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35/107

35 VSパルテ


 現在のメンバー……。


 メインメンバー:ステラ レッド グリーン ピンク

   控え   :ブルー ブラック (ミリア)


 武器庫の中。

 『アニマ・ライズ』と呼ばれる魔法により、私たちの周りはモンスターでいっぱいになった。


「武器をモンスターに変身させる魔法……」


 なるほど。

 これで大砲を高台に運搬した方法にも、聖剣を持ち出した手段にも、合点がいった。


 モンスターに変身させて、自分で歩かせたってことか。

 剣と変わらないサイズなので、足元を這って動けば、目立たずに長距離を移動することもできる。


 武器たちはトカゲのような姿をしており、なぜか目玉がなく、非常に不気味である。

 二本足で立つが、ふらついた足取りで、ゾンビのようにも見える。


「……ギギギ……ギギ」


 怪物は私たち四人を取り囲むように、陣を組んだ。

 ギザギザした牙を見せ、鋭い爪を研ぎ。

 じりじりと追い詰めていく。


「みんな、足並みを乱さないように。隙を見せると食いつかれるよ」


 初めて遭遇するモンスターなので、やりように困る。


「……ギギ!」


 まずは敵の方からだ。

 一匹が飛び跳ねるように、攻撃してきた。


「ふんっ!」


 レッドが対応。剣を敵の動きに合わせて、剣を突き込んだ。


 キィン!


 金属がぶつかるような音がした。


「けっこう固いな!」


 どうやら、身体は武器だったときと同じもの。

 つまり、剣なら鉄のような固さってことか。


 でも、それ以外は特筆すべきところはない。

 少し固いだけのトカゲといったところだ。


「パワーアップ! パワーアップ!」


 ピンクに能力アップをかけてもらう。

 桃色の光を帯びたレッドは、スキルを発動した。


「爆裂断!」


 側にいた一匹に攻撃。

 モンスターに刃が当たると、激しい爆発が起こった。


 これは、爆発で対象を破壊するスキルだ。


 固い身体でも、この技なら粉砕できる。

 案の定、衝撃により、頭に大穴ができてしまった。


「……ギギ」


 そのままパタリと倒れると、ぐにゃっと身体が曲がる。

 そして、元の剣の姿へと戻って行く。


「相当量のダメージを受けると武器に戻るみたいね」

「ああ。これでやりやすいな」


 倒し方は、理解できた。

 この辺りにいるモンスターは、レッドにやってもらおう。


「……さてと」


 私はあそこにいるパルテをやらないとな。

 

「……ふっ」


 パルテは余裕を崩さず、笑みを浮かべた。


「私を狙う気? こっちにはまだまだ手駒があるのよ」


 そう言うと、目の前にぞろぞろとモンスターが現れた。


 先ほどのものよりも、身体が大きい。

 斧や槍のような武器が、変身しているのかもしれない。


「やりなさい!」

「ギギギ……」

 

 わりと素早い動きで、迫ってきた。


 モンスターはパルテの意のままに操れるようだ。

 というか、こいつらは目がないから命令がないと動けないのかな。


「パルテ。あなたを倒せば、魔法は解けるの?」

「そんなことは倒してから言いなさいっ!」


 私は魂が分裂したまま戻ってないから、ちょっと気になってたんだけど。

 まあ、いいか。倒してから考えよう。


「ギギギ!」


 数匹の敵が、一斉に突進してきた。

 そして、一斉に腕を振り下ろして攻撃を繰り出した。


 ビュン! 鋭い爪が、私の寸前まで迫っている。


「よし! 私も気合を入れて行くよ!」


 剣を構えると、スキルを発動した。


「……神速!」


 ≪神速≫

 難度  ★★★★★

 属性  無

 使用回数 15/15

 成功率 100%

 説明 一瞬だけ、超高速移動が可能になる。


 タンッ! と、地面を蹴ると、一瞬でその場から姿を消した。


「ギギッ!?」


 モンスター達は、呆気に取られた。

 完璧に仕留めたと思った相手が、急に消え失せたからだ。


「こっちだよ」


 私が手を振ると、モンスター達が一斉にこちらを向いた。


「……ギ?」

「ほら。こっちこっち」

「ギギ! ギギ!」


 私の方を追いかけてきた。


「……よし」


 足並みが揃わなくなったな。

 動きがバラバラ。これでやりやすい。

 一匹ずつ落としていこう。


「……神速!」


 私はスキルを使って、高速移動。

 相手の胸元に、一瞬で距離を詰める。


「……ギ?」


 まったく、反応できていない。

 さらに、スキル発動。


「ブレイブラッシュ!」

「ギゴッ!?」


 敵のあごを跳ね上げた。

 もう一度。


「ブレイブラッシュ!」

「ゴギギッ!?」


 ふたたび、あごに命中。

 これでどうだ?


「……ギ……ギギ」


 ダメージ過多になり、魔法が解けていく。

 まずは、一体。ちょっと、面倒。


「ふははははっ!」


 突然、パルテが笑い出した。

 いきなり、どうしたんだ?


「自分の体を見てみなさい」

「体……なにこれ?」


 なにか、虫のようなものが服にたくさん付いている。

 よく見ると、トカゲだ。というより、モンスター。


「……くっ……この」


 しがみついていて、なかなか剝がれない。

 自分に剣で攻撃はできないし。


「ギギギ……」


 ……ジジジッ! 音がする。そして、焦げ臭い。

 もしかして、これ爆弾か!


「吹き飛びなさい!」


 その言葉で、音が変わった。

 爆発まで、秒読みのようだ。


「……あわわわ」


 やばい。焦る。

 えっと、水は……いや、そんなものないぞ。


「……う……ウルトラアップ!」


 ――ブックン!


 ピンクが風船のように膨らんだ。

 もうブクブクである。


「……えいっ! えいっ!」


 ペシッ! ペシッ!


 繊細な動きで、服のトカゲたちをはたき落とした。


「おお、ピンク、ありがとう」

「ステラちゃん。来てるよ」

「ギギギ!」


 さっきのモンスターたちだ。

 鋭い爪で襲いかかっていた。


「はあああ!」


 ピンクが前にでると、モンスターを圧し潰した。


「やあっ!」

「ギギギギィ!」


 バキバキバキ! 

 一撃で粉々にしてしまった。


「ちょっとうらやましい。私もそのパワー欲しい」

「見ないで~。恥ずかしいの~」


 いや、見るなって言われても。


「ステラちゃんは、あの人を」

「うん。わかった」


 パルテはまだ余裕の笑みだ。

 後ろから、新しいモンスターが出てきた。


 今度は一匹。だが、さっきまでと違う。

 浅黒い肌ではなく、金色に輝いている。


「これが何がわかるかしら? そう、聖剣よ。 聖剣を変身させたの!」


 彼女は高笑いして、言った。


「言っておくけど、強さは他のヤツとは比べ物にならないわよ。あなたにこの最強のモンスターが倒せるのかしら」


 自信満々なのは、これが理由か。


「……ギギギ……」


 たしかに、強そうだな。

 牙も爪も光り輝いているし、身体から棘のようなものも生えている。


 攻撃も防御も高そうだ。これが聖剣か。


「やってしまいなさい!」

「ギギギ」


 襲いかかってきた。


「……うん」


 私も本気で相手してみるとしよう。

 剣を構えて、力を込めた。


「ギギ……」


 戦闘中に一回しか使えない。

 私の奥義――。


「……流星!」


 ≪流星≫

 難度  ★★★★★★

 属性  光

 使用回数 1/1

 成功率 100%

 説明 流星の如く、激しい連続攻撃を繰り出す。戦闘中に使えるのは一度のみ。


 鮮やかな光に包まれた。

 私の剣は、凄まじいスピードで、敵を切り刻む。

 十……二十……三十……


「……ギ……ギギ」


 敵の腕が切れ、足が切れ、頭が切れる……四十……五十……。まだ、続く。体が細切れになる。それでも、終わらない……六十……七十……粉々になり、跡形もなくなっていく。

 

「……」


 最後には、砂になった死体だけが残った。

 風に飛ばされ、どこかに流れていく。


 私は剣を収め、背を向けた。

 

「……ふっ」


 やりすぎちゃったな。


「……な……な」


 パルテが口をパクパクさせている。

 本当なら、これで倒せるつもりでいたのだろう。


 予想外の事態に、気が動転してしまっている。

 腰を抜かしたのか、尻餅を付いてしまった。


「……あ……あな」


 私を指さしながら、震える声で言った。


「……あなたって、こんなに強かったの?」


 



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