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第83話 VSメタルドラゴン①


 現在のメンバー……。


 メインメンバー:ステラ グリーン ブラック (ミリア)

   控え   :レッド ブルー ピンク


「ケーケケケ!」


 グランマンティス、スライム。

 そして、最後にリトルサモナーが召喚した魔物。それは……。


「ガアアアアアアッ!」


 ドラゴンだ。

 爬虫類のような体と、蝙蝠のような翼、鋭い爪と牙を持ち合わせている。


「ステラさん。大変ですよ。ドラゴンですよ」


 ミリアが慌てふためいている。


「ガッハハハハ。ガッハハハハ」

「しかも、笑っていますよ」


 人語を話せるということは、それだけ知能が高いということ。

 きっと、レベルの高い魔物なのだろう。


 でも、私はたいして驚かなった。

 つい先日、これより偉大なドラゴンを見ているからだ。


「エリュシオンと比べれば……」


 なんていっても、神の竜。

 そんじょそこらの竜とは比較にはならない。


 神々しさが違うのだ。竜としての次元が違うのだ。

 全身から醸し出されるイケメンオーラが、他の竜とは根本的に違うのだ。


 はっきりと言ってしまおう。

 あんな森に引きこもってなければ、一躍有名竜になっていた。いや、本当に。


「なんだと!?」


 ドラゴンが私を見据えると、その牙を剥き出しにした。


「貴様らエリュシオンを知っているのか?」

「……何か、こっちに話しかけてきてますよ」


 聞いてあげよう。


「吾輩はヴァルハラ。史上最強の竜にして、世界一かっこいいドラゴンだ」

「うん。そう」


 自分で言うのは、勝手だからね。

 さらっと、流すことにする。


「エリュシオンとは、どういう関係なの?」

「奴は吾輩から、勇者を横取りした」


 横取りとは、ずいぶんと物騒な言葉だ。


「本当は、勇者の基地になるのは吾輩だったのだ。なのに、奴は姑息な手段を使って……」

「姑息な手段?」

「奴は決闘の前日に、吾輩の食事に薬を盛ったのだ。そのせいで、吾輩は全力を出すことができなかった」

「それをエリュシオンが、やったっていうの?」

「そうだ。奴以外に得をするものはいない。当然の話だろう」


 あんまり、イメージと合わないが。


 ドラゴンが、ドンドンと地団駄を踏み出した。


「があああっ! 本当なら、吾輩が勇者に『ヴァルちゃん』って呼んでもらえる予定だったのに!」

「……お、おう」


 嬉しいのか?

 まあ、ドラゴンにとっては大切なことなのか。


「許せん! 復讐だ! 人類を滅ぼしてやる!」

「ええっ!」


 安直すぎだよ。


「手始めに、貴様だ! 勇者の格好をしている貴様を懲らしめてやる」

「もはや、それ逆恨みだよ!」

「そして、吾輩のことを『ヴァルちゃん』って呼ばせてやる」

「……ええ」


 どういうこと? 

 もうこの竜の考えてることが、さっぱり分からないんだけど。


「あるいは、『ヴァルさま』でもいい」


 そう言うと、尻尾を振り上げてきた。


 ドラゴンは全身が固い鱗で覆われているため、その表皮は異様に硬い。

 加えて、今は『メタリックサモン』によって、メタル化されている。


 当然、尻尾を振るだけで、その一撃は必殺になりうる。


「アイアンテイル!」


 鋼鉄の尾をムチのようにしならせて、私に叩きつけてきた。


「……神速!」


 間一髪で避けるも、敵は次の手に移行。

 私の行く手を塞ぐように、両手を広げた。


「アイアンクロウ!」


 両手から放たれる爪の連撃。


「ブラック」

「……ん……」


 彼女の盾でガードしてもらう。


 ガガガガッ! 

 攻撃は激しいが、一撃の威力はそこまででもない。


 きっちりと対処すれば、余裕で受けられるレベル。


 隣でミリアが、私の肩を叩いてきた。


「ステラさん。あの……」


 彼女は、ダメそうだな。


 さすがに、ドラゴン相手は厳しい。

 たぶん、彼女自身もそう感じたのだろう。


「あなたはギルドまで避難して」

「……分かりました」


 私に背を向けると、通りを走って行く。


「……よし」


 これでいい。

 とりあえず、彼女を退避させておけば、私も自由に動ける。

 ここから、反撃に転じることにしよう。


「ガッハハハハ」


 ドラゴンが笑い出した。

 嫌な予感がするな。こういう場合は、敵が何か企んでいるときだ。


「まさか、貴様の仲間を、吾輩が見逃すとでも?」

「……え? あなた」

「あの娘も勇者の格好をしている。当然、吾輩の獲物だ」


 なんだと、こいつ。

 逃げ出そうとしているミリアを、狙うつもりか。


 とにかく、彼女に知らせないと。


「ミリア! ミリア!」

「……」


 ダメだ。

 ここからじゃ、声が届かない。


「背を向けている女がいる。チャーンス!」

「あ、悪魔!」

「ドラゴンには、悪魔という意味もあるのだ。勉強不足だったな」

「竜としての誇りとかないの? そんなだから、エリュシオンにも負けるんだよ」

「ガッハハハハ! なんとでも言うがいい……ふん!」


 ドラゴンは両足を踏みしめて、しっかりと立った。

 それから、胴体を起こして、頭を後ろにさげる。


「コオオオオオォッ!」


 周囲の空間が歪んでいく。

 バチバチッと火花が散り、闇の力が渦のように集中していく。


「これは……」


 ブレスか。

 ドラゴンの代表的な技であるブレスを放つつもりだな。


 そうはさせるものか!


「……ん……」


 ブラックが前に出て、盾を構えた。


 竜のブレスはビームのような直線攻撃。

 これで、敵の射線は通らなくなる。


「邪魔だ……アイアンブレス!」


 ドラゴンの尻尾が、ブラックを横殴りにした。

 衝撃に耐えられず、彼女の体が吹っ飛んでいく。


「……ん……ん……」


 ――ガシャン! 隣の家に放り込まれた。


「……ああ。ブラック」


 我がパーティー『エレメンタルクラウン』の盾が一撃で潰された……。


「それなら、私が……神速!」


 受ける必要はない。

 要は、ブレスを止めてしまえばいいだけだ。


 敵の右側に移動し、剣を振り抜いた。


「ブレイブラッシュ!」 


 敵の頭に、強力な一撃をお見舞いする。


 今はマックスブレイブを発動中。 

 クリティカルによる会心ダメージも含まれているのだ。


 さすがに、これなら……。


「……」


 ダメだ。傷どころか、敵の頭はピクリともしていない。


「その程度の攻撃では、吾輩は止められぬ」


 ドラゴンは依然として、力を溜め込んでいる。


「ブレイブラッシュ! ブレイブラッシュ!」

 

 一撃で駄目なら、更に数発。

 同じ個所に立て続けに、攻撃を繰り出す。


 だが、ドラゴンは微動だにせず。

 岩のような頑強さで、その場に固まり続けている。


「ガハハハハ! 無駄だ! 無駄だ!」


 ダメだ。

 こいつに、全くダメージを与えられてない。


 メタル化だけじゃない。

 ドラゴンの鱗の表皮による防御力、各属性の耐性。


 そう言ったドラゴンとしてのスペックが高いんだ。


 エリュシオンと競ってたのも、満更ウソではないってことか。


「……」


 力を溜め終えたのか、ドラゴンは背を屈め、頭を前に突き出した。

 そして、顎を下げ、口を限界まで開いた。


 今、そこから、莫大な力が放出されようとしているのだ。


「消し飛べ! ≪コバルトブレス≫!」


 ≪コバルトブレス≫

 難度  ★×6

 属性  火・地

 使用回数 8/8

 成功率 100%

 説明 ドラゴンの吐息。魔法攻撃+物理攻撃。溜め時間によって、威力が変動。


「……ぎゃあああっ」


 ブレスが出た。

 ミリアがヤバい! ミリア!

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