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元ホストの俺、乙女ゲームの王太子に転生。婚約者(悪役令嬢)だけは絶対に守ります  作者: ふうこ0701
第8章王家の婚姻

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第110話 聖女の婚約⑥

俺は、レオンハルトから事情を聞かされていた。


「だから、どうにかしてくれ、レオニス。」


レオンハルトが頭を下げる勢いで言う。


「そうですよ。女性問題と言えば、レオニス、あなたでしょう?」


アルベルトまで便乗した。


ルシアンは何も言わず、ただ、すがるような目で俺を見ている。


「どうにかしろと言われても、どうにもならん。」


俺は冷たく言い放った。


正直、人の恋路など心底どうでもいい。


「エレノアとイチャイチャしているところ邪魔されて、すねてるのよ。

大人気ない。」


セレナが呆れたように言う。


……まあ、否定はできない。


俺はそっぽを向いた。


そんな俺の袖を、エレノアがそっと引っ張る。


「殿下、ルシアンが気の毒ですわ。

それに、私が思うに、リリアも素直になれないだけだと思います。」


エレノアは優しく言った。


「エレノア、それは本当か?」


普段はエレノアを毛嫌いしているくせに、ルシアンはすぐに食いつく。


エレノアは小さく頷いた。


「ええ、私にはそう見えました。」


その言葉に、ルシアンの表情がぱっと明るくなる。


「そうか。流石、エレノアだな。

ありがとう、勇気が湧いてきた。」


調子のいい奴だな。


俺は苦笑する。


「で、レオニス、どうするんです?」


アルベルトが面白そうに聞いてきた。


「そんなもの、ルシアンがリリアに告白するしかないだろ。」


俺は当然のように答える。


だが、ルシアンは不安そうに俯いた。


「だが、私はレオニスみたいに、かっこいいことも華やかなことも言えない。」


「別に、かっこよくなくてもいいんじゃないか?」


俺は肩を竦める。


「お前の気持ちを正直にぶつけてみろ。

そうすれば、きっとお前の気持ちは届く。」


セレナは、そんな俺を見て感心したように言った。


「流石、“光の王太子”。いいこと言う。」


「やっぱり、女性問題に関してはレオニスに聞くのが一番ですね。」


「だな。」


アルベルトとレオンハルトも揃って頷く。


どうやら、ルシアンも覚悟を決めたようだった。


そして、俺達はリリアを探した。


リリアは、音楽室で一人静かに佇んでいた。


ルシアンは、意を決したようにリリアへ歩み寄る。


俺は、


「無粋な真似はやめろ。」


と止めた。


だが――


「俺達には見守る義務があるんだよ。」


「そうですよ。ダメだった時、誰がルシアンの骨を拾うんですか。」


「そうよ。こんな面白いこと、見逃せないじゃない。」


レオンハルト、アルベルト、セレナは全く聞く耳を持たない。


そして極めつけは、


「殿下、私も見守りたいです。」


エレノアまでそんなことを言い出した。


結局、俺も巻き込まれる羽目になる。


ちなみに、カイルには邪魔が入らないよう、しっかり見張りを頼んでおいた。


そして――


ルシアンが覚悟を決めたように叫ぶ。


「リリア、私と結婚してください!」


「うわー、いきなり結婚って、それはないよね。」


「本当に何考えているんでしょうね、ルシアン。」


セレナとアルベルトは呆れている。


だが、ルシアンは止まらなかった。


「もし、リリアが結婚してくれなかったら、私はここから飛び降りて死ぬ!」


リリアは顔色を変える。


「ちょ、ちょっと待って、待ちなさい、ルシアン!」


「ありゃあ、告白じゃなくて脅迫だな。」


レオンハルトは苦笑した。


そして、ついにリリアが叫ぶ。


「わかったから!わかったから、ルシアン!

だから、もうやめて!」


「本当か、リリア!」


ルシアンは嬉しそうに身を乗り出した。


――だが、その勢いで身体がふわりと宙へ浮く。


せっかく恋が実ったというのに、誰もが「あっ」と息を呑んだ。


だが、ルシアンは風魔法で宙に浮いていた。


それを見たリリアは、


「ルシアン、騙したわね!」


顔を真っ赤にして怒鳴る。


こうして――


リリアとルシアンの婚約が決まった。

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