表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/107

第67話 森のキノコにご用心


 万馬券を当てた金持ちそうな男に出会った。


「俺が食べたいのは、『聖なる森』にいる『マイコニド』がドロップする『アカリダケ』のキノコ汁なんだ。それ以外のキノコは認められない!」


 こう言っていた。

 彼は、『アカリダケ』のキノコ汁を食べたいそうだ。

 

 さっそく、そのキノコを採りに、聖なる森に向かうことになった。


 今回のメンバー……。


 メインメンバー:ステラ レッド グリーン ピンク

   控え   :ブルー ブラック


「……マイコニドか」


 そいつが『アカリダケ』をドロップするそうだ。

 当然、倒す必要があるだろう。


「先ほど、ギルドで調べておきました」

「ありがとブルー」


 データを見たところ、キノコのモンスターということになっている。


 同じタイプに、『マタンゴ』や『ファンガス』というのもいるが。 

 彼らの外見は、そのまんま巨大なキノコだ。言うなれば、怪物タイプ。


 それに対して、『マイコニド』は人間に近い。人型タイプ。


「では、レッド。人型タイプで、注意しなければいけないことはなんだと思う」

「あたしに聞くのか。知らねーよ」

「ちょっとは考えてよ」


 というわけで、ピンクが答える。


「装備ができるんだよね。私たちと同じように」

「その通り。だから、武器や防具によっては苦戦するよ。気をつけていこう」


 あとはキノコのような植物系の特徴として。

 状態異常を多用してくることか。毒、麻痺、盲目。この辺り。


 これは私とピンクで対応していこう。

 ピンクは最近リカバーを覚えたらしい。それを使ってもらう。


 ブルーはお休みかな。水属性は効きにくい。

 ブラックもいらない。敵にはパワーがないので。


 作戦会議は終わり。


 聖なる森に到着した。


「町の人からの情報だと、神聖な森だって聞いてたけど……」


 地図も売ってないし、ギルドにもデータがなかった。


 なので、少し不安だったのだ。

 女神ローザに許可をもらってこようかと思ったぐらいだ。

 

「普通の森みたいだね」


 特徴としては、紅葉が多いことだろうか。

 落ち葉も合わせると、森中が赤く彩られている。


「でもさ。なんか変じゃね」

「え? レッド。どこか変?」


 彼女は側の切り株に注目する。


「キノコが生えてるんだよ」

「うん。森だし」

「そうじゃなくて、こうなんというか。上手く説明できないんだけど」


 いったい、レッドは何が気になるのか。


 念のため、私も切り株を調べてみるが……キノコが生えているな。

 赤くて細長いキノコだ。先端がテカっている。


 図鑑で見る毒キノコは、大抵は色の鮮やかなもの。

 なので、これも怪しい。毒なのでは?


 しかし、グリーンに見せると、すぐさま否定された。


「食べられるよー」

「え? 何言ってんの?」

「前にお店で売ってたー」


 そうなの? お店で?

 こんなの売ってたら、まず買わないと思うけど。


「甘いんだよー。ダンジョンで採れるんだってー」


 ……甘いだと。どんな味か気になってきた。

 では、さっそく。


 ――チン!


「もぐもぐ。焼いただけのキノコだけど、けっこういける」

「ええ! 食べんのかよ。ヤバそうだったぞ」

「大丈夫だよ。グリーンが食べられるって言ったんだから」

 

 その点に関しては、グリーンのことは信頼している。

 優れた嗅覚というか、そういうものがあるのだ。彼女には。


「もぐもぐ。ほんと。天然の味だね」


 ピンクも気にせず、食べている。


「レッドちゃんも、一緒に食べよう」

「あたしはいらん」

「どうして?」

「それは危ない奴なんだ。一目みて、ビビッと来たんだ!」


 そう言って、私たちから背を向けた。

 レッドはいらないようなので、私たちだけで、おいしくいただくとしよう。


「もぐもぐ。んー! サイコー!」

「おかわりー」

「私も、もう一つ欲しい」

「……」


 ――チン!


「うめえ! これ甘くて、うめえ!」


 結局、食べるんかい!

 ビビッと来たんじゃなかったのかよ。


 ☆


 ダンジョン探索を進めている。


「こっちー。こっちだよー」

 

 グリーンは枝を片手に持ち、私たちを導いていく。


 今のところ、危険はない。

 道中でタヌキのモンスターに会ったりもしたが、さくっと退治。


「家に帰ったら、タヌキ鍋だな」

「もう。ご飯のことばっかり」


 傾斜が急になってきたので、固まって移動する。

 落ち葉を踏みしめながら、転ばないように進めていく。


「……むっ」


 ちょうど、向こうの方で川の音が聞こえてきた頃だろうか。


 突然、グリーンが立ち止まった。

 

「どうしたの?」

「なにか……くるー」

「どこから? どの方向から?」

「……北ー」


 北? 北から来るのか?


「……と南と東と西」


 四方から?


「……いっぱい。いろんなとこからー」


 そのとき、私の右方向から、キランと何か光った。


「……おい」

「分かってる!」


 高速で飛んでくるものを、私は剣を抜いて対応。刃で弾く。

 どうやら、一つ二つではない。十や二十が四方から飛んでくる。


 パラパラと地面に針が落ちた。


「……なんだこれ」


 私を狙ってる?

 なんか集中して狙われてるんだけど。


「どいてろ!」


 私の前に立つと、レッドが『爆裂断』を使用。

 何者かからの攻撃を吹き飛ばす


 レッドが敵の攻撃を引き受けてくれた。

 私は反撃をしないと。


「……」


 本体の位置は北だろう。

 最初にグリーンが感知した方角だ。


「あそこの茂み!」

「わかったー」


 私が指した方向へ、グリーンが弓を飛ばす。

 すると――。


「……ちっ」


 舌打ちが聞こえて、茂みから人影が現れた。


「……人じゃない」


 ピンクが驚くように、相手は人ではなくモンスター。

 キノコ人間というべきだろうか。


 袖の長い変な服装をした女性だ。

 頭にはキノコの笠を被り、口以外の部分はよく見えない。


「これがマイコニド」


 たぶん間違いないだろう。

 話に聞いていたより、人の姿ではあるけど。


 マイコニドは高めの声で、私に話しかけてきた。


「どうやって、結界を抜けてきたのか知らんが」

「……え?」


 結界がどうとか。どこかにあったのか。


「お前たちをここから先に進ませるわけにはいかない」


 その女性は私たちへの敵対心を隠そうともしない。

 睨みつけながら、武器を構える。


「この『マイ』の命に代えても!」


 







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ