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元ホストの俺、乙女ゲームの王太子に転生。婚約者(悪役令嬢)だけは絶対に守ります  作者: ふうこ0701
第7章 正妃の資質

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第93話 歌って踊る王太子、再び 前編

「で、エレノア、どうするのだ?

お前だけのミスでは済まされまい。

国主催の宴であり、陛下はもちろん、王妃様や王太后陛下の顔にも泥を塗ることになろう。」


クラリッサはエレノアを責める。


女官たちも口には出さないが、その目は明らかに責任を問うていた。


「待て、エレノアを責めるな。

その歌手と交渉したのは私だ。

もし手違いがあったのなら、私の確認ミスだ。」


クラリッサは鼻で笑った。


「ふん、エレノアはレオニス殿に寵愛されているゆえ、何をやらかしても庇ってもらえるから良いな。

だが、そんなに守ってもらうばかりで、王太子妃、ひいては王妃が務まるのか?

レオニス殿も、常にそなたを守ってばかりはいられまい。」


何とも意地の悪い言い方だった。


今回の件も、エレノアを貶めるための陰謀としか思えない。


「庇っているのではない。

私は事実を言っているのだ、クラリッサ姫。

私は確かに交渉し、本日この時に招いた。

手違いがあったというのなら、後ほど劇団に追及するつもりだ。」


俺はクラリッサを見る。


「今回の件、うやむやにするつもりはない。

害虫は、被害が大きくなる前に駆除しなくてはな。」


宰相が口を開く。


「それはさておき、いかがいたしましょうか、殿下。

今からでは、王室御用達の劇団であっても間に合いますまい。」


現実的な問題だった。


「それは、私が何とかする。

今回、どのような宴を催すかは極秘であったな?」


「はい、殿下。皆を驚かせるため、秘密にしておりました。」


「では、何とかなる。……いや、何とかする。」


俺は力強く言い、カイルを見る。


カイルは何も言わず、この場を去った。

おそらく、俺の意図を察したのだろう。


俺はエレノアに視線を向ける。


エレノアは痛々しいほど青ざめ、震えていた。


俺はその身体を抱き寄せる。


「エレノア、大丈夫だ。

私は、君に落ち度がないことを知っている。」


エレノアは、青ざめたまま俺を見上げる。


「それに、私が何とかする。だから、大丈夫だ。」


そう優しく告げるが、震えは止まらない。


「エレノア、せっかく月の女神を思わせるほど美しいのに、

そんなに青ざめていては、せっかくの美人が台無しだ。」


そう言って、不意に唇を重ねる。


いつもよりも長い、長いキスだった。


エレノアは我に返り、


「殿下、人前でなんてことをするのです。」


と顔を真っ赤にして怒っていた。


「はは、でも血色が良くなった。」


俺は笑った。


宰相たちは、目のやり場に困ったように顔を赤くしている。


俺はエレノアをエスコートし、席へ送り届けた後、席を立つ。


舞台袖には、すでにセレナ、リリア、ルシアン、アルベルトが待機していた。


セレナが言う。


「あれ、やるんだってね。

今、カイル様とモグラ王子が他のメンバーを集めてるわ。」


そう、俺はルミナリア祭で披露した

「歌って踊る王太子」をやるつもりだった。


ここは王宮。


劇団用の楽器も揃っている。


学院の生徒も、名門貴族の子息や令嬢が多い。


メンバーも、ある程度は揃うだろう。


「私もあれからセレナに楽譜をもらい、練習しました。

今回はバイオリンで参加しますよ。」


アルベルトが言う。


「ありがとう、アルベルト。助かる。」


俺は礼を言った。

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