っている」


その言葉に、セレナの表情がぱっと明るくなる。


「それに、王太后も公認だというなら――私も協力しよう」


「やったー!レオニス、いいやつだね!」


セレナは一気に舞い上がる。


「カイル、そういうことだ。わかったな?」


カイルは眉をひそめながらも、静かに頷いた。


その様子を見て、アルベルトは苦笑する。


「カイル……いろいろと、すまない」


そう言って頭を下げていた。



「ねえ、なんでレオニスって聖女に惹かれないの?聖女、かわいいじゃん」


「私が好きなのは――」


「わかってる、悪役令嬢の方でしょ。たしか、エクレア」


勝手に名前を菓子に変換するセレナ。


「違う、エレノアだ」


即座に訂正する。


「あ、それそれ。でもさ、レオニスルートって、バッドエンドだと聖女の力が失われて、世界が大混乱になるんじゃなかった?」


「何だと?」


セレナは少し考え込む。


「うーん、私も詳しくは覚えてないけど……友達がレオニス推しで、そんなこと言ってた気がする。つまり、聖女が失意のまま闇落ちするんだよね」


さらりと、とんでもないことを言う。


だが――まったくあり得ない話でもなかった。


現に、リリアはすでに闇に堕ちかけている。


「だからさ、エクレアは諦めて、世界のためにリリアにしなよ」


「無理だ」


即答だった。


「でも、せっかくカイル様と結婚できてもさ、世界が不安定だったら楽しめないじゃん」


どこまでも自己中心的だ。


「ちなみに、私がリリアとハッピーエンドになった場合はどうなる?」


「エレノアが断罪される。たしか幽閉……だったと思うけど」


セレナは少し言い淀む。


「でも、悪役令嬢ってプライド高いから、自分で毒を――」


「そんなことはさせない。絶対に」


言い切る。


エレノアが断罪されるなど――あり得ない。


受け入れられるはずがなかった。


「じゃあ、リリアどうするの?」


「さっきも言っただろう。シナリオ通りになるとは限らない。いや――させない」


セレナはじっと俺を見る。


「それに、リリアが状況的にカイルルートに変わる可能性だってある」


「はあ?それ絶対ダメなやつじゃん」


少し考え込んだあと、セレナが顔を上げる。


「じゃあさ、こういうのは?ちょっとマイナールートだけど……お兄様とリリアをくっつける」


さらっと言い放つ。


「我が家としても、いつまでもフラフラしてる長男が片付くし、一石二鳥!」


得意げな顔だった。


「なるほど、それはいいかもしれん」


俺もつい笑いながらアルベルトを見る。


「あの……全部聞こえていますよ、あなたたちの悪巧みは」


アルベルトはため息をつく。


「それに、私は恐れ多くて聖女となど結婚できません」


するとすかさず、セレナが口を挟む。


「えー、なんで?じゃあクラリッサは?ああいうの、お兄様のタイプじゃない?」


アルベルトは頭を抱えた。


「……なぜ、レオニスの婚約者限定なんですか?」


「そりゃあ、カイル様と私の成婚率を上げるためでしょ」


なぜか胸を張るセレナ。


「……さっきから、カイルの意思は完全に無視ですね」


アルベルトが呆れ気味に言う。


「その件なら大丈夫!カイル様を幸せにする自信あるから!」


どこから来るのか分からない自信。


「たとえこの世が闇に包まれようと、私とカイル様はきっと生き残ってみせますわ!」


意味はよくわからないが、とにかく自信満々だ。


カイルはなんとも言えない表情をしていた。


とりあえず――


俺とセレナの協力関係は成立した。


これは婚約というより、“盟約”と呼ぶべきものかもしれない。


だが――


俺の中には、拭えない一抹の不安が残っていた。

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